ハイジの退屈日記 パリ・東京 -23ページ目

人間みな弱し

覚醒剤は、使用してはいけない。
法律違反であるということだけでなく、
なによりも、使用する本人の魂に悪そうだ。
プチ・アルコール依存症である私は、そう感じる。

覚醒剤使用が、清原のような、
スポーツ界の「大」がつくスターのケースだったりすると、
「スポーツマンシップにもとる」
「青少年に夢を与える職業なのに」
とか言われて、嘆き、非難、怒り、が増幅する。
確かにその通りで、
特に応援していた人の怒りや落胆はいかばかりかと思うし、
そして、覚醒剤使用は良くないことなのだが、
私には、お前は悪い!とは言えない。

その道一本だけでやってきたアスリートが
常に当然のように期待され、注目される中、
あそこまで昇りつめ、
立ち位置を維持する重圧を受け続けるとはどういうことなのか
私には、わかるはずがない。

だから仕方ない、ということでは断じてない。
「大スター」だから大目に見る、とか
そういうことでもない。

ただ、私には
よくわからないので
論評を繰り広げたりはできない。
ましてや批判などできない。





ベッキーもしかり。
結婚している人と付き合う、というのは
あまり褒められたことではないのかもしれないが、
恋に落ちるというケミカル・スパークの場では
そういうことも起こるでしょう。

特に恋愛においては
タブーや逆風があると燃え上がるというのは
人間のサガだし。

欲望を抑えるのは、そんなに簡単なことではない。

大体、痩せたいけど痩せられない、と言っている人が
世の中にこんなに多いのは、
止めよう、止めよう、と思っていても
酒を飲んだ後の夜中のラーメンの誘惑を断ち切れない
ポテトチップスは一袋をすべて一気食いしてしまう
水餃子より焼き餃子を選んでしまう、
なんて人が、うんと多いからではないかね。

目覚ましが鳴ってるのに、どうしても、あと5分だけと寝てしまう。
福袋をみると、条件反射で買ってしまう。
おだてられると、つい、ニヤけてしまう。

欲望や衝動に100%打ち克てる人は、ごく少ないのでは。

ベッキーは「いい子キャラ」だったから、
それっ!とばかりに
なおさら叩かれたのでしょう。

私も「いい子キャラ」は苦手だ。
でも
芸能人だからというだけで
よく知りもしないことで、
個人をネット上で攻撃する、
そんな資格が私たちにあるのだろうか?

罪なき者、石をもて打て、
などと、私はエラそうに言える立場ではないが、
そういう言葉もある、ということは知っている。

自分には「罪」を犯した記憶がなくても、
本当に潔白な人なんていない。
また、今後絶対に犯さないとどうして言えるだろう。

人間はみな弱くて、罪深い。
何がどう作用して、どちら側に転ぶかはわからない。
たまたま今はこっち側にいるだけだが、
いつ何時、あっち側にいくかはわからない。
人間がみな等しく抱えている「可能性」だ。




大スターだろうが、芸能人だろうが、
当たり前だが、ただの人間だ。

最近のSMAP騒動でも
それを、あらためて
思い知らされたばかりではないか。

このような「不祥事」に対して
何を思うかは、人それぞれで良いし、
個別の体験、複雑な事情があったりして、
「許せない」というような気持になることもあるでしょう。
皆で暖かい目で見てあげようとは言わないが、
せめて
ネットで人の悪口を言い募るのを止めようではないか。

匿名になると、急に気が大きくなるような人たちは
普段はどういう風に過ごしているんだろう。

そうやってストレスを発散しているのかもしれず
それこそが人間の弱さだが、
公共の場で個人を批判する誘惑には打ち勝ちたい、と
私は自分に言い聞かせよう。








木曜は週末前夜祭

最近、ある友人が言った言葉:

「木曜の夜は、週末の前夜祭だよね」

なあんて、言い得て妙なんでしょ!
まさしくハタ!と膝を打つような思い、
私の腑にスポッ!と落ちた。

週明けの月曜日から、金曜日の到来を待ち望み
日々をやり過ごすサラリーマンライフにおいては
木曜日について、そのような捉え方をするというのは
「目からウロコ」であった。

なるほど、そう考えれば、
一日早く、一週間の終わりがみえる。
木曜日の夜にはプチ週末気分?



しかし、それを「悪用」しようという思いが
すかさず頭をもたげる。

ええ、つまり、飲酒のことです。

節酒を始めて、2年弱が経ち
平日は酒を飲まない、という習慣が定着、
(自宅にいる時だけ、など例外はあるのだが)
自画自賛も甚だしく、よく自慢してるものの
(しかし、この偉業はなかなか理解されにくい)
やはり、その基盤はまだまだ脆弱らしい。

週末の前夜祭なんだからさ、
祝おうよ!という
悪魔の囁きにより、誘惑されているこの頃。

そして、何度が負けている・・。




というのも、実は感じていたのだよね。

月曜日の朝から、金曜日を待ちわびる日々を過ごす私にとって、
金曜日になれば、酒宴が開けるという思いを同時に抱えていると
ただでさえ、長い一週間が
気分的になおさら長く感じられているのではないか、と。

サラリーマンの「晩酌」が、昭和の昔から
勤労者のささやかな楽しみであるというのは
実に理に適っていて、
一日の終わりにその日の労働をねぎらい、
一日をリセットしているということでしょう。

一体なんで私は、こんなにストイックなのかね!?と。




だが、飲み始めると、なかなか止められない、
1、2杯でやめておくことができない、という
問題ある嗜癖に陥っている私としては、
平日は酒断ち、という「極端」な手に出ないと
もはやコントロール不能なレベルなのでしょう。

これも、アルコールの底なしスパイラルにハマった
長年にわたる飲酒癖による自業自得か、と思えば
仕方ないか・・と思っていた、その矢先に持ち込まれた、
「木曜日は週末前夜祭」というコンセプト。

じゃ、木曜日は解禁してもいいか!
というのを、落とし所にしてもよいか、と
まだまだ葛藤する気の小さいワタクシなのであった。

ああ、日暮れて途通し。
なんと果てしない、
アル依存との戦い!
これはやはり負け戦なのか!?






タイ休暇の胃腸炎と我が夫

年末年始には
例によってタイに行ったのだが
出発前日になって
ウィルス性胃腸炎にかかったことが判明した。

いわゆる「お腹の風邪」というやつですね。
流行りだったそうな。

風邪の初期症状のような頭痛や関節痛にはじまり、
とにかく腹を下す。
食欲がないわけではなかったが
うどんを食べても下痢。
おかゆを食べても下痢。
旅というのは飲食も楽しみの1つだというのに、
なんという恨めしいタイミング。




バンコクに先に到着していた夫ペーター(在フランス日本人)は
私が体調が悪いことを知って
早朝に空港に迎えにきてくれたのは良いのだが、
発した第一声からイヤな予感が。
「なに、風邪だってえ~?ボロボロじゃない~、頭ボサボサだよ~!」
一応、軽くメイクもして、整えたつもりだった私。

そして、
「絶対カゼうつさないでね、
ぼく、治ったばかりなんだから!」

世の中には、2種類の人間がいる、ということがわかっている。
カゼをひいたんです、と言うと、
「まあ、お大事に!」というトーンの人。
「うつさないで!」というトーンの人。

前者は、礼儀を優先し、思いやりを示せる人。
後者は、正直ではあるが、自己チューな人。
一般社会では、後者の数は少ない。

我が夫は後者である。




私のウィルス性胃腸炎は、不幸中の幸いで
頭痛や関節痛はわりとすぐに治り、
吐き気はなく、腹下しだけに集約された。
口も聞きたくないほどグッタリ不調なわけではなく、
一見、普通に振る舞える。
ただし、お腹は痛いし、だるい。

私はどちらかというと、
「前者」のタイプなので(自己申告)、
一緒にいる夫の休暇を台無しにしたくはないし、
私に気にせず、楽しく過ごしてほしい、という気持があり、
つとめて元気に見せていたということはある。

初日、ホテルにチェックインすると、
今日だけは私は一日部屋で寝ていることにする、
でも私に気にせずに、プールやビーチに行って楽しんで、と伝える。
夫は実際、そのようにし、
それが私にとっても有難いことであったのだが。
だが。

しばらく私が寝ていると、
プールサイドから戻ってきた夫が、
「ロゼワイン飲もうかな!」と言って
フランスから直輸入したワインを開けた。

私はお腹が痛いし、さすがに酒は飲みたくないし、
彼がそのように、いつものように楽しんでいてくれた方がずっと良い。

しかし、これって、どうなんですか?

彼は、これまたフランスから直輸入したパテの瓶を取り出し、
わざわざ、寝ている私の側までやってきて、
耳元でわざと、その瓶を「プン!」(真空が解けた音)と開ける。

そして、また、小粒のチョコレートが入った袋を、
猫に向けて行うがごとく、
私の耳元で、カサカサカサカサ、と振る。

お前は、小学生か!!




また、その夜、近所の海鮮レストランに行ったとき。

私はおかゆをオーダーし、
(それさえトイレはどこにあるかチェックしてから、という状態)
夫は、大好きなツブ貝の料理やらを頼み、
ワインを飲んで、ご満悦。
それは全然よかったのだが、
「貝、一個食べる?おかゆにいれれば?」とのたまう。

腹下しに、貝。
それは考えうる限り、最悪のコンビではないか。
想像しただけで、お腹がさらに痛くなる。

ただし、夫の考えでは、
貝もおかゆの中で温めればよいかも、ということだったらしい・・。

自分だけ楽しく食べてるのも悪いかと、
彼なりに気を遣ったということらしい。




私はといえば、
こんな夫であっても、この風邪をうつさないよう、
トイレに行く際は、自室ではなく、
わざわざエレベーターでロビー階に降りて、
そこのトイレを使い、
外科医のごとく石鹸で手を綿密に洗う。

しかし夜中に自室のトイレに行くこともあろうかと、
塩素入りのトイレクレンザーを買ってきてもらい、
トイレだけでなく、うがいした後のシンクでさえ
そのクレンザーで洗う、という徹底ぶり。

もちろんタオルや飲み物のグラスも
間違えて夫と共用しないよう注意。
「絶対うつされなたくない」彼も、
これに関しては神経質になって、イチイチ聞いてくる。

実は、これは有難かった。
いつも、「私のタオル」「私のグラス」を
無造作に使われるのはイヤだったんだよねえ~。



そんなこんなではありましたが、
ウィルス性胃腸炎は毎日少しづつ改善し、
6日目には、かなり通常どおりの食事ができるようになった。
冷えた生ビール飲んでも大丈夫。

滞在の最後の日には、
生牡蠣を食べるに至ったので、全快といえましょう。

大好きな激辛のタイのサラダやトムヤムクンは止めといだが、
生牡蠣を食べたくらいなら、全然問題なかったのだろうね。



ところで、西洋社会の定説、「下痢にはコカコーラ」。
これって本当に科学的根拠があるんでしょうかね。

私も約30年前にアメリカにいた時に医者に言われたし、
その後ドイツに住んでいた時にも同様だった。
在フランス約30年の夫ペーターもフランスの医者に言われるとして
このコーラ信奉に従っている。

ネットで調べたが、
現在の日本語のサイトで下痢にコーラ、という説が
医療従事者に支持されているということはなさそう。

コカ・コーラに世界的な威力があるとしても
こんな多くの欧米の医者たちに影響を及ぼすというのは
まともな実績を伴っているからだろうとも思いたいが、
これはプラシーボというやつだろうかね。

ともかくも、夫は
朝からいきなりコーラを飲んでいたっけ。
水を飲めば、という私に対して、
いや、コーラがよい、と厳粛にのたまうのは、
罹患者(私)と一晩同じ部屋にいたので、
コーラでウィルスを殺菌しうる、と思ったのであろう。




この夫ペーターは
笑いを常に提供してくれる、
私の人生にはかけがえのない人物です。

ちなみに、彼は感染せず、
今日現在、パリで元気にやってます。