丹沢・難路の雨山峠コースを再び(寄〜雨山峠〜鍋割山) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

コスパに優れ最寄りの山の一つである丹沢山塊。
最近特に足繁く通うそんな丹沢の自身の山行を振り返ってみて、ふと思うところがあった。
西丹沢や大倉を起点にした登山ばかりで最近は寄から登っていないなぁ。
暫く歩いていないあのコースはどうなっているんだろう。
曇天予報の平日の12月19日にかつて歩いたコースを久し振りに歩いてみることにした。
今回歩くのは寄から雨山峠を経て鍋割山へと至る危険マークの密集地帯。
この道を歩くのは何と7年ぶり(寄〜雨山峠間だけなら5年前 の檜岳山稜縦走以来) で、災害による通行止めの影響で暫く登れずにいたうちに半ば忘れてしまっていたのだった。
緊張と恐怖で歩いたあの日からもう7年。
あれから沢山経験を積んだ今の私にはどう映るのかな。

バスは僅かな乗客を乗せて終点の寄に定刻通り到着した。
寒空の景色の通り、バスから降り立つなり冷たい空気が身を強張らせる。
確か、あの時もこんな寒い日だったんじゃなかったかな。
このコースの欠点は兎に角舗装路歩きが長いこと。
30分程歩いて漸く寄大橋の赤い橋が見えてきた。
そして寄大橋に着いて驚愕の事実!
通行止め解除されていなかった・・・
流石にもう解除になってるだろと禄に確認せずに来た私。
それにyamapかヤマレコか何かの去年辺りのレポに歩いている人の記事があったから解除されているものだと思い込んでいた。
基本的に根は生真面目(自分で言うな)な私、進むか退くかに大いに揺れる・・・
わけも無く、ここまで来たのだから手ぶらで帰る考えは一切無し。
とりあえずは登山道の現況だけでも確認したかったので、危険なら引き返すことを前提に先に進むことにした。
あー、懐かしい。
有名企業の看板が並ぶこの道。
給食の牛乳と言えば···
横浜市民なら知ってるよな?
荒れてはいるけど何となく覚えている上に目印は多数あるので無問題。
それにしても、西丹沢の山らしく両岸を行ったり来たりしてやっぱり楽しいなぁ。

釜場平
何度か通ったことあるのに初めて地名があるのを知る。
コシバ沢出合
鍋割峠にショートカットできるコシバ沢ルートもいつか歩いてみたいんだよなぁ。
そして徐々に険しくなっていく登山道。
ここからは急傾斜のトラバースなので一切気が抜けない。
前回はこの時点で既に積雪していて、ここから先めちゃくちゃ怖かったのをよく覚えている。
傾いて使い物にならない木橋は一度沢に下りて迂回。
後半は幾つもの支沢が分かれる複雑な地形。
通行止めになって久しいけれど、もともと荒れている印象だし以前と何が変わったのかちんぷんかんぷん。
通行止め理由って一体···?
沢が複雑に入り交じる独特な地形
このコース特有の吊り道標。
懐かしいなぁ。
うわぁ酷い。ぐちゃぐちゃだ···。
歩くのに支障は無いけど。
登山道はどこ?あそこ?
もともとあれだったかは失念···
おぉ、峠が見えてきた!
10:07雨山峠に到着。
ただでさえいつも静かな峠だけど、今は好事家くらいしか来ないだろうからとりわけ寂れた雰囲気だなぁ。
雨山峠から先も気は抜けず、先ずは挨拶代わりの急なアップダウン。
とは言え、前回と違って雪が無いだけでかなりの安心感。
そして痩せ尾根のザレた登り。
いつか逆コースを歩こうとも思ったけど、これは嫌だわぁ。
妙に名前が長い茅ノ木棚沢ノ頭
鎖場再び。
初めて歩いて慄いたあれから7年、多少は心理的にも余裕だろうと思ったけど、今でも十分にドキドキさせられるコースでした(笑)
樹間からは霧氷した山肌の蛭ヶ岳と不動ノ峰
鍋割峠に到着。
ここからはいよいよ鍋割山への登り返し。
危険箇所はもう無いけれど、この長い登りが中々にしんどい。
鍋割峠付近から望む箱根山
正面には檜洞丸
急坂が緩み間もなく山頂手前まで到達すると日差しが気持ち良さそうな芝の斜面。
横になって昼寝でもしたら最高だろう。
振り返れば檜岳山稜と雲隠れの富士山
誰一人出会わない静寂の道から一転、別次元のように喧騒で俗的な空間に飛び出した。
鍋割山に登頂したのは11:17だった。