相棒season2

『クイズ王』04年1/14放送

 

公園に右京さんと亀山が呼びつけられ

謎の人物からガラケーで

クイズを出される。

3問不正解だと公園にいる人物が

無差別に射殺されると脅しを受ける。

 

右京さんと亀山が交互に答え

右京さんは全問正解、亀山が2問不正解で

リーチ、ここで右京さんに

こんな出題がなされる。

 

「円周率小数点以下151位の数字は?」

 

流石の右京さんも言いよどんだものの

3.3秒後くらいに「4」と正答

しかし時間オーバーと因縁をつけられ

ある30代?の男が無残にも射殺される。

 

これは東大をトップで卒業した

カリスマ予備校教師(喜多嶋舞)の挑戦

無差別殺人を装っていはいたが

かつて自分をふった男に対する復讐、と

同時に自分のプライドを傷つけた(後述)

杉下右京に対する意趣返しも兼ねていた。

 

例によって、右京さんと犯人(喜多嶋舞)と

丁々発止のやり取りが繰り広げられるのだが

これが実に く~だらない

 

 

狙撃現場に何故かチョークにて

円周率が長々と書き連ねられており

39桁目が7なのに1と書かれていた。

(筆者が赤丸で囲った部分)

 

これを以て右京さんはコバカにした

わざとらしい笑いを交えながら

「うふふ、僕はこれを見て

笑ってしまいました、

犯人は賢い人物ではない」

 

まぁ鼻っ柱の強すぎる犯人に対する

挑発なのですが本当にバカバカしい。

喜多嶋舞がくせ字で、7と1が

判別しづらいことによる

狙撃者(喜多嶋舞の依頼した人物)

の写し間違いという供述を

引き出す寸法なんですが

東大首席云々って

こういう認識なんですかね。

 

頭の体操として円周率を

諳んじるのは有意義なことです。

伊東四朗さんは70を越してからだったか

挑戦されて、何百桁も言えるそうで

それには率直に頭が下がります。

 

あるいは右京さんのような神業は

見た物を瞬時に画像として処理できるから

コンマ数秒で39桁目の間違いに

気づくことができる特殊能力でしょう。

これも素晴らしいですが

「頭の良さ」とはまたちょっと違います。

 

何か誤解していないか。

自分だって幼少時は一度見た物

聞いたことは絶対忘れない

と言う能力はあった。

時刻表でも電話番号でも誕生日でも……

藤井聡太さんにもあった。

これを役立たせるかどうかが

凡人の自分と天才の藤井さん

との違いだろう。

かくいう自分だって3歳でも

少しでも発展させようと

数字を意味あるもの

誕生日から曜日に変換する

計算法を考え出すとか

楽しみながら工夫はしてたよ。

そう言う訓練をしないで

頭ごなしにロクに考えもせずに

処理する習慣ばかり押しつけられて

きたんじゃないか。

 

円周率は有効数字3桁で充分

500桁覚えるのは頭の訓練には良いが

科学には意味がない。

むしろ39桁目の間違いに固執するのは

バカでさえある。

 

これを「頭が良い」と鵜呑みにしてしまうのが

結局は死亡者を18,622人減らしたと

発表して何とも思わぬ風潮の

正体じゃないのか。

まさか、と思っていたが

あれを平然と放置しているのを見るに付け

そう考えざるを得なくなるのである。

「頭の良さ」とか「科学的事実」を

はき違えている象徴ではないだろうか。

 

ドラマだからネタと思ってみたいのだが

どうもそうとばかりは言えない

深刻な病巣が潜んでいるような気がする。

 

尚、喜多嶋舞が右京さんに

目をつけたキッカケは

あるバーで喜多嶋舞が

得意げに講釈を垂れていた

『怒り心頭に達したのよ』

これを顔見知りでもない右京さんが

ツカツカとテーブルに近寄って

「怒り心頭に発すですよ

そもそも心頭とは頭ではなくって

心の中っていう意味であって……」

と講釈を垂れ始め

これに喜多嶋舞がカチンときて

根に持っていたってもの。

喜多嶋舞の供述を引き出した後

過去の非礼をわびていたけれど

右京さんも大人げないよね。

 

当ブログでも細かい論いをしてるじゃないか

と思われるかも知れないが

たかが言い間違いを揶揄するつもりはない。

むしろ逆で、細かいことばかり拘泥する前に

まず大枠を捉えようと言っております。

 

同時セーフ』とか『進化』とか

勝利の方程式』とか

そこに山があるからだ』とか

マスコミが安易に連日使っている

『造語』に知らず識らずに毒されて

それが「ヒステリック」な排除に

繋がって「悲劇」の引金になっている

と書いています。