THE EQUALIZER (2014)
公開中のシリーズ第三弾『イコライザー THE FINAL』を観て
『イコライザー2』のDVDを買って観たので
トーゼン一作目も観たくなって観ました^^
結局『3』→『2』→『1』と逆に観た形になりましたが、
一作目のブログは映画館で観た時と
DVDを買って観た時のすでに二回書いているので⤵⤵
今回はシリーズ三作観た上での感想と、
なるべく先に上げたブログでは載せてないシーンをチョイスして書いていきたいと思います。
完全振り返りです。
【『THE FINAL』のネタバレも一部含みます】
映画館で観た時のブログに
マッコールには‘狂気じみたところがない’と書いていますが、
三作観ると、いや、一作目ですでに狂気じみたところは充分ありました。
そして、それこそがロバート・マッコールというキャラクターが面白い重要な部分であったことに気づきました。
ホームセンターで働く人当たりのよい
一見普通のおじさんみたいに見えますが、
そこには明らかに孤独の影が見てとれ、
何も語らなくとも、マッコールのキャラに表向きには見えない人生をも感じさせるデンゼル・ワシントンはさすがです。
アクション映画は本来 アクションの見せ場の掴みが必要ですが、
あえて静かにじっくりマッコールのキャラを描く
アントワーン・フークア監督の腰の座った演出も見事です。
クロエ・グレース・モレッツちゃんは展開上
中盤は全く出てきませんが、
序盤にとても印象的な言葉を残しているのが素晴らしい。
クロエちゃん演じる娼婦アリーナと孤独な黒人のおじさんという一見ミスマッチな組み合わせも全く不自然に見えない。
そんな二人の関係性を描いたダイナーのシーンも味わい深いです。
そのつながりのきっかけになるのが一冊の本というのがいいし、
アリーナが歌手を目指している女の子というのもいい。
自分で曲も書くみたいで、アリーナは言葉をよく知ってるんですよね。
ボクはそういう女の子に弱いから
本作のアリーナはとても魅力的なキャラやったし、
だから、マッコールがアリーナを救いたいという思いに強く共感できました。
この一作目はやはり、一人の少女を救うため、というシンプルな目的でマッコールが動き出すのがいいし、
たまたま仲良くなった少女を救おうとした行為が
徐々に巨大な犯罪組織との対決になっていく展開がお見事!!
最初の秒殺のアクションの見せ場が
結局シリーズ三作通しても一番盛り上がる!!!
初めて観たインパクトだけじゃなくて、
三作全て観た後でも一番インパクトあるって素晴らしい!
もうここでシリーズのその後の人気も決定付けた感さえありますね。
そこから映画的なデカいカタルシスにまで昇華していく面白さ!!
シリーズ中ナンバーワンの悪党と断言できる
マートン・ソーカス演じるニコライの強烈な悪役としてのオーラ!!!
〈最強の主人公vs最強の悪役〉という
アクション映画にとって一番重要なところが完璧やから
そりゃあ盛り上がる!!!!
フークア監督はアクション演出にも長けているから
ドラマ部分の面白さと合わせて盛り上げていく手腕はお見事!
警備員になる同僚ラルフィとの関係性がクライマックスの攻防にも活きて、
実は一作目のマッコールが一番人間的というか、
このお兄ちゃんがいなかったら危なかったかも?って感じでしたね(^^;
ラルフィのお母さんのお店を助けるエピソードなんかも
このテの仕置き人映画には必須やし、
ホームセンターのレジの女性の大事な指輪を取り返したりとか、
結局この一作目のマッコールが一番活躍してたと思いますね!
“必殺仕置き人映画”としてのカタルシスが一番豊富ということです!!
マッコールを狙いにきたニコライの方に自ら近寄り
写真を撮るところなんか最高でシビれる!!
またもビル・プルマンが出てたことを完璧に忘れていましたが(笑)
『2』で殺されたスーザンが出てたことも忘れていました。
結局 この夫婦がシリーズで意外に?!重要なポイントであったことがよく分かりました。
スーザンにニコライの素性を探ってもらうと同時に、
自分がこれからやろうとしていることをスーザンに伝えるマッコールに納得。
つまりマッコールが正義のためにやることについては
CIA(DIA?)が黙認するってことなんやろうな、と思いました。
汚職警官に償いの選択をさせるところが今回いいと思いましたね。
演じるデヴィッド・ハーバーをこの頃よく見かけてたから
なんか本作での存在感も増しました。
マッコールがアリーナを救うところから始まり
相手の組織自体を潰しにかかる展開がたまりません!
クライマックスのホームセンターでの戦いに
その店の売り物でマッコールが戦うのが面白いんですが、
電気ドリルとか銛みたいなヤツとか
ジェイソンばりの殺り方なのでさらに盛り上がりますw
三作通して悪党の倒し方には容赦ないというか
まるでスラッシャー映画ばりなのがイイですね^^
でも実際に殺るか殺られるかってなったら
こうやって問答無用で殺るしかないよな。
とにかくイコライザーのアクションの好きなところは
こうやってマッコールが敵を瞬殺するところですね!
ど派手なアクション映画に比べたら地味ですが、
その根底には困った人・弱き者を助けたいというマッコールの思いがあるから燃えるんです!!
先のブログではニコライがアッサリやられるところも気にならないと書きましたが、
今回は少し物足りなく感じました(^^;
でも、ラルフィに一発お見舞いされて戦闘力が落ちる展開はアリ。
ラルフィがけっこう重要なキャラやったと今さら思いました。
ラストの一騎打ちは無いに等しいとはいえ
マートン・ソーカスのシリーズ最高の悪党ぶりが
一作目の面白さの大きな軸になってるのは間違いないです!
相手がどんなに酷い奴でも
人間を殺めてしまったことに対しての葛藤が見えるのが印象深いです。
公開当時は2時間10分以上ある上映時間が長いという意見もありましたが、
今やアクション映画でも2時間半超えとか当たり前やから
適正時間ですよw
あらためて観返すと、本作のマッコールは
昔のスキルを活かしてアリーナを救う前から、
普通のおじさんとして^^同僚の兄ちゃんをサポートしてる
普通に良い人なのがいいし、
だから本作では二人の人間を救ってるんですよね。
ただ、マッコールの場合は普通にいい人とはいっても
自分の過去と今の人生の辛さを忘れるための行為にも見えるし、
一見おだやかなおじさんに見えて不眠症で深夜のダイナーに通ってるし、
でも、久しぶりに殺りまくったら
帰ってからグッスリ寝てるというw(^^;
正義感の中に垣間見える危うさも
マッコールならではの魅力やと再認識しましたね。
ニコライはあくまでもアメリカに送り込まれた手下やから、
モスクワまで大ボスを仕留めに行くのがさすがマッコール!^^
クロエちゃんが中盤以降全く出ないのが
ラスト、生まれ変わったかのようなクロエちゃんの登場をより引き立てる効果につながっていたと今回は思えました。
夜の娼婦から、明るい太陽の下で夢を見る女学生に変わった、いや
戻ったアリーナちゃんが最高に眩しかったです。
ここで終わってもハッピーエンドでよかったんですが、
マッコールが何かを決意するシーンを見せるのがフークア監督らしいです。
本作はシリーズ中では一番映像がスタイリッシュやと思いますが、
それが過度にはなってないのがいいです。
アクション映画はあくまでもアクション映画で、
アート映画になる必要なんてないですから。
世の中の困っている人を助けていこうと決意するマッコール。
そんな彼の志しが、
『THE FINAL』での自身の心の平安につながったことを思ったとき、
本作のラストシーンは より味わい深いものになりました。
「話 聞き納めね」
「自分で紡げる」