アマチュア無線の裏側で -16ページ目

アマチュア無線の裏側で

1970から1980年代の忘れがたい記憶から

セパレートの送受信機ではメーターのスケールは簡単なもので済みましたが、トランシーバーに発展したのを契機にメーターも多機能化し、いつの間にやらテスターのような風貌になってしまいました。それでもメーカーはどうせ特注する部品なので一向に構いませんが、自作ではメーターの目盛を作るのは難しい問題です。

 

電流・電圧値くらいで済むならば、元のスケール板にインスタント・レタリングを貼って数字を書き加えるのが普通のやり方で、場合によっては溶剤で印字を消せる物もありました。しかしSメーターとか測定器では非直線目盛は当たり前なので、これは文字だけ工夫しても済みません。

そこで何だか昔も似たようなことがあったな、と思ったのは、それこそ「子供の科学」誌の野川清三郎氏の製作記事やら科学教材社キットの受信機類です。それらは全て主同調にはリニア目盛のバーニア・ダイヤルを使っていたので、そのままでは周波数直読にはできず、較正表を作って読むしかなかったのが何となく似ています。

 

そこでCQ誌に製作記事を投稿した某氏、編集部に「無理を言って」カラーページに目盛板を掲載させてしまい、これを寸法の合う市販のメーターに貼ればOK、という画期的なことを実行しました。個人がバソコンもブリンタもCADも何も持っていない時代ならではの出来事です。しかしその目盛板、一番目立つ場所に "CQ ham radio" と印刷されていたのです。オイオイ、そこは誰もが(機能とかコールサインとか)フリーに記入したくなる場所だろうと。出版側による「手間が掛かったんだぞ」、との版権や自己主張も必要なのは理解しますが、わざわざ嫌われるような場所でやるんですかね、と思ったものです。

 

今ならCADが使える人は丸ごと作ってしまうでしょうが、ひとつ注意をするならば、カラー化の誘惑に負けずに有彩色を使わないことです。特に一番使いたくなるであろう赤は最も褪色が速く、これは顔料系でも信用なりません。

モノスケールの機械式ダイアルは、トリオのTS-900/820/180、またコリンズのS-LineとかKWM-2に例があります。スケール盤が1枚しかないのに1kHz台まで直読なのは、100kHz台の数字を盤上で切り替える凝った機構があるからで、高級機に限られたメカニズムです。

 

ちょうど20年位前、ハムフェアでジャンクのグラフィック表示器を手に入れた私は、長年やりたかったこと、それはグラフィックでアナログ表示を模したDDS VFO製作に着手しました。

この場合、ソフトウェアで自由自在だから、どうせならばと、「モノスケール・ダイアル」を最初から指向するのは私に限らず普通の発想でしょう。しかし作っている最中から気付いたのですが、モノスケールのダイアルは思いのほか使いにくいのです。何故なら、

 「高速で左右に走り回る数字を必ず読まなくてはならない」

からで、結局は歴史あるメインとサブのふたつのスケールの方が快適という判断でした。

 

トリオと八重洲のダイアルのこと」の投稿で、アナログ機の周波数表示ではTS-520D/Xが最も優れている、と私が書いたのを見て「KWM-2Aとかの方がもっと見易いぞ」と思った人がいるでしょう。本当ですね。しかしそれは200kHz幅しかレンジがないから実現出来ている機構です。21.2とか21.4MHzにバンド設定中は読み間違える可能性も出て来ますし、国産機が特定のバンドだけ500を足せばよい、という使い勝手には負けてしまいます。

 

ところでケンウッドTS-990が発表された頃のことです。LCD上の疑似アナログスケール表示があるらしい、と噂に聞いて即座に「どうせモノスケールだろう」と直感しましたが案の定でした。これに触発されたらしき自作実験派も、大概はモノスケールで製作されていますね。それがモノスケールは当然高級機、と見知った人の思考なのです。私も同じでしたし。

私の単複スケール切換えとなった試作品は今もバラック状態で残っています。しかしその後ステッピングモーターで本当に動く物を作ってみたくなり、こちらも中途で放置中です。

アナログVFOの周波数表示において最も優れるのはトリオのTS-520D/Xだと私は思います。理由はまず、100kHzの一周が丸々見渡せ、そのスパン中の現在位置を認識しやすいこと。アマチュア・バンドでは100kHzは実に良い区切り単位です。それに粗動スケールの直径が大きく、10kHz台くらいの見当は付くこと。加えてそのスケールの回転軸をダイアル主軸に近く配置して視線移動を少なくしていますし、また白地に黒文字は下手に凝った自発光式よりも視認性は上です。

八重洲機には存在する500-900kHzの表示がないのは、28MHz帯を3分割で済ませるため29.1MHz開始のバンド設定があるからです。もっとも、500なら足すのは暗算のうちにも入りません。トリオも八重洲も昔は一周25kHzのダイアルを使っていましたが、それを数えながら回していたのよりは余程マシです。

 

ところで、このような2軸式の場合、トリオは1kHz台を読む精密な方を「主ダイヤル」、粗動スケールの方を「副ダイヤル」と呼びます。これが八重洲の場合、精密な方が「サブダイアル」で粗動の方を「メインダイアル」と表現していました。全く逆ですね。おまけに「ダイヤル」と「ダイアル」も書き分けたのにはお気付きでしたか?

回転が逆とか、色々と意地で変えてるの? と言いたくなるなど、端々に表千家と裏千家のようなものを感じてしまいました(関係者に叱られそうですが)。

 

1kHz台の目盛の方がパネル・デザインの上で目立ちますから、そちらをメインと感じる人もいるでしょう。しかし私は八重洲流に粗いスケールの方をメインとすべきと思います。なぜなら、粗い方だけでも精度は低いながらも周波数は読めるのに対し、1kHz台のスケールだけでは見当も付かないからです。

また、9R-59Dのような高1中2の受信機では、2つのスケール板は"Main Tuning"と"Band Spread"なのが常識で、通常はMain Dialで操作、必要なところだけSpread Dialを使用して微調整、という使い方でした。従って、それらの機器を使った経験のある古いハムにとっては、粗いスケールの方を「メイン」とすることに違和感はないだろうと思います。

トリオと八重洲の違いの話を書いたからには、ダイヤルの話も避けて通れません。

 

八重洲のダイヤルは長らく反時計回りで周波数の上がる仕様で、ベストセラーのFT-400/401やFT-101/B/Eは全機種、FT-101ZやFT-901の「途中まで」その流儀が続きました。マイナーチェンジで行うにしては余りにも大きな変更です。

反時計回りはDRAKE等にもありますが、やはり世間では時計回りで上がる方が主流ですし、そもそも無線機の先祖である、ラジオ用のバリコンは時計回りで容量が減る構造です。それに"PRESELECTOR" の同調は八重洲だって時計方向で周波数が上がります。

他にもオーディオのボリュームなど、回転による調節はほとんどが時計回りで程度が上がります。ですから、RF GAINは右に回し切り一杯を常用としても不自然とは思いにくいのでしょう。


八重洲がなぜ反主流の逆回転にしたのか理由は聞いたことはありませんが、推定はしてみましょうか。


例えばFT-200では、高価な水晶の数を節約した周波数構成の結果、バンドによりダイアルが逆回転になる(米国機に原型あり)、という実績もあるので回転方向に絶対的な拘りはなさそうです。しかし選べるとなったら?

 

まず、時計のように目盛板が動かないのであれば疑問はありません。しかし、指針が固定で目盛板の方が移動する場合は、その上に記載された数字の並びはどうなるか? Excel表のごとく「左から右へ」を昇順とすれば、あるいは0, 1, 2と昇順で横書きをするときの並び方を考えれば・・・それに合わせるとダイアルは反時計方向の回転になりますね。ダイアルとスケール盤が逆方向に回転する例もSTARとかにありますが、人間工学的に抵抗がなかったはずがありません。計測器では時々この種の逆回転ダイヤルを見かけますが、どうしても触り始めは違和感があるものです。
結局、以上の程度の理由だったのではないでしょうか。

蛇足ですが、福山の2mオールモード機MULTI-2700にはRF GAIN のノブが左回し一杯で最大、がロットにより存在しました。こういう例は非常に少ないと思います。

トリオと八重洲無線とは同じ機能なのに違う言い方、という例を重ねてきました。ここでは全管球式からトランジスタ化あたりの時代の機器の話をします。例えば、PRESELECTOR(トリオ)とDRIVE(八重洲)。トランシーバーの場合、段間同調のノブは送受信で連動していますが、それを受信・送信どちらの機能で書くかの視点が違います。

 

バンドスイッチの表示は周波数(トリオ)と波長(八重洲)です。しかし八重洲FR-101受信機では21バンドもあり、ハムバンド以外となると波長表示では全然分かりません。このため、FR-101のアナログ機は「セミ・デジタル」と称して小窓にバンドを周波数で表示する実に涙ぐましい細工があります。さすがに八重洲も波長表示は止めとけば良かったか、と思ったのでは?

 

次はRIT(トリオ)とCLARIFIER(八重洲)。RITはこれを初めて装備した米ハリクラフターズ社の命名が世界標準ですが、CLARIFIERはよく分かりません。放送機用語との説明を見たことはありますが私は確認できていないので、とりあえず原義で考えると「クリアにするもの」です。操作した結果として復調音がより明瞭になる、という点は正しいのでしょう・・・

しかし八重洲も1960年代、機器でいうとFL/FR-50BラインとかFTDX100などでは "RFA" でした。これはReceiving Frequency Adjustの略とされていたでしょうか? とにかくCLARIFIERよりは確実に明解なので、止めたくなった理由があるはずです。

井上電機のEQUIPMENTSの話ほどの自信はありませんが、radio frequency ablation(RFA)が関係あるかも知れません。これは電気メスの原理、つまり高周波が組織を破壊する事なので、そんな略語が無線機のパネルにあるのは物騒に思った人がいたのかも。

 

トリオがRITの送信版を導入したとき、"TIT" としましたが、これは卑語です。さすがに気付いて"XIT"に変更しましたが、黒歴史な無線機は世界中に流れてしまいました。例によってですが、上記の用語全般に日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)などで統一を考えた気配はありません。メーカー側に実利はないですからね。

アナログ表示のVFOの時代、法定の周波数の測定装置としては(当時は短波で送出されていた)JJYの標準電波で較正できるマーカー発振器(と補間出来るダイアル)の装備で認められていました。このため当時のHF機にはJJY/WWV受信用のバンドポジションがあります。しかしJARL保証認定の10ワット機は周測装置が元々免除なのでマーカー発振器はオプション、という構成が普通でした。

 

ではマーカーなしでアナログダイヤルの目盛を合わせるには? 10ワット局はまずマーカー発振器を追加購入したりはしないので、重要(なはずの)問題です。例えばトリオTS-520の(少なくとも初期の)説明では、JJYの受信で「だいたい」合わせることができると書いてありましたが、その方法では本気で信用するのは禁物です。なぜなら当時のアナログ機はバンド毎に個別のヘテロダイン水晶を使っているので、それらの周波数偏差が(偶然同じ量に収まっていない限り)バンドを切り替えたらダイヤル誤差にそのまま表れるからです。

 

ただし何にでも程度というものがあります。発振子やフィルターといった水晶製品のメーカーは、トリオは日本電波か東京電波、八重洲は八雲通信が主だったと思いますが、その周波数偏差の管理は明らかにトリオの方が優れていました。選別して組み換えできるような数ではないので、納入仕様から厳しかったのでしょう。要するにトリオの方がバンド切り替えに伴うダイヤルのズレが少なかったのです。

従って、「だいたい」合わせることができる、という説明は「だいたい」合っていました。

 

ところで説明書を鵜呑みにしてJJYバンドで合わせてこれで完璧、と信じ切っていた人がいました。それでも2アマでした。当時から「2アマなら技術の伴ったOM」とか持ち上げられる傾向はありましたが、活字を簡単に信じる人を妄信してはいけません。

 

電波は国境に関係なく飛んで行きますし、他人に隠れて聴取することも可能です。一般民衆を対象にした政治的・思想的プロパガンダに便利なので、実際に大規模な謀略放送も行われて来ました。「暗躍する国々」で書いたように諜報活動にも有用です。従って対策実例として大戦中の日本でも全波受信機の使用は禁止され、封印されるか徴用されるかしています。

アマチュア無線はそのような目的に利用されるべきではないとの信念から、世界的にもハムの大先輩たちは初期から政治利用をタブーとしており、私もそれが正しいと信じています。電波法では明示的に政治的話題の禁止はありませんが、アマチュア無線行為には定義があるので、目的外通信としての法解釈は可能性があります。

 

さて、ハム界にも憲法九条護持の団体があるのは良く知られているでしょう。かつてハムフェアでその出展申請が主催のJARLに政治活動と認定されて却下されたことがあり、顛末は検索すれば分かります。この一連の騒動の中で印象的だったのは、代表者の「憲法を守ることがなぜいけないのか?」という反論でした。

「アマチュア無線が楽しめるのは平和があってこそ。そのための憲法九条」がその主張。しかし一方では「憲法九条は悪意ある他国に都合よいだけで平和維持には有害」と考える人達もいます。従って日本では改憲論議が常に合法的に存在しますし、この問題を扱う事自体が政治的話題、従ってハムのネットワークを利用しようという行動は政治活動だ、と私は考えており、「憲法を守ることがなぜいけないのか?」は、その点が綯い交ぜと感じました。まして憲法と法律の違いの理解を求めるのは難しそうです。

 

上記で私は憲法九条の是非については書いていません。政治問題ととらえるか否かだけです。しかし、この話題で議論を始めると大概は是非問題に論点のすり替えが起こるだろうと想像します。それは本当に区別が付いていない場合もあれば、意図的な場合もあるでしょう。

もっとも、根幹の理解は違っていて、電波法に触れない範囲で政治活動も自由だ、とか、電波を使わずグラウンドだけの活動なら文句はなかろうという主張だったりしたら私には返す言葉がありませんが。

 

1970年代中期までのこと。私が持っていた測定器と言えば以下のようなものでした。

 

三和のテスター N-101, P-1B

トリオのFET電子電圧計(オプションでRFプローブ)VT-108

三田無線(DELICA)のグリッド・ディップメーター 標準型

オスカーブロックのSWR計 SWR-200

上記のSWR計と自作のダミーロードでパワー計

自作の低周波CR発振器

 

メーカーといい種類といい、この程度がいかにも当時の工作系のアマチュア無線家らしい典型的な装備だったろうと思います。トリオ9R-59D受信機も、モニター用あるいは簡易ヘテロダイン周波数計のような使い方をしていたので測定器の部類に入るかも知れません。この後には三田無線のミニブリッジと中古のオシロスコープの購入、自作の周波数カウンタや測定用の広帯域アンプが加わったくらいの状態で社会人時代に入っています。

なお、その当時はスペクトラム・アナライザは論外の雲の上として、一番欲しいと思っていたものはSSG(標準信号発生器)でした。

 

電子電圧計のトリオVT-108は以前も書いたCO-1303Dオシロとデザインを統一されたシリーズ物で、他には安定化電源と低周波発振器もありました。どれも安価な事を最大と特長としており、狙いはアマチュアとか工場のライン用だったと思われます。実際、ハムにも愛用者は多くいました。

VT-108本体は中古での入手でしたが、オプションのRFプローブは定価5,500円、それを実売3,900円で購入しています。この価格だけ見ても当時のトリオの測定器市場での扱われ方が分かります。全く同じ仕様の物が仮にHP製だったら3万円で値引きゼロ、とかだったのではないでしょうか。

ヒューレット・パッカード社と言えば、今はブリンタとPCですが、元々は計測器メーカーです。それも高性能ながら飛びぬけて高価な製品群で知られていました。

JA1BHG岩上氏はHP製のSSGを「腐っても鯛」とCQ誌に書きましたが、その腐ったHPってどこにあるの?というのが正直な感想でした。あまりに高級で秋葉原のジャンク屋にも珍しく、アマチュアにとっては幻です。米軍立川基地の近くで放出品を商う杉原商会には出ましたが、立地が不便で中高生はあまり行かない場所でしたし、ジャンクとて高価で買えません。

 

そこでまた電総研に案内してくれた先輩の登場で、YHPの事業所にも連れて行ってくれたのです(見上げた人脈持ちです)。ちなみに日本がまだハイテク保護主義だった時代、横河ヒューレットパッカード (YHP)、ソニー・テクトロニクス、富士ゼロックスなどなど、合弁化は半強制必須でした。新日本無線も社名にはありませんがレイセオンとの合弁です。時代を経た結果、これらは現在は全て関係を解消しています。

YHPで案内役の人は「HPはアメリカの電機業界6位」と言ってました。当時の上位はGE, RCA, WH, Honeywell, あたりかな?、とにかくHPは専門性が高い割に大規模だったわけです。

 

YHP見学では、いやまぁ驚きました。ブリント基板が全部金メッキ、非常に凝った機構の専用部品、膨大な量の文書類とか、何もかもがで言い出したらキリがありません。無線機でもコリンズを八重洲やトリオと比べたら驚愕でしたが、もっと衝撃的でした。私の知るコリンズはもう時代的に古いものでしたが、YHPではまさに目新しい事ばかりだったのです。いや、それでさえも提携先に流れぬよう最新技術ばかりでもなかったのでしょう。

 

とにかくこの時代に電子工作を経験した者は、HP,  Tektronixに特別な感情があり、デイトン・ハムベンションでもそれを思い出しました。生活に余裕が出来た後に趣味の測定器をこれらで固めた人は私ばかりではないはずです。

昔はオシロスコープは全くの生産財で、趣味用に手の出せる価格ではありませんでした。ところがトリオが安価な測定器シリーズを1970年に発売し、その一つのCO-1303Dは実売3万円台のオシロで、私は中学の理科室でこれに触れました。

CO-1303Dは強制同期なので時間軸の測定はできませんし、帯域5MHzでは大して速くもないロジック出力でも矩形波らしく見えませんが、波形が見えれば大違いです。直接偏向端子を使えば広帯域の観測もできますが、条件次第なので帯域は仕様にはありません。しかし「ハム向けの宣伝に限っては」144MHzも観測可能と書かれました。大振幅が必要なので、ほぼ送信機のモニター専用ですが、後にハム専用のCO-1303Gも発売されています。

 

ところで「電子展望」誌に横井与次郎氏の「技術と奇術、技師と詐欺師」という投稿があったはずで、中でも忘れがたいのは「ブラウン管の丸いのがオシロスコープで四角いのがシンクロスコープ」というインチキ話です。本当は「シンクロスコープ」はトリガ掃引式オシロの岩崎通信機の商標として有名ですが、東芝や日立もシンクロスコープだったので、何か提携関係があったのでしょう。一方、丸いブラウン管とは非常に旧式とか廉価版のイメージで、CO-1303Dも丸型75φでした。

 

さて1971年だったと思います。まさに「英語にシンクロスコープという言葉はないらしい」と教えてくれた先輩に連れられ、旧通産省・電総研の見学で見たのは、500MHz、4現象というオシロでした。今にして思えばTektronix 7000型です。桁外れの仕様のほかで驚いたのは2点で、まずは蛍光体が青色発光だったこと。それまで緑発光しか知らず、青は怪しく美しく見えました。もう一つが500万円と聞いた価格です。もう高いとかいう次元ではなく、卓上に乗るサイズの量産品にそんな価格が存在する事自体が信じられなかったのです。それがトヨタ・カローラが60万円くらい、1ドル360円、という時代でした。