2級FP試験強化論点・損害保険の税務
2023年9月2級学科問18損害保険の税務
個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.業務中のケガで入院したことにより契約者が受け取る傷害保険の入院保険金は、非課税となる。
2.契約者が不慮の事故で死亡したことにより契約者の配偶者が受け取る傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
3.被保険自動車を運転中に自損事故を起こしたことにより契約者が受け取る自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしない場合、所得税の課税対象となる。
4.自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。
損害保険の税務
1○
保険を掛けていた人が建物の焼失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には原則として課税されません。
2○
契約者が不慮の事故で死亡したことによりその配偶者が受け取る普通傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となります。
3×
被保険自動車を運転中に自損事故を起こしたことにより契約者が受け取る自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をするしない関係なく非課税になります。
4○
自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となります。
【正解】3
2023年5月2級学科問18損害保険等の税務
個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険等の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.病気で入院したことにより契約者が所得補償保険から受け取る保険金は、所得税の課税対象となる。
2.水災で家財に損害が生じたことにより契約者が火災保険から受け取る保険金は、その保険金で新たに同等の家財を購入しない場合、所得税の課税対象となる。
3.契約者が被保険自動車の運転中の交通事故により死亡し、契約者の配偶者が自動車保険の搭乗者傷害保険から受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
4.自宅建物が全焼したことにより契約者が火災保険から受け取る保険金の額が、当該建物の時価額より多い場合、保険金の額と当該建物の時価額との差額が所得税の課税対象となる。
損害保険等の税務
1×
病気で入院したことにより契約者が所得補償保険から受け取る保険金は、非課税になります。
2×
保険を掛けていた人が建物の焼失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には、原則として課税されません。
3○
契約者が不慮の事故で死亡したことによりその配偶者が受け取る自動車保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となります。
4×
保険を掛けていた人が建物の焼失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には、原則として課税されません。
火災保険は火災や自然災害などで受けた損害を穴埋めするものなので、保険金の受け取りによって利益は生じていないため非課税となります。
【正解】3
2023年1月2級学科問19 圧縮記帳
法人が所有する建物等を対象とした火災保険から受け取る保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、契約している火災保険の契約者(=保険料負担者)および保険金受取人は法人であるものとする。
1.工場建物および建物内に収容されている機械が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、焼失前と同様の工場建物および同一の機械を新たに取得した場合、当該工場建物・機械ともに圧縮記帳の対象となる。
2.工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、その滅失した工場建物と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合、当該倉庫建物は圧縮記帳の対象とならない。
3.工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、当該工場建物が滅失等をしたときにおいて現に建設中であった他の工場建物を完成させた場合、完成後の工場建物は圧縮記帳の対象となる。
4.保険金で取得した代替資産の圧縮限度額を算出する際、「所有固定資産の滅失または損壊により支出する経費」には、ケガ人に対する見舞金を含めることができる。
圧縮記帳
1○
法人が所有する建物が火災で焼失し、受け取った火災保険金で同一事業年度内に代替の建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められます。
圧縮記帳をすることによってその年の税負担は少なくなりますが、その後の税負担は増加します。
2×
工場建物が全焼し、同一事業年度中に受け取った火災保険金で、その滅失した工場建物と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合、当該倉庫建物は圧縮記帳の対象となります。
3×
圧縮記帳の対象者または対象物は、一定の要件に該当する固定資産を取得、資産の改良、または代替資産の交付を受けた法人になります。
現に建設中であった他の工場建物は代替資産には該当しないので、圧縮記帳の対象にはなりません。
4×
滅失等により支出した経費の範囲には、その滅失等があった所有固定資産の取壊費、焼跡の整理費、消防費等のように当該所有固定資産の滅失等に直接関連して支出される経費が含まれます。
類焼者に対する賠償金、けが人への見舞金、被災者への弔慰金等のように当該所有固定資産の滅失等に直接関連しない経費はこれに含まれないとされています。
【正解】 1
2022年5月2級学科問18 損害保険契約の経理処理
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.火災により倉庫を焼失するリスクに備えて、保険期間5年の火災保険に加入し、5年分の保険料を一括で支払った場合、その事業年度に、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
2.業務中の事故によりケガを負うリスクに備えて、すべての役員・従業員を被保険者および保険金受取人とする普通傷害保険に加入した場合、その支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
3.法人が所有する業務用自動車が交通事故で損壊し、法人が受け取った自動車保険の車両保険の保険金で修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、当該修理費を損金の額に算入することができる。
4.積立傷害保険が満期を迎え、法人が満期返戻金と契約者配当金を受け取った場合、その全額を益金の額に算入し、資産に計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
損害保険契約の経理処理
1×
5年分の保険料を一括で支払った場合でも、その事業年度に支払った保険料分しか損金の額に算入することができません。
2○
被保険者が役員を含む全従業員の場合、支払った保険料は福利厚生費として損金処理できます。
3○
その通り。
4○
法人が積立型の傷害保険や火災保険の満期返戻金を受け取った場合、満期返戻金は益金に計上し、同時に満期時点で資産に計上されている積立保険料は損金に算入します。
【正解】1
2022年1月2級学科問18 損害保険の税務
個人を契約者(=保険料負担者)および被保険者とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.契約者である被保険者が不慮の事故で死亡し、その配偶者が受け取った傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
2.自損事故で被保険自動車である自家用車を損壊して受け取った自動車保険の車両保険金は、当該車両の修理をしなくとも、非課税となる。
3.自宅の建物と家財を対象とした火災保険に地震保険を付帯して加入した場合、火災保険と地震保険の保険料の合計額が地震保険料控除の対象となる。
4.2021年10月に加入した所得補償保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。
損害保険の税務
1○
契約者(=保険料負担者)および被保険者が同一で、保険金受取人が異なる場合は、受け取った死亡保険金は相続税の課税対象となります。
2○
自動車保険の保険金は非課税になります。車両の修理をするかしないかは本人の自由です。
3×
自宅の建物と家財を対象とした火災保険に地震保険を付帯して加入した場合、地震保険料控除の対象となるのは地震保険の保険料のみとなります。
4○
所得補償保険は、疾病又は身体の傷害等により保険金が支払われる保険契約に該当するので、介護医療保険料として生命保険料控除の対象となります。
【正解】3
2021年9月2級学科問18 損害保険の税務
契約者(=保険料負担者)を個人とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.契約者が一時金で受け取る積立普通傷害保険の満期返戻金は、一時所得として課税対象となる。
2.居住用建物と家財を保険の対象とする火災保険に地震保険を付帯して契約した場合、火災保険料と地震保険料を合算した金額が地震保険料控除の対象となる。
3.契約者がケガで入院したために受け取る普通傷害保険の入院保険金は、雑所得として課税対象となる。
4.自動車事故で被保険自動車が損壊したために受け取る自動車保険の車両保険の保険金は、当該自動車を修理しなかった場合、雑所得として課税対象となる。
損害保険の税務
1○
契約者が一時金で受け取る積立型の傷害保険の満期返戻金は、支払った保険料より利益が出るので一時所得として課税対象となります。
2×
居住用建物と家財を保険の対象とする火災保険に地震保険を付帯して契約した場合、地震保険料控除の対象となるのは地震保険料の部分だけになります。
3×
入院・手術・通院・診断等の身体の傷害に基因にして支払われる給付金は非課税になります。
4×
自動車事故で被保険自動車が損壊したために受け取る自動車保険の車両保険の保険金は原則非課税なので、修理をしない場合や修理費が下回った場合でもその差額には課税されません。
【正解】1
2021年5月2級学科問18 損害保険契約の経理処理
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払保険料の全額を損金の額に算入することができる。
2.積立火災保険の満期返戻金と契約者配当金を法人が受け取った場合、いずれもその2分の1相当額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入することができる。
3.法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険の保険金で同一事業年度内に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。
4.業務中の事故で従業員が死亡し、普通傷害保険の死亡保険金が保険会社から従業員の遺族へ直接支払われた場合、法人は死亡保険金相当額を死亡退職金として損金の額に算入することができる。
損害保険契約の経理処理
1○
被保険者が役員を含む全従業員の場合、支払った保険料は福利厚生費として損金処理できます。
2×
積立型の傷害保険や火災保険では、支払保険料のうち積立部分は満期・解約時までは資産計上します。満期時には、受け取った満期返戻金と契約者配当金の全額を益金に算入し、資産計上していた積立部分は損金に算入します。
3×
法人がその有する固定資産の滅失又は損壊により、保険金等で同一年度内に代替の固定資産を取得した場合、その固定資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理することにより減額するなど一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます。
自動車保険の車両保険金や火災保険について適用されます。
4×
法人は保険金を受け取らないので保険金に関して経理処理する必要はありません。
【正解】1
2021年1月2級学科問18 損害保険の税務
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.2020年4月に加入した所得補償保険の保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。
2.2020年4月に住宅用建物および家財を保険の対象とする火災保険に地震保険を付帯して加入した場合、地震保険に係る保険料のみが地震保険料控除の対象となる。
3.契約者と被保険者が同一人である自動車保険の人身傷害(補償)保険において、被保険者が自動車事故で死亡した場合、その遺族が受け取った死亡保険金は、過失割合にかかわらず、その全額が非課税となる。
4.契約者の配偶者が不慮の事故で死亡したことにより、契約者が受け取った家族傷害保険の死亡保険金は、一時所得として課税の対象となる。
損害保険の税務
1○
介護医療保険料控除の対象となる契約は、平成24年1月1日以後に契約した医療保険、医療費用保険、がん保険、介護保障保険、介護費用保険等が該当します。病気やけがで就労不能になった時に受け取れる所得補償保険も対象になります。
2○
地震保険料控除の対象は、地震保険に係る保険料のみになります。
3×
契約者と被保険者が同一人で保険金の受け取りが遺族の場合、その遺族が受け取った死亡保険金は、相続税の課税対象となります。
4○
自分で保険料を負担してその保険金の受け取りが本人の場合は、一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。
【正解】3
2020年9月2級学科問18 損害保険の課税関係
個人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.自宅建物を保険の対象とする火災保険に地震保険を付帯して契約した場合、火災保険料と地震保険料の合計額が地震保険料控除の対象となる。
2.自宅建物が水災で損害を被ったことにより契約者が火災保険から受け取った保険金は、一時所得として課税対象となる。
3.被保険自動車を運転中に自損事故を起こした契約者が自動車保険の車両保険から受け取った保険金は、その自動車の修理をしない場合、一時所得として課税対象となる。
4.契約者を被保険者とする普通傷害保険において、被保険者が業務中の事故で死亡して配偶者が受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
損害保険の課税関係
1×
地震保険料控除の対象は、特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料または掛金のみになります。
2×
保険を掛けていた人が建物の焼失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には、原則として課税されません。
3×
自動車保険の車両保険から受け取った保険金は、原則として非課税です。よって保険金を修理費に使わなくても課税されることはありません。
4○
契約者と被保険者が同一で、死亡保険金の受け取りが違う場合は、相続税の課税対象となります。
【正解】4
2020年1月2級学科問18損害保険の保険料や保険金の経理処理
法人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険の保険料や保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.すべての役員・従業員を被保険者とする普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
2.すべての役員・従業員を被保険者とする積立普通傷害保険を契約した場合、支払った保険料の全額を損金の額に算入することができる。
3.法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。
4.法人が所有する倉庫建物が火災で焼失し、受け取った火災保険の保険金で同一事業年度内に代替の倉庫建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。
損害保険の保険料や保険金の経理処理
1○
被保険者が役員を含む全従業員の場合、支払った保険料は福利厚生費として損金処理できます。
2×
積立型の傷害保険や火災保険では、支払保険料のうち積立部分は満期・解約時までは資産計上します。満期時には、受け取った満期返戻金と契約者配当金の全額を益金に算入し、資産計上していた積立部分は損金に算入します。
3○
法人は保険金を受け取らないので保険金に関して経理処理する必要はありません。
4○
法人がその有する固定資産の滅失又は損壊により、保険金等で同一年度内に代替の固定資産を取得した場合、その固定資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理することにより減額するなど一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます。
自動車保険の車両保険金や火災保険について適用されます。
【正解】2
2019年9月2級学科問18損害保険契約の経理処理
契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.すべての従業員を被保険者とする普通傷害保険を契約する場合、保険料は全額を損金の額に算入する。
2.積立火災保険の満期返戻金を法人が受け取った場合、受け取った全額を益金の額に算入し、それまで資産計上していた積立保険料の累計額を損金の額に算入する。
3.法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理しなければならない。
4.法人が所有する建物が火災で焼失し、受け取った火災保険の保険金で同一事業年度に代替の建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められる。
損害保険契約の経理処理
1○
被保険者が役員を含む全従業員の場合、支払った保険料は福利厚生費として損金処理します。
2○
法人が積立型の傷害保険や火災保険の満期返戻金を受け取った場合、満期返戻金は益金に計上し、同時に満期時点で資産に計上されている積立保険料は損金に算入します。
3×
法人は保険金を受け取らないので保険金に関して経理処理する必要はありません。
4○
法人が所有する建物が火災で焼失し、受け取った火災保険金で同一事業年度内に代替の建物を取得した場合、所定の要件に基づき圧縮記帳が認められます。
圧縮記帳をすることによってその年の税負担は少なくなりますが、その後の税負担は増加します。
【正解】3
2019年1月2級学科問18 損害保険の税務
契約者(=保険料負担者)を個人とする損害保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.配偶者が不慮の事故で死亡したことにより契約者が受け取る家族傷害保険の死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
2.自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となる。
3.契約者が受け取る年金払積立傷害保険の年金は、雑所得として課税対象となる。
4.契約者が一時金で受け取る積立普通傷害保険の満期返戻金は、一時所得として課税対象となる。
損害保険の税務
1×
家族傷害保険の死亡保険金は、非課税になります。
2○
自宅が火災で焼失したことにより契約者が受け取る火災保険の保険金は、非課税となります。
3○
毎年受け取る年金は雑所得として課税されます。
4○
傷害保険で保険金受取人が保険料を負担している場合、死亡保険金や満期返戻金には一時所得がかかります。
【正解】1