<22nd Sept Sun>

今夜はドン・ジョヴァンニに行ってたのですが、今月後半は忙しいなあと思ったら、16日から30日まででオペラ6回、コンサート3回、飲み会2回、マスタークラスとトーク各1回で計13回。これは楽しいから全然平気なんですが、仕事が忙しくてフルに働く日がほとんどの上、この年で新しいシステムを覚えなくちゃいけなくて、頭ズキズキショック!  でも、また明日から頑張りましょう。こないだの健康診断で問題なしと言ってもらえたし。

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マスネのウェルテル、既にリハーサルは行ってますが(→こちら)、9月17日の初日も行きました(10月もう一回行きます)。

 

ゲーテの若きウェルテルの悩みですが、婚約者がいる女性に惚れて、彼女が結婚してもつきまとい、それでも思いが叶えられないので自殺するという自分勝手なストーカー男の話ガックリ。大昔に本で読んで感激したけど、オペラでは表面しかなぞれないので共感は難しいです。音楽は甘くて美しくてわかりやすいし、素直なプロダクションで最後の雪のシーンは情緒あり。

 

 

Music Jules Massenet

Libretto Édouard Blau and Paul Milliet

Director Benoît Jacquot

Set designer Charles Edwards

Costume designer Christian Gasc 

Lighting designer Charles Edwards

 

Conductor Edward Gardner

Werther Juan Diego Flórez

Albert Jacques Imbrailo

Charlotte Isabel Leonard

Sophie Heather Engebretson

The Bailli Alastair Miles

Schmidt Vincent Ordonneau

Johann Michael Mofidian

Käthchen Stephanie Wake-Edwardsx

Brühlmann ByeongMin Gil

 

 

レビューはこちらですが(クリックで記事に飛びます)、まあこんなものでしょう。私の評価は3.5星かな。

Broadway World ★★★★ The Arts Desk ★★★★ Financial Times ★★★★ The Telegraph ★★★ The Stage ★★★ Bachtrack ★★★ The Guardian ★★★ Classical Source ★★★

 

 

過去記事はこちら。 このプロダクションでこれが2度目のリバイバル。

2011年5月 初日 Rヴィラソン、Sコッホ、中村恵理

2011年5月 Rヴィラソン、Sコッホ、中村恵理

2016年6月  Vグリゴーロ、Jディドナート、Eエンゲルベストン

 

    

 

フローレスも含めた3人のウエルテルを比べると、この役はキャラ的にも歌唱的にもそりゃあグリゴーロが断トツでベスト。声が潰れた後のヴィラソンは問題外として、この役ではフローレスにとっては良さが出ず、声量等の欠点ばかりが出てしまって損だと思うんですけどね。それでもそりゃフローレスですから素晴らしいと思う人もいるでしょうが、それは他の役の彼を知らないからで、やっぱり彼はロッシーニやベリーニ等のベルカント物ですよ。 9月19日のROHのトーク・イベントでも彼自身が言ってたようにロッシーニは特化してるわけで、それをあそこまで極めたフローレスは知られてない作品を発掘して世に出す義務があるのでは? 去年夏にロッシーニ・フェスティバルで歌ってくれて感激したリッチャルドとゾライデ(→こちら)みたいにね。

先週のトークで言ってたように、ウィーンに住んでる彼は家族と一緒に過ごす時間を大切にするためになるべくウィーンやチューリッヒとかの近くで歌いたいという希望だそうなので、それらの歌劇場がフローレスありきのオペラを企画してくれるかどうかの問題ですが、彼が主張すれば通るかもしれないし、観客も喜ぶこと間違いなし。

因みに、トークで彼が漏らしたところ、来年(ROH来シーズンってことかな)、ホフマン物語をやる予定ですって。うーん・・。きっと新プロダクションにするんでしょうね。 古いプロダクション、豪華で大好きだったので捨てて欲しくないのに・・。やっぱりロッシーニ・フェスティバルに又行かなくちゃ、かも。

 

 

シャルロットは、3人とも上手ですが、ルックスも加味するとソフィー・コッホと今回のイサベル・レナードが同じ位好き。ディドナートは聞き飽きたし、しっとりしたエレガントさ不足。

 

初日は妹ソフィ役のヘザー・エンゲルベストンが絶好調。よく通る声で彼女が出て来るとぱっと華やかに。一人ではしゃいで話の腰折るし、「お前は邪魔だ、しっ、しっ?」と思われるウザい役なのに、彼女が楽しみでした。中村恵理さんも悪くなかったけど。

 

アルバート役は誰がやっても好感もてる得な役。なので以前は誰だったのかすらメモしてないけど、今回のジャック・インブレイロもそれなりに良くて、こないだのビリー・バッドよりも向いてるかも。

 

指揮者は元ENO監督のエドワード・ガードナー。すっかり白髪になったけど、まだハンサム。16日のイエスティン君のコンサートでトランペット吹いた美女アリソン・バルサムの元夫。でも、もっとうんとオケを小さい音に押さえて欲しかった。フローレスの声が聞えないじゃん。