【第14話】 どんぐり林で帽子踏み

どんぐりの帽子は踏むととてもいい音がします。
ボクは目をつむり、うっとり音色を楽しみながら踏んでいました。
すると突然肩にものすごい衝撃が走り、吹っ飛ばされてしまいました。
目を開けるとそこにはクマの子がいて、一言
「急いでいたのですいません」と言い、走り去って行きました。

ボクはすこしムッとしました。
でも目をつむって歩いている自分も悪いのだからと、体に付いた土をはらいながら思っていると
何か指先に引っ付いている事に気づきました。ふと見てみると、それは葉っぱタニシでした。
さっきぶつかった時に付いたのかもしれません。

ボクは葉っぱタニシを取ろうと、引っ張ってみましたが全然取れる気配がありません。
あまり無理に引っ張って潰してしまうのも可哀想なので、しばらく放っておくことにしました。
しかし葉っぱタニシは1週間たっても2週間たっても指先から離れようとはしませんでした。
どこへ行くにもいっしょです。最近では旅の仲間とさえ思えるようになってきました。
ある夜、明日で丁度1ヶ月だなぁと空を見ながら思いました。

翌朝目を覚ますと、指先には葉っぱタニシの姿はありませんでした。
今日で知り合って丁度1ヶ月だったのに…
ボクは「さよなら」も言えずに別れてしまったことに寂しさを覚えました。
もともと「こんにちは」から始まった出会いでもなかったので、
しょうがないと言えばしょうがないのですが…
しみじみと葉っぱタニシが付いていた指先を見つめると、そこにはキラリと光るものが
ありました。
よく見てみるとそれは一粒の砂金でした。
葉っぱタニシなりに何か思うところがあったのかもしれません。

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【第13話】 げぶちょ会議に参加しよう
おやおや、今日はみなさんお昼寝中です。
ひとり目を覚ましたミルカボちゃんは、森の中へと散歩に出かけました。

葉っぱをかきわけ中へ入って行くと、どこからともなく声が聞こえてきます。
ミルカボちゃんは声のする方へ向かいました。
しばらく歩いていると森の広場へ到着。そこにはたくさんのげぶちょたちが集まっていました。
先頭にいるげぶちょ大王が大きな声で「げぶちょっ!」と叫んでいます。
たくさんのげぶちょたちも大きな声で「げぶちょっ!」と繰り返し叫びます。

それを見たミルカボちゃん、何を思ったのか、げぶちょの列へと入っていき、
みんなといっしょになって「げぶちょっ!」と叫び始めました。

一方、その頃のボクたちはというと、ミルカボちゃんがいなくなった事に気づき、
慌てふためいていました。しかし大きな声が聞こえてくるので、森の中だと分かりました。
すぐさま森へ入り、ミルカボちゃんを発見!!
ボクはげぶちょたちをかき分けミルカボちゃんを抱き上げました。
すると突然の乱入にすっかりテンションが下がってしまったらしく、げぶちょ大王は
ヘソを曲げてしまいました。

ボクは平謝りしましたが、結局その日げぶちょ大王のテンションが戻ることはありませんでした。
ごめんね大王。
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【第12話】 虹おじさん
「虹? ええ出ますよ。」
おじさんはそういって水道の蛇口から虹をジャージャーと無造作に
出しはじめました。

虹ってもっと神秘的なものだと思っていましたが、ここではどうやら
そうでもないみたいです。
こんにちは。ボクたちは今、キャベツ山脈のふもとに来ています。

おじさんは虹で育てたキャベツを半分ちぎり、片方をボクたちにくれました。
いったいどんな味がするんだろう?
ボクたちはワクワクしながらキャベツを口に入れました。
その歯触りはシャキシャキとしていてみずみずしく、口の中が虹でいっぱいになりました。
ハァ~と息を吐くと、かすかに虹が架かります。

それを見ていたおじさんは、ニコニコと笑みを浮かべながらキャベツを一口かじり、
ポッポッポッと口で輪を作るように息を吐きました。
すると虹の輪っかが澄んだ山脈の空にポッポッポッと浮かんでいきます。

ボクたちは感動しておじさんに虹の輪っかの作り方を教えてもらいましたが、
なかなか上手には出来ませんでした。
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【第11話】 ひざこぞうのキラキラ
ボクは焦燥感にかられて夜空の下を走りまわっていました。
いったい白いたまふんはどこへいってしまったんだろう。
気ばかり焦っていたら石につまずき転んでしまいました。

傷口を押さえてうずくまっていると、どこからともなくかさぶた虫がやってきました。
(かさぶた虫とは、自らの命と引き換えにかさぶたになってケガを直してくれる
心やさしい治癒虫です。)

でもボクはこの夜だけはこのままにしておいてほしいとかさぶた虫にお願いしました。
ひざこぞうから溢れ出るキラキラは夜空をかけのぼり、より一層輝きを増していきます。

ボクたちはその夜、ずっと夜空のキラキラを眺めていました。

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