「昼顔~平日午後3時の恋人たち」第4話~妻を強くする恋・・・覚悟のキス | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「昼顔~平日午後3時の恋人たち」



第4話
妻を強くする恋・・・覚悟のキス


この人は奥さんのいる人。私は夫のいる身。
分かっています。
これ以上親しくなってはいけません。
絶対に。


紗和) キャッ。
北野) えっ?
紗和) 電流走った。なんて嘘。フフフ。ホント。

(手をつなぐ北野と紗和)

**********

加藤) 他の男にもこんなことしてんの?
利佳子) お金を払うのは、あはたが初めてよ。
     ねえ。支援させて。
     お金で割り切った関係の方が、いいでしょ?
加藤) フッ。これっぽっちのお金でパトロン気取りか
    よ。割り切った関係? そんな、手垢の付いた
    言葉吐いて恥ずかしくないのか?
利佳子) 抱いたせくに、説教しないでほしいわね。
加藤) ああ、抱いたよ。薄っぺらな情事をした。
    あんたの望むとおりに。
利佳子) 一度出したものは、結構よ。
加藤) こんな金もらうなら、餓死した方がマシだよ。
    ほら、何してる? 5時回ってるぞ。お子さんが
    お稽古から帰ってくるお時間ですよ、奥さん。


**********

白状します。
罪悪感はありませんでした。
話をしただけ。
手をつないだだけ。
まだ不倫じゃない。
夫の顔なんて、浮かんできませんでした。


**********

もう、夫がママと呼ぶのにイラっとしませんでした。
外で恋をしたら、夫に優しくできる。
利佳子さんが言った事は、本当でした。


**********

紗和) 利佳子さん、好きな人いるんですよね?
利佳子) 読まなかった? 振られたの、私。
     やり逃げ、されました。
紗和) やり逃げって。どうしたんですか?
    利佳子さんらしくないです。
利佳子) ほんとね。私らしくない。
     どうしてこんなに落ちちゃってんのかしら?
紗和) 相手、誰か聞いてもいいですか?
利佳子) くらだない男よ。
     貧乏で、へそ曲がりで、ケチで、胡散臭い。
紗和) 何でそんな人?
利佳子) 何で? 正直だからかしら。
紗和) 正直?
利佳子) 男って、嘘ばっかりでしょう? 思ってもない
     のに、カワイイだの綺麗だの言ったり。離婚
     する気もないのに、別れるって言ったり。明日、
     別の女と約束してるくせに、「君だけだ」って言
     ったり。全てがその場しのぎ。でも、そいつは、
     はっきり言ったのよ。私に向かって、薄っぺら
     な女だって。あんなやつは初めて。
紗和) だからって、ネットで次の人探すなんてやけく
    そじゃないですか。また誰かと出会う事もありま
    すよ。
利佳子) 紗和ちゃんが
     北野先生に出会ったみたいに?
紗和) えっ。
利佳子) うまくいってるんだ? 綺麗になったわね。
紗和) 別にそういうんじゃ。
利佳子) どういうのなの?
紗和) あのう。私たち、あのう…
    深い関係になる気はありませんから。
利佳子) 私たち? 純愛でもしてるつもり?
     フッ。笑わせないで。ネットで出会おうと、普
     通に出会おうと、不倫は不倫よ。どっちが偉
     いってもんじゃないわ。
紗和) 偉いなんて言ってないけど。誰でもいいみた
    いに出会うのと、自然に好きな人が出来るの
    は違うと思います。
利佳子) 自然に好きになったと思ってるの?
     あなたは、誰でもよかったのよ。無意識かも
     しれないけど。誰でもいいから、相手が欲し
     かった。そういうタイミングだったの。そこへ、
     たまたま北野先生が現れただけ。人が人を
     好きになるのは、どんなに綺麗事を言っても
     同じからくりよ。
紗和) 同じじゃありません。
利佳子) もっと言うなら、男の恋は、すべて肉欲よ。
     それこそ、やり逃げした男と思われたくない
     から、維持するだけ。あの真面目そうな北野
     先生だって、おんなじよ。そして、女の恋は、
     すべてが執着。他の女に渡したくないから、
     すがりつくだけ。純愛に酔ってるあなたもお
     んなじよ。
紗和) やめてください。
利佳子) 30過ぎた大人の女なら、男と女が何を求め
     て会うかわかるでしょう? 幼稚な事言ってご
     まかしてないで、覚悟をしてから会ったほうが
     いいって言ってあげてるんじゃない。
紗和) 利佳子さんがそう思うのは勝手だけど、人の
    事まで決めつけないで下さい。私は、心で誰か
    を好きになる事ってあると思います。肉体関係
    にならなくたって、一緒にいたいって思う事、あ
    ると思います。笑うなら笑って下さい。
利佳子) 笑わないわ。
     私だって、身体だけが目的なら、出会いなん
     て求めない。紗和ちゃん。強くなったわね。恋
     って、女を綺麗にするけど、不倫は、女を強く
     する。何だか私も元気出てきちゃった。
紗和) とにかく私は言いましたから。
    危ない事はやめた方がいいです。


確かに私は幼稚なのかもしれません。
いいえ。幼稚でいたいだけ。
覚悟をして、あの人に会わなきゃいけないのは、
本当はよく分かっているのです。


**********

夫が帰ってこなくてホッとしました。
私は罪滅ぼしのごちそうを一人で食べました。


**********

あの日の口紅を思い出しました。
この口紅をつければ、
覚悟がつくのかもしれません。
あの人はどうやって覚悟をするのでしょうか。


**********

約束の日の朝が来ました。
私は眠れませんでした。
結局、覚悟なんてできなかったけど、
ただあの人に会いたいと思いました。


**********

ただ会えなくなっただけなのに、
身動きできないほどのショックを受けました。
素っ気ないメールの文面に、
理由を聞く勇気さえ奪われました。


**********

未練がましいのは分かっています。
でも、一人でここを歩いて、
いい気になったバカな私を笑わなきゃ、
さよならできそうにありません。
あまりにも短い恋に。
幻のように優しかったあの人に。


紗和) どうして?
    来られなくなったんじゃないんですか?
北野) はい。あなたも、どうして?
紗和) 来ないで。来たら、私…。


どうして人は、
いけない恋に夢中になるのでしょう?

静かに、心穏やかに、
人から後ろ指指されないように暮らした方が、
絶対に幸せでいられるのに。


紗和) 誰か来るよ。
北野) うん。
紗和) 絶対にいないって分かってたから来たのに。
北野) 僕も、来てるわけないって思ったから来た。


男の人とキスをしながら目を開けたのは、
初めてでした。
もう、この青い空を、
何の曇りもない気持ちで
見上げる事はないのだと思うと、
うずくような悲しみがこみあげました。

でも、それでも私は…。


**********

男の恋は、すべて肉欲。
女の恋は、すべてが執着。


なるほどと思う反面、好きになったら、男も女も執着
するのは同じような気もするし。女の執着が相手の
気持ちなら、男の執着は、相手の肉体のような気も。
男の恋は肉欲から始まって、女の心も欲しくなり、女
の恋は、心から始まって、男の体も欲しくなるような。
結局最後は、相手の心も身体も欲しくなるのが、恋。
男と女、正反対のアプローチで始まるように見えて、
行き着くところは同じなのかもしれない…かもね~。

紗和が、自分はまだ不倫ではないと言い訳するとこ
ろが、いかにもありそうな言い訳で…。話をしただけ。
手をつないだだけ。手をつないだら…アウトだと思う
けど。逆の立場になったら許さないだろうし、絶対モ
ヤモヤするはずなのに。自分への言い訳となると、
どんどんハードルが低くなるから不思議。法律的に
はSEXしなければ不倫とはいえないかもしれない
けど、心情的には、手をつなぐのもキスをするのも、
許せない範疇となるはず。純愛という言い訳も、そ
れならそもそも、遠くから見ているだけの片思いで
いいじゃないかって話になるわけで。本当に純愛な
ら、それぞれ離婚して、恋をまっとうすればいい話。

そうしないのは、いけない恋が、いけない恋だから、
魅力的だってこと。いけないことをしている自分に
酔ってしまう。何もかも失くしてしまうかもしれない、
そんなスリルに溺れてしまうのかもしれない。うず
くような悲しみ…なんて言葉に酔って、自ら堕ちて
いく紗和と、少年の皮をかぶった狼男・北野がどう
変わっていくのか…。予告では、悪女になるそうで
すが…思った以上に短かったな、紗和の純愛…。

一青窈が歌う、主題歌「他人の関係」ですが、今にな
ってちゃんと歌詞を見ると、意外と深いかも~と思う。
逢う時はいつでも他人の2人。いつも毎回他人になっ
たつもりで、新鮮な気持ちで会いましょうって事よね。
昔は子供だったから、♪パッパパヤッパ~に気をと
られ
て、歌詞の意味には気が付かなかったよ…ふぅ。

●他人の関係/一青窈

 

 

逢う時にはいつでも 他人の二人 

 

 

ゆうべはゆうべ そして今夜は今夜 
くすぐるような指で 
ほくろの数も 一から数え直して 
そうよ はじめての顔でおたがいに 
又も燃えるの 
愛した後 おたがい 他人の二人 
あなたはあなた そして私はわたし 
大人同士の恋は 小鳥のように 
いつでも自由でいたいわ 
そして愛し合う 時に何もかも 
うばいあうのよ 
 
逢う時にはいつでも 他人の二人 
気ままと気まま そして大人と大人 
逢うたびいつも ちがう口づけをして 
おどろきあう その気分 
そうよ はじめての顔でおたがいに 
又も燃えるの 
愛した後おたがい 他人の二人 
男と女 そして一人とひとり 
あなたは私のこと 忘れていいわ 
迷ってきてもいいのよ 
私 何度でも きっと引きもどす 
もどしてみせる 
 
 

「昼顔~平日3時の恋人たち」関連ブログ↓
第1話~恋する妻たちの怖く痛く愛おしいラブストーリー
第2話~濡れたキス・・・妻たちの共謀
第3話~妻の失恋・・・本音語る七夕の夜
第4話~妻を強くする恋・・・覚悟のキス
第5話~悪女誕生。妻が一線を越えた日
第6話~秘密の恋がバレる時・・・夫の罠
第7話~恋の終わり・・・日常に戻る辛さ
第8話~妻の追求・・・修羅場はじまる
第9話~崩れていく日常・・・夫の涙
第10話~逃避行・・・試される愛の強さ
第11話~罪から始まった恋完結・・・妻が選ぶのは夫か恋人か

●「昼顔~平日3時の恋人たち」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村