THE EQUALIZER (2014)
続編が本日より日本でも公開になったので、復習の意味も兼ねて観ました。
本作は 演技派のイメージが強いデンゼル・ワシントンがアクション・ヒーロー、
しかも‘必殺仕置き人’的なキャラクターを演じ切っているのが最大のポイントですが、
その行動のきっかけになるのが、クロエ・グレース・モレッツが演じる少女というのがまずいいです。
組織に食いモノにされている少女を助けたいというマッコールの気持ちに共鳴できるし、
最初から好戦的なワケではなくて、まずは 約1万ドルものポケットマネーを使って穏便に解決しようとするから、それを鼻であしらった奴らに怒りを爆発させる展開にも説得力がある。
このテの仕置き人映画に必要な‘動機付け’がしっかり成されているから、
そこから悪党を実際に成敗するシーンでは最高のカタルシスが味わえる仕掛けになっています!
しかも 秒殺!!!
自分の殺人スキルを解き放ってしまったことに対する葛藤をさりげなくはさんでるのもいいです。
こういうシーンでもワシントンのキャラクターが活きています。
アントワーン・フークア監督は映画デビュー作の『リプレイスメント・キラー』ではド派手な銃撃戦中心の
アクションを撮っていましたが、
本作では派手なアクション描写はほとんどなく、まずはマッコールの温厚な人柄をしっかり描いて
その上で物語を展開させるので、組織に戦いを挑んでいくマッコールの行動に思わず入れ込んで見てしまう、映画としての語りの強さが素晴らしいと思います。
アクション映画において重要な悪役の配役も申し分ナシ!
『トリプルX』や『ボーン・スプレマシー』での悪役も印象深かったマートン・ソーカスが
それらをも上回る悪役としてのカリスマ性をビンビンに発揮するから、
さらに引き込まれて、比較的静かな展開ながら 緊張感が途切れることはありません。
マッコールが働くホームセンターでのエピソードが、
色んな意味での伏線になっている脚本の出来もお見事!
ソーカス演じるテディが相当な切れ者なので
善と悪の一騎打ち的な、アクション映画としての基盤が完璧やから燃えます!!
個人的に一番好きなシーンはココ↓
静かなシーンでも正に‘アクションしている’かのような緊迫感溢れるシーン!!
こういう駆け引き的なシーンの素晴らしさを見ると、
フークア監督が007を撮っても面白そうやと思いますね。 アクションシーンも上手いし。
役者の存在感を最大限に引き出して、
絵面的にも美しい 最高のシーンやと思います!!
シリアスな見せ方から急にド派手な爆破シーンを見せるので、
このシーンだけ浮いてる印象もあるんですが、
マッコールが一度動き出したら止まらない、敵を壊滅に追い込むまでやり続ける男であることを
見せつけるには最高のインパクトがありました。
ココだけ まるでスタローンやシュワちゃん映画的な映像を敢えて見せた^^
フークア監督のメリハリのつけ方も面白いと思います。
テディが最後はマッコールの友人や同僚を人質にとったのは、
最初に観た時は姑息な感じがしてややガッカリしたんですが、
マッコールの強さを認めた上でのまっとうな戦い方であるのも事実なので、これもアリですね。
ホームセンターをここまでスタイリッシュに見せるのもフークア監督ならではやと思います。
但し今回のフークア監督は、スタイリッシュな映像に必要以上には走っていないところもいいです。
全編に渡ってかっこいい映像ではあるんですが、あくまでもリアルな肌触りを残しているのがいいです。
マッコールとテディの一騎打ちをこれみよがしには描かず、
意外にあっさりテディがやられるのもリアルで、物足りなさは感じません。
もう、アクション映画の見せ方として完璧な構図!!!
こういう見せ方を照れもなくやりきってくれるフークア監督のアクション演出は素晴らしいです!!
ラストにはちゃんと希望も見せてくれるのが嬉しい。
クロエちゃんの出番自体は少なかったですが、本作の魅力に大きく貢献していたのはさすがです。
自分がやるべきことを見つけたマッコールが
続編でどのような戦いを見せるのか? 楽しみです♪
“人生で一番大切な日は
生まれた日と―”
“生まれた理由が分かった日”