特設運送船「鹿野丸」
【特設特務艦船】
特設運送船「鹿野丸」
国際汽船 ニューヨーク航路用
【基準排水量】
8,572トン
【所属】
第五艦隊(昭和17年6月編入)
【武装】
8センチ単装砲2門(前後部に設置、四一式8センチ砲〈アームストロング式40口径砲:明治時代の駆逐艦の装備品と同型〉)、13ミリ機銃(艦橋上)
北千島の占守島片岡湾を中心にアリューシャン方面への軍需物資の輸送に従事。
昭和17年7月31日
0547 米潜水艦「グルニオン」の雷撃を受け、魚雷1本が右舷中央部の機械室に命中。
この攻撃で発電機と通信機、後部8センチ砲が使用不能となり、航行不能に陥った。見張員が右前方から右後方に移動する潜望鏡を発見し、前部8センチ砲と13ミリ機銃で射撃を開始。
0557 再度雷撃を受け、魚雷1本が船底を通過した。
0607 三度目の雷撃で、魚雷2本が左舷中央部に命中したが、Mk14・53センチ蒸気魚雷のMk6磁気信管は欠陥品で不発であった。
「グルニオン」は400メートルまで接近し浮上砲戦を挑んできたが、司令塔上方が海中より出たところへ、84発目の砲弾が命中。水煙とともに鈍い水中音が聞こえてきた。
その後、キスカ島より飛来した水偵3機と電纜敷設艇「浮島」、駆潜艇二六号が現場に到着、大量の重油が湧出し広がっているを確認した。
【戦果】
撃沈:潜水艦1隻
《米軍記録》
喪失:潜水艦「グルニオン」(艦長:マナート・L・アベル少佐以下全員が戦死)
*「グルニオン」は、7月15日に駆潜艇二五号と二七号を撃沈している。
昭和17年8月1日
特設運送艦「菊川丸」(3,883トン/川崎汽船)に曳航され、2日にキスカに入港した。
昭和17年9月15日
修理中であったが、B‐24爆撃機・P‐38戦闘機・P‐39戦闘機による空襲で浸水着底してしまった。
除籍
【参考文献】
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調査未完につき、今後大幅に加筆・改訂を予定しております
初稿 2005-06-26
第2稿 2005-09-30 一部訂正