書評に魔法はない -25ページ目

糸山英太郎のJALの保有歴

ケンカ哲学/糸山 英太郎
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日本一の投資家であっても、世界地の投資家であっても、航空会社の投資は難しいということだ。

寡占で守られていると、企業の競争力は衰退してくる。



あらすじを書くと、(故)小佐野賢治に「糸山くん、やっぱり空はロマンだよ。君みたいな若いもんがロマンを持たなくてどうするんだ。これは日本のための投資でもあるんだよ。」と言われ、昭和53年に額面500円で株価3000円のJALを100万株購入。

衆議院議員時代に、ナンピンで1200万株購入。

これで、個人筆頭株主。

その後、7000万株まで買い、個人で始めての筆頭株主になる。

半分売却してい、現在また買い集めていて6000万株程度というのが概要。

サンタンデール銀行

COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 02月号 [雑誌]/著者不明
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今回の金融危機で最も影響を受けた国のひとつであるスペインにも関わらず、業績を伸ばしている銀行がある。
サンタンデール銀行だ。
http://www.santander.com/csgs/Satellite?accesibilidad=3&canal=CAccionistas&empr=SANCorporativo&pagename=SANCorporativo/GSDistribuidora/SC_Index

時価総額ではBNPパリバを抜き、欧州最大の銀行に成長。
規模で世界6位、収益性で世界3位。
欧州の金融業界で「最大の謎」とされている。

エミリオ・ボティン会長によると、成功の秘訣は3つ。
① 仕組みが理解できない商品は買わない。
② 自分が買わないような商品は売らない。
③ よく知らない顧客には融資しない。

サンタンデール銀行は新生銀行の発行済普通株式総数の4.98%を保有し、再建に参加した。

現在もエミリオ・ボティンは新生銀行の社外取締役
http://www.shinseibank.com/investors/common/biography/biography_botin.html

投資に魔法はない




こんな素晴らしいポリシーを持った金融機関がありました。

【書評】プライスレス 必ず得する行動経済学の法則/ウィリアム・パウンドストーン

プライスレス 必ず得する行動経済学の法則/ウィリアム・パウンドストーン
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一般的な行動経済学の本でいくつかある話も他書で見られたものも多い。
この分野にある程度通じている人は得るものはほとんどないと思う。
じゃあ、読む価値がないかというとそうでもない。

プロスペクト理論でおなじみのダニエル・カーネマンとエイモス・トヴァルスキーについてが詳しい。トヴァルスキーの話は必見です。トヴァルスキー研究については他の行動経済学の本でもあるけど彼自身の人柄や家庭、まわりの評価、カーネマンとの出会いについてなど自伝的要素の話が面白かった。
13章のカーネマンとトヴァルスキーの戦争のエピソードが面白い。

心理学者といえば研究に没頭しているのがほとんどだと思っていた。
トヴァルスキーは1956年のスエズ戦争の時、イスラエル軍落下傘部隊の小隊長だった。
その時、ひとりの兵士が有刺鉄線爆破の支持を受けた。爆薬をしかけ、ヒューズに点火したとき兵士はパニック発作を起こし体が動かなくなった。トヴァルスキーは、上官の制止する叫び声を無視し、動かなくなった兵士を安全な場所まで引きずった。
爆薬が爆裂したとき、その兵士にはカスリ傷ひとつなかった。
しかし、トヴァルスキーの体には破片がいくつも食い込み、生涯それらは残った。
これを読んだ時、こんなカッコイイ心理学者がいたのかと、感動した。

行動経済学の本としてより、トヴァルスキーやカーネマンの人となりについてがよかったです。