ハイジの退屈日記 パリ・東京 -42ページ目

精神の動脈硬化

最近、眠る直前にベッドで読んでいる本は
私が勝手に師と仰ぐ、伊丹十三先生のエッセイ。
先生の数々のエッセイ本はもう何度読んでいるか数えきれないのだが
たまに本棚から取り出して読む。

「再び女たちよ!」の中の「道筋」という章を読んでいて
ハタ!と膝をうった。
(この表現は、先生のマネです)

ハイジの退屈日記 パリ・東京


車の運転に慣れている人ほど
自分の好みの道筋というものをもっている、と。
それはあらゆる試行錯誤の末にたどりついた
「会心の作」であるゆえに、
自分の道筋に異を唱えるタクシーの運転手とからんでしまった時に芽生える
競争心や「いがみ合い」を評して、
「この場は動脈硬化におちいっている」という話し。

「道筋が変えられなくなってきたら ー
それがタクシーの道筋であれ、散歩の道筋であれ、
あるいは物事を考えたり行動したりする道筋であれですー
それが変えられなくなってきたならば、
自分が老化しつつあると考えていいと思う」


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なるほど、と思い当たるフシ大あり。

私はその夜以来、
仕事において、なかなか事が上手く運ばずに
フラストレーションを感じることがあると
「動脈硬化?、これって私の動脈硬化?!」
と自問するようになった。

よく言うじゃないの、
周りを変えようと思わず、自分が変わりなさい、とかって。
そういうのと根っこは同じかな。

やはり、どうも、
今までの経験にもとづいて物事を考えがちなのだが
世の中いろいろな考え方や見方というものがあり、
私の生きてきた狭い世界なんつーものからは
計り知れないほど。
道筋は、人によってあまりにも多種多様。

いやね、しかし、
世の中のいろいろな考え方や見方を
一つにまとめていくなんてのは
実に難しいことなんだよねえ。
仕事の経験、文化、個人のクセ等々の違い、そして皆さんの動脈硬化・・・。
全くもって、どっぷりそこで苦労するこの頃です。










酒で区切る心持ち

ワタクシの最近の週末の楽しみは
夕方からスパークリング・ワインを飲むこと。
シャンパンでないのが残念だが
そこは「分相応」ということで我慢する。

夕方、まだ日が暮れてない時分から
スパークリング・ワインを開けるのは
私には至福の時なわけで。

平日中は、とにかく早く週末になれ、早く一人になりたい、と念じているので
週末ゆっくりと、「やっと一人になれた!」「誰ともしゃべらなくて済む!」と
一人だけの時間を過ごすこの至福は
何事にも代えがたい。
土日のうち最低1日は、一人で夕方にスパークリングを楽しむ。


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このブログにおいて何度も何度も書いているとおり
(「酒」というテーマを新設しようかと思うほど)
私の人生からは酒が切り離せず、
(本当はもう少し距離をとりたいのだが)
特に週末においては
酒が自由と解放の象徴。

本日は月曜日の祝日だったのだが
スイスにある本社と電話会議をすることになってしまい
午後3時から4時半まで、
くだらない・要領の得ない会議に費やされることになった。
家にいながらできたのは良かったけどね。
途中、まじめに参加しておらず
電話を片手に洗濯物をとりこんだりしました。

昨日ひとりで飲み過ぎたため
今日は夕方のスパークリングワインを控えようかと思っていたのだが
ワタクシの貴重な週末の時間がつまらん仕事に奪われた!と
やはり飲むことに決めた。
こうやって酒でリセットして
週末を楽しんでいる、という「コンセプト」を心身で味わわないと
明日からやってらんねえ。


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私の友人は
平日は、仕事から帰宅して飲まずにはいられない、
そして、その時の彼女は
凋落した蓮っ葉な女郎が
アヘンを吸わずにはいられないかのごとく、
貪るようにワインを飲む、というから鬼気迫るではないか。

平日の仕事のストレスからの解放は、そうやって毎日果たしているので
むしろ週末は、酒を飲まずにやり過ごせるとのこと。
酒で仕事と自分の時間を区切るタイミングは、人それぞれなようで。

世の中には、仕事を仕事とも思わず
いそいそと勤しんでいる人も少しはいるだろうけどね。
そんな人も仕事終わりの酒を楽しむこともあるだろうが、
私や友人の心持ちとは、かなり違うのであろう。


















アルコール依存症の全身麻酔体験

先月、5泊6日で入院した際は
いうまでもなく、酒を一滴も飲まなかった。

これは、おそらく
私の近年18年で最高の連続禁酒記録だろう。
ちょうど18年前、阪神大震災で
ボランティア活動を1週間した際も7日間お酒を飲まなかったので
それ以来、ということで。

今回の入院をキッカケに
お酒が飲めない人に変身しちゃったりして!
と一瞬、本気で期待したのだが、
こんな酒漬けのカラダが
6日くらいで
アルコールから抜けられるはずがないんだよね。

退院2日目には一口二口のみ、
3日目にはコップ半分くらいのみ、
あれよあれよと
半月くらいで、全く元通りの飲酒量に戻ってしまった。
あっという間でした。

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アルコール摂取量が多い人は
麻酔の効きが悪い、とよく聞くじゃないの。
現に、大昔の話だが、
大酒を飲んだ翌日に
予約をとっていた歯医者にいったのだが (1から10までバカでした)
麻酔が全然効かずに
中世の拷問にあったような恐怖と激痛の体験をした。

そんなトラウマもあったもんだから
今回、手術をするにあたり、つい執刀医に聞いてしまったね、私は。
あの、私はお酒を非常によく飲むものなんですが、
麻酔の効きなど問題ないものでしょうか?
答え。
全く問題ありません、とのこと。
手術前々日に大酒を飲んだとしても大丈夫、とのこと。
(だそうなので、実際にそうさせていただきました)

全身麻酔の場合は
全く問題ないんだって。
ただし、
飲まないと震えがくるほどのアル中の方は
全身麻酔の手術中でも覚醒してしまうことがある、とのお話でした。
ああ、恐ろしや、お腹を開けている時に覚醒。
麻酔なしで歯を抜かれる、なんてものじゃない。
想像したくない!

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いやねえ、しかし、
酒飲みの発想というものは
ものごとを常に、いかなる時も、酒を中心に考えるということなんでしょう。

私が手術を無事終えて
自分の病室に戻ってきて
全身麻酔が覚めたばかりで
まだ朦朧としており、しゃべれる状態ではないものの、
人が話していることはわかる、という状態であった時

私は聞いてしまった!
夫ペーター(日本人)が看護士さんに
「妻は退院したらすぐお酒が飲めるんでしょうか?」
と尋ねていたのを!

看護士さん、さぞビックリしたでしょうね、
妻が酸素マスクをつけて、朦朧として手術室から出てきた直後に
そんなことを尋ねる夫はどのくらいいるんでしょうね、
若い看護士さんであったが
ちょっとシドロモドロした感じで
まあすぐは無理でしょうね、と答えておられました。

驚くべき酒呑み夫婦、として、あの看護士さんの記憶に刻まれたであろう。


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手術の予後は模範的に順調で
予定どおりに退院できたわけだが、
退院日の最終検査において
躊躇いながらも、私はやはり医師に聞かずにはおられなかった。

あの、飲酒は問題ないでしょうか?

医師いわく
まあ3日くらいは止めておいた方がいいですね!
本当は快気祝いで一杯いきたいところだとは思いますけどね!
と、完全に見透かしたお答えでした。

で、結果。
退院当日飲みにいって、少しお酒をなめてしまい、
翌日からは前述のとおりなので、
3日くらい止めた方がいいというのは
結局守れなかったけど
まあ、なんともなかったです。
でも肝臓にはかなり負担きてるかもね。
ただでさえ、手術に際していろんな薬を摂取したわけなので。

ま、もう、ここまできたら
毒を食らわば皿まで、といいましょうか。
とことん好きにやるしかないですわ。