まさか、来月9月5日の東京JAZZに参戦するとは...盲点でしたあ。

しかし東京JAZZという限られた時間(昼の部のトリですが)の中でちゃんと時間押さずにできるんでしょうか?
02年のフジロックの時も、優に1時間半以上のびてしまって主催者から電源落とされる始末...
東京国際フォーラムといういささかクラッシーな空間に御大ジョージをはじめ、オムツ男ゲイリー・シャイダーさんら、ヴィジュアル的に大丈夫なんでしょうか?東京JAZZって一応「ジャズ・フェス」だからね。

なんか場違いなドサ周りの芸人集団が「営業」で紛れ込んでしまう感じ。かなり微妙です。

でも観たいなあ~。

とはいえ、肝心の演奏の方はかなり期待できなさそう。音楽監督を務めていたギターのブラックバード氏が昨年脱退。ドラムも去年のツアーで回っていた元マイルス・バンドのベースだったFoley 氏でもなさそうだし。しかも管楽器2本がなぜか来ない。経費削減か?管楽器がいなくて、そのパートを大勢いるコーラス隊に口で歌わせている(基本に立ち返ってドゥー・ワップ?)2004年ごろのライブ音源を持っていますが、かなりしょぼくて笑ってしまった。冷や汗と共に...

ということでうるさ型の観客が多く訪れる東京JAZZの空間で、アウェイなお寒い状況も予想されるわけでありまして~。

でも見に行きたいなあ。

今日の映像; なぜかジョージ・クリントン師匠のみが出演。後ろはP-FUNK All Stars ではありませんよ。

All Funk Radio Show というアメリカで有名なソウル・ファンクのカバーバンド。ウェブ・サイトを調べたら彼らが営業で演奏できるソウル・ファンク名曲のリストも掲載されていたりして面白い。

しかし、ギター、ベース、ドラム、キーボード、サックスという超シンプルな演奏陣にコーラス隊4人でサポートですが、はっきし言って本物P-FUNKよりもいいかも?ちゃんとスタジオ版を再現しようとしているだけあってタイトな演奏だなあ。なにしろ本家は、もう日ごとの出来不出来がひどいし、交通整理役がいないのでただだらだら長いだけですし。一般の方にはこっちの方が全然聞きやすく「ファンク」ぽっさが伝わりやすいでしょうね。

まあ、そうは言っても4時間以上あるワン・ステージで時折聞かせる、他のバンドでは決して聞けない音のカオスと高揚感、そして異常なまでのディープな(ドープなっていうべきなのかな)ファンク臭はやっぱ本家にしか出せないわけでありまして、一回病みつきになると止められません。


"Tear the roof of ~ Wind me up ~ Flashlight "のメドレー




やっぱP-FUNKってドゥー・ワップ出身だからか、歌が骨格にある曲作りなことを再確認。演奏はなんとなくコピーできてもこのボーカル陣のワサワサ感がどうしてもぼくら日本人には再現不可能なんだなあ。

やれば二日連続書けるじゃないか!
お久しぶりーふ!(出典:ダンディ坂野氏)

もうそろそろ、ほとぼりも冷めた頃でしょうかね。

えーと、○○ピー・ネタじゃなくて、マイケルさんのご逝去にまつわる一連の報道ですよ。

熱狂的なファンではなかった僕が言うまでもなく、今日の映像で繰り広げられる
"I want you back""ABC""I wanna be where you are" といった一連のヒット曲の輝きは永遠のものでしょう。特に"I want you back"のイントロは最高ですよね。ソウル・ミュージックが黒人社会の希望の象徴でありえた幸福な時代のアンセムにふさわしい一曲です。

ポップスは時代を写す鏡とよく言われますが、確かにこの曲には当時のアフリカン・アメリカンたちの夢や希望がいっぱい詰まっているように聞こえます。まだ初々しいマイケルの歌声に。そしてモータウンの凄腕ミュージシャンたちが織り成すサウンド・プロダクションに。(ベースはもち、James Jammerson ギターは David.T.Walker!)
ちなみに歌詞は全然普通のラブソングだったりするのですけれどね...

素晴らしいポップスのイントロってそれが鳴った瞬間に時代が、世界が変わった!みたいなワクワク感があります。
「お!こんな音楽が聞いたことない!」「なんだかよくわからんけど新しい!」「俺には理解できないけど、なんか凄いぞ」みたいな。

この曲の持つ革新性、そしてそれが30年、40年たってもその新鮮さを失わずにいること(=ever green な感じ)。その二つを兼ね備えた楽曲ってありそうでないんだなあ~。



生演奏なのが素晴らしいです。ベースとギターの彼ら(マイケル兄たち?)、ステップ踏みながらよく弾いています。

さすが父親の虐待を受けながらしごかれただけのことはある。素晴らしき大衆芸能の光と影。

で、エヴァー・グリーン・サウンドには「なんじゃこりゃ?」から「なんだかわかんないけど耳から離れない」、そして「結構凄い、新しい時代の幕開け?」的なゲテモノもあったりするわけで...

僕にとってこの曲はとてつもなく衝撃的でした...しかものちに私的90年代のベストJ-POPソングになったりします。
言葉選びのセンスが凄い!



「一億総白痴化」という言葉が頭をよぎります。当時は日本の若者が全員こんな風になってしまったら、と毎晩のように悪夢にうなされたものです。ボンバヘー!って、しかもこれ紅白歌合戦出場時の映像じゃないですか!!

彼らのような「ラッパーちゃん」たちにもちゃんとNHK受信料と国民年金は払ってもらいたいものです。

しかしこの曲のバックトラックの元ネタ、ジョージ・ベンソンとは...渋い。


最後に、お口直しのこの一曲。

平成の私的J-POPベスト・トラックは間違いなくこれでしょう。音色、歌詞世界、振り付けすべてが今までありそうでなかったまさに革新的ワールド。いつ聞いても心切なくさせる、0年代を代表するエヴァー・グリーンサウンドであります。



シングルバージョンなのでまさに「ポリリズム」なダンスのところはカットですが。。。
かしゆかはこの時の髪型のほうがよろしいどす。恵比寿はliquid roomでの有名な映像でした。

さて、次回はいつか?





いかんいかん、また放置しそうになってしまった。

知り合いから入手した Perfume の代々木体育館のライブ映像(WOWWOW)を観るのが忙しくて...。
「Seventh Heaven」 が泣ける ...「願い」も...

さて、今日はまずは元ネタを二つご紹介。「ロックの王様」エルビス・プレスリーと「ロックの神々」
レッド・ツェッペリン様ですよ!おお、なんという王道路線

"immigrant Song" / Led Zeppelin



しかし、今こうして観るとどこが良いんだこの曲?後半のギターソロとかまったくいらない。
弾けてねえ~。ボーカルつまんねえだろうなこの曲。

で、エルビスですよ。もはや後期の感じの奴ですね。このヒラヒラの衣装にこのアクション。
うーん、どう考えても ... ネタ?西田敏行のかくし芸?

ドーナッツ食いすぎで太ちゃった、とういうのが定説です。

"Pacth it up" / Elvis Presley


こっちの方がはるかに「音楽」している。しかしエンディングの決めポーズ...空手?

私を含めたこの地球上に数千万(?)規模でいると思われる素人ミュージシャンの皆さんにカバー
されまくりのこの方々ですが、どうあがいても本物にはなれません。
ましてや英語ノン・ネイティブな我々にとってはさらにハードルが高くなるわけでして。

いわゆる「オヤジバンド・バトル」世代にジャスト・フィットな僕なわけですが、どうなんでしょう?
自分が中高時代に夢中で追いかけたバンドを、その倍の年齢になってまでもいまだに完コピ目指して
がんばっているというのは。特にボーカリストは「イタイ」場合が多くないですか?

うーん、そこに必要なのはやっぱ確かな批評精神でしょうね。大御所たちから過剰なまでに溢れ出ている
「おバカ」を客観的に見つめ受け止め、深い愛情とリスペクトの心を持ってあえて師匠にツッコミを入れる。
そんなカバーバンドをやってみたいものです。たとえばこんな風に。

"Immigrant Song" / Dread Zeppelin


時は80年代中盤、いわゆる「ミックスチャー・ロック」が台頭し始めたころです。代表格はレッチリ
なわけですが、レッド・ツェッペリンをレゲエ風(というかよりもろファンク)にアレンジし、ボーカル
はなぜかプレスリー(のパロディ)、というこのバンドこそがこの時代の空気を一番うまく伝えていた
気がします。ちょっとインテリジェンスがあったら真面目にハードロックなんか恥ずかしくてできないし、
やっぱリズムは黒人にかなわいし、っていうか黒人にみたいになりてぇー!
というそんな時代の空気とでも言うか。

しかしギタリストのパンツ一丁にマントという格好やら、ドラムとベースに演奏の軸を置いていた重い
グルーブ、曲の後半に"War! What is it good for?" という70’sの超有名ソウル曲のフレーズ
をはさみこむところなど、そして全体のバカっぽい感じなど、どう考えても P-FUNK の手法が入っていますねえ。

ちなみにメンバーなんだかマネージャーなんだかよく役割のわかんない挙動不審な人がいますが、
これはもうJB's ショーのダニー・レイ(まあ彼は一応MCですが)でお馴染みのようにソウル・ファンク
では定番の設定ですね。

うん、いちいち細かいところまで「おバカ」を貫いているのがすばらしい!こいつらやるな!
今日の映像は昨年の Perfume 武道館ライブの模様を収めたDVDからのもの。
私も発売日にちゃんと買いに行きましたよ!ある意味ヤバイ...

昨年度の中盤のシングル "love the world" のB面(=カップリング曲)だった "edge" という
この曲。アルバム・タイトルにもなった "GAME" と共に、 Perfume を世界標準に押し上げた
超重要曲と言えるのではないでしょうか。

ポップス(Jazzやクラッシクではない、ぐらいの意味でこの用語を使っていますが)は結局のところ
歌詞、すなわち言葉が優れていないと駄目なんだ、と御大・近田春夫大先生もおっしゃっていましたが、
さすが中田ヤスタカ氏。タダモノじゃありません。

「誰だっていつかは死んでしまうんでしょう」 などという歌詞を「アイドル」に歌わせるとは。うーむ。


そしてMIKIKO先生による振り付け。この曲でその頂点を極めたと言えるでしょう。

3:16 あたりから最後まで連発するこのちょっと「狂人」っぽい動き。文字通りヤバイ。かつて
NHKのドキュメンタリー番組「映像の世紀」とかで観た Shellshock に苦しむ帰還兵の動きとそっくり
なんですよ(元ネタとかそういう意味でなく)。ゾッとしてしまいました。

Shellshock とは精神医学上の用語でしょうか?前世紀とは比較にならないほど殺戮兵器が「進歩」
した結果、とんでもない数の死傷者を生み出した第一次世界大戦後に、戦地から帰還した多くの兵士
が患った心の病のことです。(辞書的には砲弾の音を浴びつづけた結果起こる精神障害、的なことが
書いてありますよ)

武道館ライブの2曲目がこれかあ。すげー「ロック」だなあ。


で、それ以上に衝撃なのが 2:00 の「体育座り」ですね。

1万2千人近くの武道館のお客さんの前で巨大モニターに写った自分たちの姿を体育座りでご覧になる
という、掟破りのこの「振りつけ」。シュール過ぎます。Mikiko先生に降参です。

Perfume とは、あーちゃん・かしゆか・のっちの3人のことではなく、楽曲・振り付けを産み出す
2大クリエイターを含めた複合体なんだなあ、と改めて実感、の1曲でした。

昨日・今日行われた代々木体育館でのライブの模様が、きになる・きになる ...


25,6の頃かなあ。精神的にさまよっていた時があって。もうその頃は「二ール・ヤング孤独の旅路」時代に突入して7,8年経っていたのだけれど一番ダウナーな時期でした。

その頃愛聴していた作品群がこれ。

"On the beach""Tonight's the night""Live lust"(Neil Young)
"Suzanne Vega""Solitude standing"(Suzanne Vega)
"Disintegration"(The Cure)                などなど。(はあ~だめだこりゃ)

で、そんな内省的な洋楽アルバムに救いを求めていたのだけれど、やっぱ言葉がねえ、原風景がねえ違うんだなあ、って痛感するようになったのです。

抱えこんだものの大きさは奴らと同じ(と勝手に思い込み)でも、最終的なニュアンスのところが英語じゃないんだと悟り、憧れの70年代初期に、日本のバンドしかも東京のバンドを求めて色々探してみました。

時は90年代初頭、ちょうどCDによる復刻版ブームの頃でした。

「はっぴえんど」はずーっと凄い気になっていた存在だけれど、スタジオ盤でなくライブ盤CD、それもデビュー直後のまだまだ演奏・機材・録音状態などが原始的で荒削りなものばかりを集めたものに出会いました。

衝撃。日本語の歌詞がどうのこうのというよりも、なんだ!この鬱屈した歌声にズルズルなファズ・ギターは。ドコスコなドラムは止まっちまいそう。まずは音色の古さに、情念・観念先走りの音世界に感動。まさに元祖グランジ・ロック!

 「 12月の雨の日 / はっぴいえんど 」




大滝詠一・鈴木茂大先生といえば、なんかこうポップス職人でオシャレなイメージを持っていたのですが、いやあ物凄い暗いです。なんだろう、時代のせいなのかな。確かにバッファロー・スプリングフィールド(あ、二ール・ヤングがプロ・デビューしたバンドね)系の流れをくんだ世界なんだけれど、もっと暗い。「春よ来い」「12月の雨の日」「氷雨月のスケッチ」などギターのフレージングは言ってしまえばスティーブン・スティルスなんですが、渦巻く情念はより二ール寄り。なんか学生運動・あさま山荘事件・三億円事件そういった世相を彩るキーワードが浮かんで来るというか。

そんな勝手な解釈なもとに「はっぴいえんど」を聴きまくり、「はちみつぱい」やら「シュガーベイブ」を通過し...

で、三多摩人(日野市出身です)としてはこのお方は避けて通るわけには行きませんでした。

RCが物凄く流行ったのは僕が中学3年から高校入学の頃だったかな?当時は洋楽絶対主義者だったので「なんかストーンズのまねじゃん」とか「ギター下手!」とか、まあパープリンな価値観でほぼ無視していましたけどね。だから僕にとっては「雨上がりの夜空に」も「トランジスタ・ラジオ」も「青春の思い出」にはまったくリンクしていないのです。

このアルバム「シングルマン」を手に取ったのは、彼の半自伝の本(タイトル忘れた)を読み、その中で自殺した彼の友人を歌った「ヒッピーに捧ぐ」という曲があるというのを知ったからです。

青年後期の憂鬱って奴ですかねえ。破滅願望というか、うん、なんというんだろうジミヘンとかじゃない
けど27歳以上生きちゃいけない、とかそんなおバカな「美学=勘違い」に酔いしれたかったのでしょうね。そこに何かの「答え」があると思い込みそうになっていたというか。アホですねえ。まあ、とにかく「ヒッピーに捧ぐ」の圧倒的な悲しさ・美しさ・力強さは今まで聞いた日本のバンドの中でピカイチでした。やられた。

さらに言うと、彼らの歌の世界が国立とか福生だとか、自分の慣れ親しんだ(だからこそ鬱陶しい)この三多摩を背景にしているということにヘンな親近感を覚えたりもしたものです。同じ「孤独」でも、ロスでもNYでもなく三多摩での「孤独」かあ、って。

ちなみに「シングルマン」は70年代中盤の発売で全然売れず、廃盤になっていたのですね。バンドとしても一番ダウナーな時期の作品なはずです。だからこそ一番美しい。

僕にとっての清志郎師匠のベスト・トラックは「ヒッピーに捧ぐ」とこの曲に尽きます。


 「 甲州街道はもう秋なのさ / RCサクセション 」



熱心なファンではなかった僕ですがお悔やみ申し上げます。
あなたは日本で数少ない本物のソウル・マンでした! 

最後にあなたの「遺影」に向かって、あなたがステージで良く言っていたネタを捧げます! 

「Yeah!って言え!」