フラクセルとブリッジセラピー | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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当クリニックには、2台のフラクショナルレーザーがあります。

フラクセル リストア デュアル(フラクセル3)と、アンコア(ブリッジセラピー)です。

最大の違いは、アブレイティブか否か、つまり、皮膚を削って蒸散させるタイプか、そうではないかということです。


そもそもフラクショナルレーザーとは何かですが、ものすごくざっくり言いますと、人為的に、跡が残らない程度にコントロールした微小な傷を、多数皮膚に作り、創傷治癒(傷が治る)過程を利用して、肌をキレイにすることを目的としたレーザーです。にきび痕の治療に関しては、このフラクショナルレーザー治療が現在ではメインです。


それで、フラクセルの方は、その傷が皮膚の剥離を伴わないもので、アンコアはそれを伴うのです。

この2種のレーザは上記のような違いがあるものの、概念は非常に似通っています。

まず、両者とも、2種のレーザーを搭載しています。

ですから、治療オプションも、単体と組み合わせの計3種あります。

2種のレーザーの特性もよく似ています。

一つは、ビーム径が細く、深く到達するレーザー

もう一つは、ビーム径が太く、浅い部分に作用するレーザーです。

前者は、フラクセルの場合、波長1550nmのレーザー 、アンコアの場合、DeepFxです。

後者は、それぞれ、波長1927nmのレーザー、ActiveFxとなります。
(フラクセルの場合は、通称というものがありません)

同時に行う場合、ブリッジセラピーの場合、TotalFxといいます。


患者さんとしては、「どちらがより効果的か」が最大の関心事です。

しかし、単純に、炭酸ガスフラクショナルレーザーであるブリッジセラピーの方が効果が高いとは言えないのです。

たとえば、にきび痕治療の場合、1927nmレーザーやActiveFxを単体で使うことは、通常ありませんので、フラクセルの、1550、1550+1927と、ブリッジセラピーのDeepFx、TotalFxの4つを比較します。

一般的に効果が高い順に

TotalFx>1550+1927>>DeepFx>1550

となります。

ダウンタイムもこの順番にハードとなります。

特に、前二者は、人間の眼にはっきり見えるカサブタが5日間生じますので、スケジュールを十分考える必要があります。

また、レーザー治療の経験が浅い人は、いきなりTotalFxは厳しいので、フラクセルやその他の治療から入ることが多いですね。

以上は、非常に大まかな説明です。

患者さんの事情や症状に応じて、細かく設定し、場合によっては組み合わせることもございます。

ですから、「強い治療がいいから、TotalFxを受けたい」というのは、失礼ながら短絡しすぎです。

また、これらの治療は、片方をやったら、ずーっとそちらをやらなければならない、ということはありませんので、お仕事の事情を考慮して、治療手段・強度の調整までオーダーメイドの治療を行っています。



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