特設艦船戦史 雑想ノート -26ページ目

特設砲艦「長白山丸」

【特設軍艦】

特設砲艦「長白山丸」

朝鮮汽船 石炭運搬船

 

【総排水量】

2,131トン

 

【所属】

馬公防備戦隊

 特設砲艦「長白山丸」(2,231総トン/朝鮮汽船)

 特設駆潜艇「楊梅丸」(99総トン/日本水産)

         「旺洋丸」(88総トン/日本水産)

         「第二一日東丸」(95総トン/日東漁業)

         「第二二日東丸」(95総トン/日東漁業)

 敷設艦「測天」  


昭和18年3月15日

陸軍部隊を乗せていた客船「高千穂丸」(8,159総トン/大阪商船)が、台湾北岸・基隆沖で米潜水艦「キングフィッシュ」により撃沈された。


昭和18年3月19日より

「対潜掃蕩作戦」

上記の被害により、まだ台湾北方付近に潜伏中と思われるの潜水艦を掃蕩するため、基隆地区防備部隊と新竹海軍航空隊の九六式陸攻3機、澎湖海軍航空隊(筆者注:機種不明〈水偵か?〉)対潜作戦を行った。

昭和18年3月23日

未明 敷設艦「測天」が、浮上中の潜水艦を発見。

直ちに潜行した潜水艦に対して爆雷を投下。

「測天」の通報により、特設砲艦「長白山丸」、特設駆潜艇「楊梅丸」「旺洋丸」「第二一日東丸」「第二二日東丸」が、現場海域に到着。

「旺洋丸」が7ノットの低速で爆雷を投下。続いて「長白山丸」が爆雷6個を投下。

爆雷攻撃の衝撃で、潜水艦の艦首が3メートルほど海面より突き出てきたが、すぐに沈下した。

1326 海底より黒い油紋が浮いてきた。

さらに攻撃を続行、16時間にわたり6隻合計で41発の爆雷を投下した。


昭和18年3月24日

6隻は爆雷攻撃を続行、追跡距離は24海里に及んだ。

【戦果】

撃沈:潜水艦1隻 〔敷設艦「測天」、特設砲艦「長白山丸」、特設駆潜艇「楊梅丸」「旺洋丸」「第二一日東丸」「第二二日東丸」による協同により〕

《米軍記録》

損傷(大破):潜水艦「キングフィッシュ」(推進軸が湾曲、船体の損傷が激しく、本国のメーアイランドの海軍工廠で、数ヶ月に及ぶ修理を行った)

*「キングフィッシュ」は、二等輸送艦一三八号、「高千穂丸」他、14隻の日本艦船を沈め、第21位(「グレイバック」と同順位)を誇った。





昭和20年2月

「船団護衛」

台湾~門司の船団(輸送船4隻)護衛。


機雷や特攻艇「震洋」を沖縄に輸送した。 


昭和20年3月1日

那覇沖において爆撃を受け沈没。 

 

 

*協同戦果が多いため、一部他の艦船と記録が重複しますが、ご了承下さい。

【参考文献】

テーマ一覧「主要参考文献」を参照下さい。 

 

調査未完のため、今後、大幅に加筆・改訂を予定しております 

 

初稿  2005-08-19


ブックマーク欄へのリンク追加について

お寄りいただき、ありがとうございます。 

ブックマーク欄への新規リンクについて、以下にお知らせいたします。


   ■近代化遺産ルネッサンス ■

     戦 時 下 に 喪 わ れ た
        日 本 の 商 船

  Museum of Japanese Merchant Ship

~ 今の日本の平和を より確かなものに ~

   ■商船隊への鎮魂 - レクイエム   

http://www.aa.cyberhome.ne.jp/~museum/

 

という、戦時中の日本商船隊を記録した、精力的で素晴らしいホームページがありました。

そこで、製作者の田中祐三氏の了解を得て、ブックマーク欄にそのHPのリンクを貼らせていただきました。


拙ブログの未完成な部分を補う意味で、是非、ご参照下さい。

特設巡洋艦「西貢丸」 〔特設砲艦〕

【特設軍艦】

特設巡洋艦「西貢(サイゴン)丸」 〔特設砲艦〕

大阪商船 サイゴン航路


【入籍】

昭和16年9月20日 特設巡洋艦籍

(同日付で機雷敷設に従事する特設巡洋艦に指定された)

昭和18年4月     特設砲艦籍

(特設巡洋艦任務より特設砲艦に変更された)

【総トン数】

5,350トン

【速力】

16.0ノット

【装備】

12センチ単装砲4基、7.7ミリ単装機銃機1基、機雷500個


【所属】
第一八戦隊:敷設艦「常盤」、特設砲艦「西貢丸」、特設敷設艦「高栄丸」、特設砲艦「第二号新興丸」


これらの特設艦は機雷を敷設する軌条が2条だったが、元来が貨物船だったので、機雷の搭載量が多かった。

 

昭和18年5月21日

軍令部総長:永野修身大将は、鎮海警備司令官:後藤英次中将に対し、黄海に対潜防御用機雷原を敷設すること下令した。

上記、第一八戦隊の特設敷設艦3隻は、一時的に鎮海警備府に編入され、朝鮮半島の南西端から南西に向け、長さ158浬に渡り2列6,000個の機雷を浅深度に敷設することになった。

 

九三式係繊触覚機雷を舞鶴を搭載。

 

昭和18年6月初め

黄海南部に3隻が並行に航行し、80メートル間隔で震度13メートルと23メートルに敷設。


昭和18年9月

敷設艦「那沙美」が黄海に機雷を敷設、同機雷原を強化。


昭和19年1月

敷設艦「厳島」が黄海に機雷を敷設、同機雷原を強化した。 


昭和19年1月~2月

哨区が黄海の米潜水艦「スコーピオン」は、1月6日以後消息を絶ち、黄海に敷設された機雷原にて沈没したものと推定されている。 

《米軍記録》

喪失:「スコーピオン」(艦長:M・G・シュミット中佐以下76名全員が行方不明)

*「スコーピオン」は日本商船4隻を撃沈している。


 

昭和19年10月? 

哨区が黄海の米潜水艦「エスコラ-」は、9月18日ハワイを出撃(初出撃)。ミッドウェーで燃料を補給。10月17日に僚艦「パーチ」に「本艦の現在位置は朝鮮半島の南西方の黄海にあり」と通信を送り、以後、消息を絶った。黄海に敷設された機雷原にて沈没したものと推定されている。
《米軍記録》

喪失:「エスコラ-」(艦長:ウィリアム・J・ミリガン中佐以下82名全員が行方不明)

*「エスコラ-」による日本艦船の被害は無い。
  

昭和19年1月~6月

東シナ海に機雷12,000個を使用、4地点に大規模対潜機雷礁を敷設した。


昭和19年6月19~20日

第四機雷礁(沖縄付近)で敷設作業がおこなわれた。

第一八戦隊

 敷設艦「常盤」

 特設砲艦「西貢丸」

 特設敷設艦「高栄丸」

 特設砲艦「第二号新興丸」

警戒隊

 水雷艇「友鶴」(第四海上護衛隊)

 敷設艇「鷹島」(大島防備隊)

 駆潜艇第五八号(第四海上護衛隊) 

 旧駆逐艦「海威」(旧「樫」、1937年満州国に譲渡)

上記、敷設艦艇は、九三式機雷と六号二型機雷を合計1,650個を距離165キロ、各100メートル間隔で深度13メートルに敷設した。

 

昭和19年9月18日

マニラに向け航行中に雷撃を受け、搭載していた機雷/爆雷が大爆発を起こし沈没。



昭和20年1月

沖縄近海の配置についていた「ソードフィッシュ」への、一次哨区を離れ屋久島近海に移動する命令に対し、1月3日受信確認の通信を送信、以後、音信を絶ち、沖縄近海で機雷原にて沈没したと推定される。 

《米軍記録》

喪失:「ソードフィッシュ」(艦長:K・E・モントローズ中佐以下89名全員が行方不明)

*ソードフィッシュは、駆逐艦「松風」を含む、日本艦船21隻を撃沈している。

 

*「西貢丸」の敷設した機雷による関連戦果は、米潜水艦3隻「スコーピオン」「エスコラー」「ソードフィッシュ」と推定される。 

 

*特設砲艦「第二号新興丸」、特設敷設艦「高栄丸」の稿も参照下さい。 

  


【参考文献】

テーマ一覧「主要参考文献」を参照下さい。 

 

[筆者注:調査未完のため、今後大幅に加筆・改訂を予定しております] 

 


初稿  2005-07-15

第2稿 2005-07-17 一部加筆

第3稿 2005-07-23 「西貢丸」「高栄丸」「新興丸」に分稿

第4稿 2005-08-15 一部加筆

第5稿 2005-09-30 一部訂正・加筆

第6稿 2005-12-03 一部修正・加筆