・何年分やるか?
先の記事で書いた通り、9月頭から週1年分のペースで進めると年内に18年分になります。1月にも10年分くらいはできるでしょう。これらを受験する各校(多くの場合7校前後)に振り分けるということになります。
 
この時期になってくると個別事情次第なことが多すぎるので、基本的な考え方を理解したうえで個々に考えていくしかないのですが、まずは一般論としては第1志望は5~10年分、第3志望以下は1~3年分、第2志望はその間(個別事情に応じて)といったところかと思います。
 

 

単元学習がある程度固まっていることが前提ですが、出題傾向が長年大きくは変わっていない学校であれば、基本的には過去問はやればやるほどいいと思います。一説には過去問を1年分やるごとに合格率が3%上がると言われています。厳密な数字に意味はありませんが、ぼんやりとそんなイメージを持つとやる気につながるかも知れません(もちろん数だけこなしても意味はなく、消化吸収する前提ですが)。
 
特に、出題のクセが強い学校では良くも悪くも普段の模試の成績との「逆転」が起きやすく、志望校対策の有効性が高くなってきます(↓関連過去記事)。
 

(アメンバー申請は基本的には歓迎します→注意事項)

 

出題の特徴は分析資料などを見たら「この学校の出題の特徴は…」などと書いてありますが、百聞は一見に如かずで、分析資料をいくら見るよりも実物の過去問を見たり解いたりする方がよほどよく分かります。しかしクセの有無になんらか指標が欲しければ、例えば首都模試の「思考コード」が参考になるかも知れません。晶文社の中学受験案内では全ての学校の「思考コード」を確認できます。

 

 

憧れの中学の先生に「どうやったら貴校に入れますか?」と聞いたとしたら、多くの場合は「過去問をしっかりやって下さい」と言われることでしょう。塾では学校の先生にヒアリングして得た情報や裏話のような情報も一部あるものの、基本的には各塾の志望校別特訓も過去問の分析をもとに作られています。そして普通は、学校側はちゃんと準備してきた子を取りたいものです。
 

「どうせ同じ問題は出ない」という声もありますが、私はむしろ問い方、考え方、根底にあるものといった一段抽象的なところでは「同じ『ような』問題が繰り返し出る」と感じることが多かったです。

 

社会で誤答の選択肢に使われていた内容が別の年には正答となる問題で使われたり、理科で全然違う単元でも似たような考え方の記述問題やグラフの読み書きが繰り返し出題されていたりそんなことが少なくなく、それに気づくとその学校の先生からの「声」が聞こえるような気がしました。最後は過去問をたくさんやりこれだけやったんだから大丈夫という自信も、当日に力を出し切る助けになるでしょう。

 

ただし古い過去問まで遡る場合には注意点もあります。遡り過ぎると特に社会では時事の内容が古かったり、統計データが現在とは違ったりといったことが頻繁に起きます。出題傾向が違ってくることもあります。また、学校の難易度も違ってきて、合格最低点や平均点があてにならないということも起き得ます。難易度が大きく変化した学校の場合、その年の難易度(日能研結果R4/R3など)を合格最低点や平均点とともに付記しておき、参考にした方がいいかも知れません。

 

一方で、志望度が低い学校やクセの少ない学校はそんなに遡る必要はないでしょうし、特に、1年分やったらもう合格最低点を余裕で超えたという場合は、それ以上やらずに止めていいと思います。

 

我が家で何月時点で何年分やってきたかは、過去記事に雑感とともにリアルタイムで記載してきましたので、興味を持っていただいた方はご参照下さい。第1志望校の過去問は最終的に14年分やりました。
 
・9月末時点→「過去問クエスト2」
・10月中旬時点→「過去問クエスト3」
・11月末時点→「過去問クエスト4」
・12月末時点→「過去問クエスト5」
・1月末時点→「過去問最終状況」
※「過去問クエスト」という言葉はリスペクトしていた2020年組き●パパさんのブログからいただいたのですが、き●パパブログ、削除されてしまいましたね汗
 
・4科目まとめてやるか
第1志望校でも理社は5年程度にとどめ、算国だけ10年分といった考え方もよく聞きます。ただし基本的に合格最低点は4科目まとめてしか出しようがありませんので、「これが本番なら合格/不合格」という判定をしたければ、4科目揃える必要があります。
 
我が家は基本的には全て同時期に4科目を揃えてやっていきましたが、これは先日書いた「目的」次第ですね。①出題傾向を把握し、対策に役立てる、②時間配分や問題の取捨選択を練習するということに重きをおくのであれば、必ずしも4科目揃える必要はないでしょう。