書評に魔法はない -22ページ目

【書評】世界経済の三賢人/チャールズ・R・モリス

世界経済の三賢人/チャールズ・R・モリス
¥1,890
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まだバフェットのところしか読んでおりません。

訳者は有賀裕子さんでこの人の訳文は読みやすい。

バフェット、ソロス、ボルカーの3人について一人当たり大体80ページほど割いている。
バフェットは年次報告書の紹介がよかった。
航空会社について
P123「最悪なのは、急成長を遂げ、成長のために資本を必要としながら、利益があるかないかそんな状態になる、そんな種類の企業です。」

バークシャー・ハサウェイで購入しているプットオプションについてはどの著書よりも詳しい。それ以外は2009年の新しい情報があるわけでもなく、バフェットについて既に知っているエピソードばかりで玄人には物足りない。

1890円はちょっと価格が高いかなという感じもする。

ある程度バフェットについての知識がある人なら、あらためて買う必要はあまりないと思う。

初めて入る人ならうまくまとまっているのでいいかもしれない。

【書評】人間の器量 福田和也

人間の器量 (新潮新書)/福田 和也
¥714
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福田和也の人物評は単なる偉人伝でないところがいい。
功成り名遂げた経営者や政治家の武勇伝は、既知だったり退屈だったりすることが多い。
人物をもっと深く知りたい人は意外な面が見れていいかもしれない。
その人の失敗やコンプレックスなどから入ってくるところがいい。
特に、あまり書かれることのない女性事情についてが興味深かった。

高橋是清は、妻と妾を同居させて芸者も買っていた。

松永安左エ門の女道楽は特にすごい。
ここまで堂々としている人はいない。
逆にその力が事業欲に転換されたから電力事業の統一ができたと言える。

【書評】|新訳|科学的管理法/フレデリック W.テイラー

|新訳|科学的管理法/フレデリック W.テイラー
¥1,680
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テイラーは経営学で一番最初に習ったのを覚えている。
作業の効率に関心を抱いたテイラーは、ストップウォッチをもって、実際に労働者たちの仕事を測定し、作業を行う効率的な方法を確立した。

「人間を機械のごとく扱っている。」と批判を受けやすいのだが、全く正反対のことが書かれている。
単なる効率偏重主義ではない。
テイラーの自伝的要素も高く、自身が出世して工場の非効率を改善していくエピソードも面白い。

「部下には、幸福心を心から願い、思いやり、温かさ、親しみを持って接するべきである。」と言っている。

科学的管理の利点
労働者には労働時間の短縮と賃金上昇プライベートの充実。
雇用者には、製品品質の向上、総コストの低下、労使間強調がもたらされる。

まさにウィンウィンな関係だ。

何に努力を注ぐのか?
もっと効率的にできないか?
今やっていることは本当に必要なのか?
そんなことを考えさせる一冊。