【シロい人の映画blog】素足で歩こうよ、靴なんて履いてないでさ。 -7ページ目

『ナイトミュージアム』★★★☆☆

単純明快に映画の楽しさを求めるならこれもいいだろう。
中身があるかと言われれば、“面白いモノ”である点を除けばそんなにない。

逆に面白いモノであることに焦点を合わせれば、盛り込まれたショートコントやテンション、愉快な仲間たちが楽しい時間へ連れて行ってくれる。
まるで、ウォーリーを探せのような、はちゃめちゃな映画である。

恐竜登場のシーンで骨をねだって尻尾を振ったとき、こういう映画か、とわからせる見せ方はすっと観ている側を納得させてくれました。

ボケボケの主人公が最後は皆に認められていく、そういう場面のときのBGM効果はバツグンだな、と密かに感心しました。

ルーズベルトの蝋人形役の人、ジュマンジのころから大好きです。
超有名俳優ですね。
他作品も素晴らしいものが揃っています。彼の出演作品を狙って観るのもオツかもしれません。

『悪人』★★☆☆☆

まず良いところ。

妻夫木聡さん、深津絵里さん、樹木希林さんの演技は素晴らしいです。
機微な感情の変化や仕草をうまく表現なされていると思います。
深津絵里さんの年相応の雰囲気や心理描写の自然さは見事。
また、ラブホで、妻夫木聡さんが深津絵里さんを抱きしめるときの人肌欲しさや孤独感が、うまく伝わりました。
樹木希林さんはいわずもがな。おばあちゃん役の年期が違います。

最後、主人公がヒロインにしたこと。
自分の精一杯で想いを断ち切らせる的な、切ないシーンなんだろうなぁ、と思いました。



以下の文章は、人によっては不快になります。読みたくなければ即リターンでお願いします。



物語はほぼ、馬鹿な男と馬鹿な女しか出てきません。
善悪の定義についての問い掛けもありきたり、予想通りの薄さ。
孤独感や閉塞感をあらわす描写も、役者頼みな感じ。

主人公の行動は、煮え切らず衝動的に右往左往。
ヒロインもなにやらふわふわ流されて自分がない感じ。
背徳の逃避行も、共依存のいびつなカップルにしか映らなかった。
被害者の父親も、その行動や思考の短絡さについイラッ☆いいところまできたのに、思いっ切り殴らないモヤモヤ感。
被害者を蹴飛ばした大学生は、まぁ、役回り的にオッケー。
殺された相手、殺されて仕方ないよね。罪を背負うには軽い相手だった。(どうせなら、純粋無垢設定で、妻夫木聡さんが悪意をもって殺したほうが楽しい映画になる)
後々、愛するヒロインと出会って罪の重さを噛み締めるんだけど、それって逮捕されちゃうと、心開いた相手と離れなきゃいけないから後悔したんだろ?そんだけなんだろ?と思いました。
斜めに構えてみてましたよ、ダメですかね。だって見事に感情移入出来なかったんですもん。

あ、そーだ。
カメラワークや演出について。
演技や雰囲気を盛り上げる、というより、ただ場面を流して映しているかのように感じました。
演出についても、バスのおっちゃんのセリフやマスコミの動き、警察の突入時などが目立つ不満点。
えーないだろー、と冷めます。

カメラワークも目を引くものはなく、雰囲気作りは、役者の演技に掛かっていました。


役者さんの演技で成立した映画だとおもいました。


ところで、イカの目に意味あるの?
そこが疑問点。

『NINE』★★★★☆

素晴らしい映画。
ミュージカルです。

奔放で自己愛の強い映画監督の没落と苦悩、それを取り巻く女性たちの話。

特に印象に残ったのは、娼婦のタンバリンと砂を使ったミュージカルシーン。
大きなスクリーンだと圧巻でした。
あれは一見の価値があるように思う。

他にも、関わった女性たちのイメージをミュージカルであらわしているのは良い。



ラストネタバレですが、監督の思い出の中で息づく歴代の女性たちが、撮影現場でこれから撮る映画のワンシーンを傍観して、最後に「アクション」と言うシーンに感動した。

『天国の青い蝶』★★★☆☆

末期の脳腫瘍患者の子供が、ジャングルで青い蝶を捕まえる話。

子供、母親、学者の案内人、現地のエキストラ、目にする主要キャストは非常に少ない。
よって、個々の関係の描写を丁寧に描いている。
三人は、互いに係わり合い、自分を見つめ合い、成長の兆しを見せはじめる。
また、この作品に彩りを与えているのは、高性能カメラとマイクで映し出す、奇妙で美しい昆虫たちと自然。
果たして、いつ果てるともしれない少年は、青い蝶を見付けられるのか。
また、現地の少女が語る、青い蝶の意味とは…。
大自然の奇跡を見付ける旅に出よう。



青い蝶や他の一部がCGでした。
そこだけ世界不思議発見のミステリーハンター泣かせ。
随所に出てくる昆虫たちは違いましたが。

あと、終盤の学者と少年の危機、要らないと思う。
あそこだけ浮いているから、自然な違うシチュエーションを持ってきたほうが良かったんじゃないかな。

この作品は、映像作品として多くの場面で成立していると思うので、癒されます。
少年も、心の平穏を得たのでしょう。

ノンフィクションという名のフイクション作品だなぁ、って感じました。

『ドラえもんとのび太の宇宙開拓史』★★☆☆☆

畳みの下は、遠く宇宙に繋がっていた。
平和な惑星開拓地の危機を、のび太と皆が救う。

とりあえず、環境問題。
なんか、それさえしてればいいの?
まぁ、今のドラえもんは仕方ない。
いつ頃からか、そういう要素に気を使うアニメになりましたから。

総力を結集して制作したんでしょうね。
テレビとはアニメーションの格差が激しいです。

庶民的で夢がある。
これがドラえもんの良さだと思っています。

『ペイ・フォワード 可能の王国』★★★★☆

“Think of an idea to change our World ---and put into Action!”

全体的に優しい物語です。
二つの時系列で成り立ち、終盤には交わる日がきます。

中学校の教師が、授業の初日に自由課題を投げかける。それが上記のものだ。主人公の少年は、課題を果たそうと一つのアイデアを閃く。それは、三人に良い事をして、その三人も他の三人へ善意の橋渡しをして欲しいとネズミ算的に広げよう、というもの。
もうひとつの時系列は、少年の行いが拡散し、壊された車を有名弁護士から無償で譲り受けた。彼は記者で、これはネタなると調べるところから始まる。
試行錯誤でしながら善意の受け渡しをしようとする少年は、ホームレス、アル中の母、そして課題を出した先生へと繋いでいく。
やがて、周囲は感化され、癒され励まされていく人々。
人と人との繋がりの中で築かれていく“善意”の大きな輪。

感動しましたよ。
一度観たことがあるので二回目でした。
主人公の少年は最後に死んで、その追悼に花束と蝋燭が集まった人々の手から彼の家へと送られてる。たぶん、可哀相って泣くのだろうけど、僕は教師へ自分と向き合うために問い質すシーンが何度かある。そこの方が泣けました。

子役最高!

『バイオハザード ディジェネレーション』★★★☆☆

ラクーンの事件から数年、バイオテロがとある空港で起こった。
ゾンビ達が次々と襲い出す。
空港に偶然居合わせた主人公であるクレアと、戦場と化した空港へ救出に向かったレオンはそこから脱出する。
しかし、このテロには、利権が絡んだ巧妙な裏が潜んでいた。



完全CGの映画。
細かな表情のを描写するときは、やはり、あのマスクみたいなのを付けたりして撮影したんでしょうか。
やはり、バイオハザードですね。ゲームでの海外表記はレジデントイビルでしたっけ?

リアル思考のCGの映画が増えてきています。アバターも代表例です。
このまま進化していけばいいのですが、CGをウリに映画をつくっても、狼男ほどの衝撃は生まれないのだろうと思います。
狼男の衝撃を体感したわけではありませんので、あしからず。


レオンやクレアや懐かしい感じです。ゲームのほうでは、まだまだ現役キャストですね。今後の展開が気になります。

『悪魔のような女』★★★☆☆

少年院の完全寮生の閉鎖的な学校、そこに動く思惑がメイン。
清く正しい学校のイメージを欲しがっているが、実際は欲望と欺瞞が渦巻く場所だった。
友人と浮気し、公然で執拗な嫌がらせをする支配的な夫に嫌気がさす妻。
一方、浮気相手も辟易していると話し、女二人でその男を殺す計画を立てる。
完全犯罪のために、着実な計画を立てた。
それは成功したかのようにみえた。しかし、投棄した場所から死体が出てこなかった。
混乱する妻は、過剰に意識してしまい、遠く離れた場所の水死体を疑ってしまう。
そこへ、偶然居合わせたやり手の女刑事に目をつけられる。
早速学校で夫の“捜索”を開始する女刑事。
しかし、事件は思わぬ方向へと動きはじめた。


最後の最後で女刑事が笑うのだけど、最低な男の末路を一笑に付すかねようで、一花添えてくれている。
男の支配欲とか傲慢さって、見ていて本当に嫌いです。
昔っから、男臭いエネルギッシュさが好きじゃない。僕はどっちかっていうと、草食系なのかもしれませんね。

人の暗部を映したサスペンス作品だろう。

『インタープリター』★★★★☆

国連通訳と、共和国大統領暗殺計画の話。
アフリカのマトボ共和国の内政が乱れており、ズワーニ大統領の民族浄化を掲げた大量虐殺などの話が尽きない。国連加入国はそれを批判しており提訴する動きがある。よって、マトボ共和国の大統領は、近々国連へ赴く手筈になっていた。
ニコール・キッドマン演じる主人公シルヴィアは国連の通訳の仕事をしている。そんなある日、国連会議室から聞こえるズワーニ暗殺計画を聞いてしまう。
この件でシルヴィアは、シークレットサービスに頼ることに。主人公へ脅迫があったり、陰謀が進んでいったり、情況は着々と変化していく。
そして、次第にみえてきたのは、シルヴィアの過去と因縁、兄の死までもが、シダ植物の蔓のように故郷アフリカの大地に絡み付いていた姿だった。



最後らへんの展開が素晴らしく俺好みだった。
洗練され、理知的で落ち着いたセリフや描写、ニコール・キッドマンの繊細な演技や丁寧な心理描写も、見ていて作品へ引き込んでくれます。

この作品は、国連の内情を基軸に、国際情勢の表裏や、主義思想が生みだす情熱、理想の迷走と衰退、民族差別などをテーマに盛り込んでいるように思います。
加えて、その狭間に見え隠れする復讐の情念、トラウマの疼きなどを描いている。

僕はこういう作品が大好きです!



協議や戦争、対談、貿易などと同じように、政治的手段、つまり政略のひとつとしてテロリズムはあるのだと僕は考えている。
はい、話逸れてごめんなさい。

『グリズリー』★★☆☆☆

自然保護を守らない人間たちに大自然が牙を向いた!(?)
さぁ、アニマルパニックムービーの始まりだ!

なんというB級臭。

キャンプ中の若い娘二人を切り裂くところから始まる、森のクマさんの殺戮ショー!
昔のシーンにありがちな、滝にうたれる女性のヌードを襲うクマさん。
うるさい夜のキャンプ場で、ヒッピー風彼氏のユルそうな彼女をテント内で横取りクマさん。
禁猟区で狩りをするイケナイハンターを狙うクマたん。
子グマを囮に使う卑劣なハンターの罠なのに、小グマも襲ってしまうクマちゃん。守備範囲広いね!
昼間の野外で、森林組合の男性もヤッちゃうクマ系テディベア野郎。ウホッ。
今度は、バカみたいにウサギを撫で続けるショタとその人妻を狙う…!

なんて非道なんだろう!笑


クマたん視点が多い。多分、撮影時に熊の着ぐるみより緊迫感があって撮りやすいからだと思われる。

人間関係はというと、収入になる観光地ということと、責任問題云々も加味し、実際の問題を無かったことにしたい上の人間が、グリズリーの存在を否定する内部問題。
クマを研究している擁護派などがいた。

森のジョーンズかよ!

ま、そんな感じの映画。