テネリフェ島への山旅⑤:ガイドさんのおかげで何とか登れたテイデ山 | 海と山、時々きもの

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ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

テイデ山登山当日。 

ガイドさんのピックアップ時間である6時半にホテルのロビーに降りたら既にガイドさんは到着していた。 

ガイドさんの名前はCapi。 

「今日は暑くなるから君の分の水も余分に持ってきたよ」と至れり尽くせり。 

 

この後、アクエリアス(500ml)を冷蔵庫に忘れたことに気づくも、この後国立公園までの道中には自販機みたいな素敵な文明の利器はなかったし勿論お店も開いてなかった。   

 

プライベートツアーの良い所は前日のように乗り換えを心配したりせず基本ガイドさんにお任せで良い所だ。 

車窓からの景色をCapiの解説を聞きながらのんびり眺め座っているだけで8時前にはテイデ国立公園の登山口に到着した。 

 

 

小さな駐車場は既に車がいっぱいで、Capiは「ここで待ってて」と私を下ろして少し離れた大きな駐車場に車を止めに行った。  

 

 小さい頃両親に連れていってもらったアメリカの中部の国立公園たちを思い出した。

なんか違う星感がある。うまく言えないけど。   

 

ちなみに登山口にはトイレはないので、Capiを待っている間その辺で花を摘んだ。 

そして花を摘んだ後に近くのこの「蜂の巣があります」「進入禁止」の看板に気づいた。

登山前にお尻を刺されるとかいう醜態を晒さなくてよかった。

 

これが登山ルート。   

 

この標高差でわかる通り最初はひたすらなだらかな登りで車道を登る。車で行ける道の終わりから登山道が始まる。   

 

10分程してCapiが帰ってきていざ出発。 

たぶんあのはるか向こうに見えるのが山頂。。。のはず。   

 

今まで見てきたヨーロッパの山とは全然違う景色だ。    

 

出発して10分程でレンジャーの車とすれ違う。

Capiが入山許可証と登頂許可証を見せて無事通過。

 

 

 

最初は違う星感があって面白いなぁ、と思ったけど、ひたすら同じような景色で車道をだらだら歩くのでちょっと疲れてきた。

 

と思った頃に車道の終わりに到着。

この辺は結構巨大なとかげがいたんだけど、あまりにすばしっこくて全く写真撮れず。。。

少し休憩をした後に再出発。

 

久しぶりの登山で自分が果たして登れるのか不安で、「私のペース大丈夫かな?」とここまでに3回くらいCapiに尋ねたけど、その度に「大丈夫、いいペースだよ!」と親切な答えが返ってきた。

 

しかしここから斜度がきつくなるので引き続き不安に苛まれながら登る。

 

Capiはかなりゆっくり登ってくれているんだけど、案の定段々私が遅れだした。

 

ひいこら言いながらストック2本をフルに使ってなんとか足を動かす。

プライベートツアーなので他のお客さんに迷惑をかける心配がない、というのはいい点だけど。

 

岩々した斜面を写真を撮る余裕もなくひたすらぜえはあ登ってたらようやく山小屋が見えてきた。

 

たぶん下の記録が山小屋に着いたくらいの時のもの。

 

標高は3100m強。

この辺りで「ちょっと頭が痛い。。。ような気のせいのような。。。」と思い始めたので、早めのロキソニンを摂取。

ここでしばらく休憩。

 

この山小屋は25年11月オープン予定、との看板が下がっていた。

Capiによると、コロナ後にいったんオープンしたんだけどゴミの管理方法に問題があると行政指導が入って管理者が変って再オープンするらしい。

 

ここに泊まるのも楽しそうだな、と思う。

もし公共交通機関で来て麓から登ろうとすると日帰りは絶対に無理なので、ここに一泊して翌日ゆっくり山頂まで行ってぶらぶら帰る、みたいなのも楽しいんじゃなかろうか。

 

一応、Capi曰くこのトレイル上には一カ所だけビバークできる箇所があるんだけど(トレイル脇に遺跡みたいに岩が積んでいる所)、あくまでビバーク用地なのでテントを張ったりするのは駄目で寝袋だけOKらしい。

快適に夜を過ごしたいなら山小屋のほうが良いと思う。

この日も一人、ビバーク用地に荷物をデポして山頂に向かっている人がいたんだけど、この人は本当に寝袋だけで夜を過ごしたのだろうか。。。

 

だんだんと山頂が見えてきた。

 

ケーブルカーの山頂駅が近くなると道も整備されて観光地っぽい雰囲気になる。

 

ここでしばらく休憩。

私「私のペース、大丈夫かな?」

Capi「大丈夫、いいペースだよ!」

という云十回目のやり取りを繰り返す(Capi、ほんとごめん)。

 

ケーブルカーは運休だけど、ちらほら人はいる。

その辺で座り込んでいた若者3人グループとCapiが何やら話をしているけどスペイン語なので1μもわからない。

 

ここまでちょっときつかったけど、何とか想定時間内に来れているようでほっとした。

だいぶへろへろなので山頂までまだ登りがあるというのは結構きついけど、まぁ後ちょっとだし、このペースなら多少ゆっくり行っても許されるだろう、などと考えながら行動食のゼリーをすすっていた。

 

しばらく休憩した後に山頂に向けて出発。

これが本来はレンジャーが許可証をチェックする山頂への入り口。

 

で、この柵をくぐった後が問題だった。

 

数m進んで左に曲がって更に右に曲がろうとした当たりで、「あれ?なんか風すごくない?」となった。

 

どのくらいすごいかというとうまく撮れなかったけど↓画面が揺れるくらいすごい。

 

歩こうとしたけど強風でまっすぐ歩けない。

歩けないどころか体が横に持っていかれる。

 

こんな強風、いつかの根石岳山荘の朝以来かもしれない。

というかそれを超えて自分史上一番の強風かもしれない。

 

体が風に飛ばされそうになるわ、帽子のつばが折れ曲がって視界がふさがれるわで、必死で格闘してたらなけなしの体力があっという間に奪われて、元来ヘタレの私は「あかん、もう無理や」となった。

 

全然歩けないしこんなんじゃ頂上に着くまでに疲れて倒れるっていうか風で倒れるししんどいしもう無理。

もうここでいい。もう私は十分頑張った。

 

「Capi、もう無理だから私はもうここでいい」

 

というとちょっと先を行ってたCapiが慌てて戻ってきた。

 

もうちょっとだよ。もうちょっと頑張ればいけるよ

「いやもう無理」

後30分もないよ。ストックついてると強風では歩きにくいからストックやめたほうがいいよ

「いや、ストックないともう一歩も歩けない」

 

と幼稚園児のようなダダをこねる43歳。

 

今思い返してもヘタレっぷりが恥ずかしい。。。Capiごめん。

 

そしてCapiごめんと同時に有難うと今でも思うのは、この時Capiは「じゃ、引きかえそっか」と言って引き返すこともできただろうしそれが一番彼にとって楽だっただろうに、「ちょっと僕が登って上の風の様子を見てくるからそこで待ってて」と言って、上に登っていったことだ(その時に撮ったのが上の動画。)

 

その時は、(いやもう無理だって。。。)と思っていたけど、座り込んで上の動画を撮っていたらたった数分だけどなんか、体に活力が蘇ってきた(気がした。)

 

Capiに言われた通りにストックをしまい、岩をつかみながら一歩一歩登り始めたら、風は強いし死にそうにしんどいけどなんとか進めはする。

 

のろのろと進んでいたらいつの間にかCapiが戻ってきて、「後ちょっとだよ」「この上は風そんなでもないから」「頂上までいかなくてもいい。噴火口の淵に行くだけでいいから」と色々声をかけてくれて、何とか文字通り這う這うの体で風が一番強い所を抜けて噴火口の周縁みたいなところにたどり着いた。

 

 

ここは風下なのか風はだいぶましで、へろへろになりながら周縁を回り込んだらそこが頂上だった。

 

Yamapの記録だと登山口からここまで5時間50分。標高差1437m。

なんとかたどり着いた。。。

 

 

 

 

Capi、ほんまに有難う。。。

 

早々に心折れてしまったヘタレ中年を励ましながらここまで登ってくれて。

ほんと感謝だ。

Capiがいなかったらこの景色は見られなかった。

 

テイデ山3,718m。

私史上最高標高。。。というわけではないけど、エギーユディミディ(3,842m)はロープウェーで登っただけだし、テイデ山は1400mの標高差を必死こいて登ったので達成感は格別なものがある。

 

岩陰で風をよけて休憩しながらじんわり喜びを嚙みしめた。

 

想定時間内で来られたね。君はAlpinistとしての日本人の評判を守ったよ」とCapiは親切に言ってくれるけど、いや、30分前に「もう無理」と弱音を吐いていたヘタレ日本人ハイカーが私です。。。

 

ケーブルカー駅で僕が話していた3人組いたじゃん。あの子たちは強風で途中で諦めたんだって。でも君には言わなかった。言ったら君は諦めちゃうんじゃないかと思ったから

 

ええ、ご推察の通りです、たぶん大手を振って諦めてました。

 

…というわけで私がなんとかかんとか頂上にたどり着いたのはこの短時間で私のヘタレっぷりをよく理解し励ましてくれたCapiのおかげに他ならない。

 

山頂でしばらく休憩してから下山開始。

相変わらず風は強かった、というか行きより強まっているような気もしたけど、下りなのでそこまで気にならなかった。

 

山頂から一気にケーブルカー駅を過ぎてそのまま麓まで下山。下りは4時間弱。

 

最後の方はだいぶ疲れたけど充実した山行だった。

 

 

大満足の山行だったけど、一つだけ後悔していることがある。

 

前日のマスカ渓谷ツアーで特に参加者がガイドにチップを渡していないようだったのと今回利用したツアー会社の要領に記載がなかったので今回私はCapiにチップを渡さなかった。

でもチップなんてものはそれこそ感謝の気持ちなんだから、私はCapiに渡すべきだった、というか渡せばよかった。

時間がたつうちに渡すべきだったという思いが強くなり、今でもこの山行を思い出すたびに後悔している。

 

今後もし山行でガイドを利用することがあったら、余計なことは考えずに渡したいと思ったときに渡そう。

 

そしてせめてものCapiに対するお返しとして今回私が利用したツアー会社を紹介しておく。

Canarias Nature Guides.

 

 

問い合わせから予約を確定させるまでのメールのやり取りはスペインにしては非常に早かったし正確だった。

テイデ山登山ツアー以外も色々なツアーを開催している。

 

Capi、本当に有難う。