特設艦船戦史 雑想ノート -28ページ目

特設駆潜艇「第五拓南丸」

【特設特務艇】

特設駆潜艇「第五拓南丸」 

 

日本海洋漁業の捕鯨船 


【基準排水量】

343トン

【搭載兵器】

九四式爆雷投射器1基 九五式爆雷12個


【所属】
第二四特別根拠地隊[アンボン]

  第五二駆潜隊  「第五拓南丸」「第十七昭南丸」「第十五福栄丸」



昭和17年5月8日

「対潜攻撃」

1700 セラム島アンボン港外にて、米潜水艦「ポーパス」の雷撃を受けるが、回避。

爆雷6発を投下。

《米軍記録》

損傷:潜水艦「ポーパス」(後部潜舵が一時的に動力を失い、船体の弁が故障、燃料が後部発射管に漏れた。また、電池容器二個が破損したが、作戦を続行した)

*「ポーパス」は、戦時中に商船3隻を撃沈したが、翌年、油漏れが酷く潜水学校の練習艦になった。


「第五拓南丸」は敗戦まで残存、戦後は捕鯨船に復帰し、食糧難の国民に鯨肉を届けた。


【参考文献】

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調査未完のため、今後、大幅に加筆・改訂を予定しております。

  

初稿  2005-07-09

第2稿 2006-08-13 一部加筆


特設運送船「北安丸」

【特設特務艦船】

特設運送船「北安丸」

大連汽船所属の中型貨物船
 
【総排水量】
3,712トン
【徴用】
昭和15年10月 
 
【戦歴】
昭和18年9月7日
マニラを出港。高雄へ向かう。
 
昭和18年9月9日
リンガエン湾沖を航行中、浅深度で潜行中の潜水艦を発見。
同船は全速で突進、軽いショックとともにこの潜水艦を乗り切る。
潜水艦はこの体当たりの際に、船体内殻を破られ急速に沈没した、と推定される。
 
昭和19年9月12日
高雄に入港。 

【戦果】
撃沈:潜水艦1隻
《米軍記録》
喪失:潜水艦「グレイリング」(艦長:R・M・ブリンカー少佐以下76名全員が戦死)
*「グレイリング」は、これまで「明山丸」(5,480トン)を含め4隻約2万トンを沈めている。


昭和19年2月14日
トラック西方にて米潜水艦により沈没。

【参考文献】

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調査未完のため、今後、大幅に加筆・改訂を予定しております

 

初稿  2005-06-26

第2稿 2005-09-30 一部訂正


特設運送船「鹿野丸」

【特設特務艦船】

特設運送船「鹿野丸」

 

国際汽船 ニューヨーク航路用

 

【基準排水量】

8,572トン 

【所属】

第五艦隊(昭和17年6月編入)

【武装】  

8センチ単装砲2門(前後部に設置、四一式8センチ砲〈アームストロング式40口径砲:明治時代の駆逐艦の装備品と同型〉)、13ミリ機銃(艦橋上)  

 

北千島の占守島片岡湾を中心にアリューシャン方面への軍需物資の輸送に従事。 

 

昭和17年7月31日

0547 米潜水艦「グルニオン」の雷撃を受け、魚雷1本が右舷中央部の機械室に命中。
この攻撃で発電機と通信機、後部8センチ砲が使用不能となり、航行不能に陥った。見張員が右前方から右後方に移動する潜望鏡を発見し、前部8センチ砲と13ミリ機銃で射撃を開始。

0557 再度雷撃を受け、魚雷1本が船底を通過した。

0607 三度目の雷撃で、魚雷2本が左舷中央部に命中したが、Mk14・53センチ蒸気魚雷のMk6磁気信管は欠陥品で不発であった。

「グルニオン」は400メートルまで接近し浮上砲戦を挑んできたが、司令塔上方が海中より出たところへ、84発目の砲弾が命中。水煙とともに鈍い水中音が聞こえてきた。

その後、キスカ島より飛来した水偵3機と電纜敷設艇「浮島」、駆潜艇二六号が現場に到着、大量の重油が湧出し広がっているを確認した。

【戦果】

撃沈:潜水艦1隻

《米軍記録》

喪失:潜水艦「グルニオン」(艦長:マナート・L・アベル少佐以下全員が戦死)

*「グルニオン」は、7月15日に駆潜艇二五号と二七号を撃沈している。
 

昭和17年8月1日

特設運送艦「菊川丸」(3,883トン/川崎汽船)に曳航され、2日にキスカに入港した。

 

昭和17年9月15日

修理中であったが、B‐24爆撃機・P‐38戦闘機・P‐39戦闘機による空襲で浸水着底してしまった。


除籍


 


【参考文献】

テーマ一覧「主要参考文献・資料」を参照下さい。


調査未完につき、今後大幅に加筆・改訂を予定しております


初稿  2005-06-26

第2稿 2005-09-30 一部訂正