「昼顔~平日午後3時の恋人たち」
第11話(最終回)
罪から始まった恋完結・・・妻が選ぶのは夫か恋人か
イバラの森で100年も待ち続け、
助けてくれた王子様と結ばれた眠り姫。
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青すぎる空が、
罪を犯した私を不安にさせました。
もし、あの人が戻ってこなければ、
私は本当に独りぼっちになります。
何もかも失ってみなければ、
その痛みは絶対に分からない。
そう言った利佳子さんの言葉が、
身に染みました。
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なぜこんなに涙がこぼれるのでしょう?
彼が戻ってきてくれたのに。
愛しい胸に抱かれているのに。
私は、海になりました。
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もし、全てを巻き戻せるなら、
私はそうするでしょうか?
罪から始まった恋でした。
私の恋は、
みんなの笑顔を奪いました。
一番大事な、あの人の笑顔も。
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北野) こんな言い方したら、身もフタもありませんが、
遊びでした。今までずっと真面目に生きてきて、
一度くらい女遊びしたかったんです。なので、
金輪際会うことはありません。正直本気になら
れて困っていたんです。こんな形ではあります
が、清算できてよかったと思ってます。何せ私
は彼女に対して、一度も好きという言葉を、発
したことがありません。ホントです。
紗和) フフッ。笑わせないでよ。こっちだって暇つぶ
しだったわよ。毎日パートと家事でつまらなか
ったから、刺激が欲しかっただけ。流行りの昼
顔妻をやってみたかったの。だから、家庭を壊
す気もなかったし。引きずるような関係じゃあり
ません。絶対に会いません。っていうか、会い
たくないわもう。
北野先生。
これでいいんですよね?
私が諦められるように、
別れを言ってくれたんですよね?
それとも…。
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加藤) もうやめてくれ。これが審判の結果だよ。帰る
んだ。一人の女を、不幸にしたと思いながら、
生きたくない。それでもいいじゃないかと、割り
切れるほど強くないんだよ。子供だからな。
利佳子。
利佳子) うん?
加藤) 帰れ。家に帰って、母親に戻るんだ。
さよなら。…お前が好きだよ。
利佳子) 何言っちゃってるの。あなたなんて遊びよ。
2人のさよならに、
胸が詰まりました。
せめて、
最後に気持ちを伝えて別れたかった。
燃え残した想いが、
私を彼のいた場所へ連れてきました。
**********
北野) 「君たちにお願いしたいことがあります。一つ
の生き物として、この世に生を受けた以上、将
来、誰かを、真剣に愛してください。 誰かを愛
すると、見慣れた景色が、いつもと全然違って
見えます。 自分以外の、人間の幸せを願う。
以外の哺乳類や、鳥類にも存在しますが、ヒト
にとって、愛情は、特別な存在です。先生も、
ある人に出会い、愛し、 別れることによって、
その喜びを知りました。ただ会って抱き合う。
ふうに思います。…そんなふうに、思います。
願い続ける。 それこそが、心を持った、ホモ
サピエンス。 人間という生物の、愛なんだと。
だから君たちには、いつか、誰かを真剣に、
愛してほしい。そう願ってます。
途中で去ることを、謝ります。ごめんなさい。
そして…ありがとう。さよなら」。
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校長) ホントに、男は幾つになっても青臭いな。
教頭) 校長。
校長) だから私は、大人の女が好きだ。お疲れ。
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できるなら、
あの人に駆け寄りたかった。
でも、私たちは会う事は許されないのです。
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不倫の清算のためじゃなかったのだと思いました。
断ち切りたかったのではないでしょうか?
会いたいと思っても、会えないから。
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俊介) ママ。離婚しよう。
僕は、ママと、穏やかに、無理することなく、
生きていきたかった。それが結婚だと思ってた。
でも、ママが、僕に求めてものは、違ったんだな。
ママはもっと…。
紗和。
悲しいよな。何で一番側にいる人の気持ちが、
分からないんだろな? ああ、そうだ。ぼや騒ぎ
のせいかどうか知らないけど、はむみが戻って
きたよ。あいつ、バカだよな。遅いよな。
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電・利佳子) 終わったのね。
あなたの恋も。私の恋も。
私たち、また誰かを好きになること、
あるのかしらね?
電・紗和) 私は…。
電・利佳子) さみしいけど、
私、紗和ちゃんに連絡しないわね。
電・紗和) 私も。
電・利佳子) ねえ? この恋で、何か変わった?
**********
**********
不倫。みだらで薄汚く、非常識な欲望。
家族を裏切り、周囲を傷つけ、友達を失い、
自らも苦しみの淵に落とす罪。
足を踏みいれたが最後、
出口がないことに気付いても、
引き返せない。
全てを破壊する、許されない恋。
神様、ごめんなさい。
またいつか、私はあなたを、
怒らせるかもしれません。
**********
ったミカンのシーンみたいだったという感想を、あちこ
ちで見かけましたが…。それくらい、大袈裟な演出だ
ったというか…。紗和が「パパごめんなさい。許して下
さい」と言うのも、「先生!先生!」と叫ぶのも、どちら
の男性に対しても、倒錯したセリフだなあと思って。夫
はパパ。愛人は先生。緊迫した場面なのに、そのセリ
フです~っと冷めてしまって。パパ、先生、と呼ぶ側っ
て、コドモだよね。関係が対等ではない関係だなあと。
まあ、ほとんどは想定内だったけど、一番ダメだった
のは、紗和の放火。ドラマの冒頭の放火に繋がって
いたと言えば言えるのだろうけれど…あれが伏線だ
ったと言うのだろうけれど…。いやいやいや、それだ
けはやっちゃいけないでしょう! 一軒家じゃないし。
マンションに放火はヤバすぎでしょう。許されない恋
を断ち切るためにそれをやっちゃう紗和に引いた…。
北野の校内放送も、何だかなあって感じで。言ってる
ことはもっともだけど…。乃里子の事は真剣に愛して
いなかったの? 愛してないのに結婚したの? 紗和
に会うまで愛する喜びを知らなかったような人なの?
退屈な毎日の中で忘れていたことを思い出した的な
ことならまだしも、今まで知らなかったんか~い!と
思っちゃって、何だか北野のキャラの薄っぺらさに冷
めてしまった私。紗和もそうだけれど、北野も何だか
子どもっぽさが抜けない夢見る男の子だったなあ…。
逆に夢を追いかける子どものような男に見えた加藤
のほうがずっと大人で真剣に利佳子を愛しているの
が伝わってきて、2人の関係に泣けた。まさに北野が
言ったように、相手の幸せを願って別れる2人。夫に
妻を返せと脅されるより、子どもたちにお母さんを返
してと言われるほうが、何百倍もキツイ。子どもたち
には罪はないから。子どもが母親を求めるのは当然
のことだから。愛する女を不幸にすることはできない。
加藤の想いを受けて、遊びよと返す利佳子もいい女。
「お前が好きだよ」と最後に言った加藤と、結局保留
したまま、最後まで「好き」だとは言わなかった北野。
一度は覚悟して離婚しようとしたのにできなかった利
佳子と、元さやに戻ったはずが、結局離婚した紗和。
一人になり、独身の身となったのに、神様を怒らせる
かもと思う紗和は、まだまだ刺激がほしい、恋愛体質
の女。恋に溺れて、いまだ、愛を知らないままの、欲
望に任せた恋の甘い毒が忘れられない女なんだなと。
不倫を肯定はしない形ではあったけれど、結局は本
気の度合いの問題なんじゃないの?って思いました。
不倫で始まろうが、本物の愛だと思うのなら、時間を
かけて一緒になる道を選ぶこともできたはずなのに。
少なくとも、紗和と北野の場合はそれができたはず。
愛のない相手と暮らし続けていくのは辛い事だから。
何かあると中坊のように自転車で疾走する紗和の
姿が何ともおかしくて。心と身体がアンバランスな大
人の「初めてのおつかい」ならぬ「初めての不倫」に
舞い上がる愚かしさを面白おかしく見せてもらったよ
うな…。何とも不思議な感覚の、面白いドラマでした。
第1話~恋する妻たちの怖く痛く愛おしいラブストーリー
第2話~濡れたキス・・・妻たちの共謀
第3話~妻の失恋・・・本音語る七夕の夜
第4話~妻を強くする恋・・・覚悟のキス
第5話~悪女誕生。妻が一線を越えた日
第6話~秘密の恋がバレる時・・・夫の罠
第7話~恋の終わり・・・日常に戻る辛さ
第8話~妻の追求・・・修羅場はじまる
第9話~崩れていく日常・・・夫の涙
第10話~妻の逃避・・・試される愛の強さ
第11話~罪から始まった恋完結・・・妻が選ぶのは夫か恋人か
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