ポール・マッカートニー 語録 ニッキー・ホプキンズの映画監督オフィシャルインタビュー | ポール・マッカートニー 語録

ポール・マッカートニー 語録

Paul McCartney In His Own Words

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ニッキー・ホプキンズ
ローリング・ストーンズ、ビートルズ、ジェフ・ベックに

愛された男

 

伝説のセッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンズの

軌跡を、時代とともに振り返る音楽ドキュメンタリー。1960年初頭、16歳のときにロンドンの名門・王立音楽アカデミーを自主退学し、サヴェージズのピアニストとしてキャリアをスタート。以降、30年にわたりロックンロール黄金期のミュージック・

シーンで欠かせない存在に。50歳の若さで逝去するまで

携わったアルバムは250以上、しかも今日に至るまで

演奏される名曲の数々に圧倒される。

 

キース・リチャーズ、ミック・ジャガーをはじめ、

多くのミュージシャンがニッキーの天才的な演奏、

才能溢れる音楽センスを絶賛。

ロックンロール、ブギウギ、ブルースと様々なスタイルを弾け、彼が手を加えると曲の幅が広がり、平凡な楽曲が特別なものに

なると証言する。本作では、ザ・ローリング・ストーンズ、

ビートルズ、ザ・フーなど60~70年代のロックシーンを牽引

した伝説のバンドや、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックらがこぞってニッキーを指名してきた理由を

改めて検証。ニッキーの才能を高く評価する音楽プロデューサー

、ともに活動してきたミュージシャン仲間らが彼の才能豊かな

音楽性を語るほか、1963年にクーロン病と診断され、

生涯にわたる闘病生活を強いられた実態にも迫る。

 

ニッキー自身のインタビュー、コンサートや録音スタジオでの

演奏風景、参加したバンドやミュージシャンとの写真や

アーカイブ映像など、ロック史を辿る貴重な資料も多数収録。

まさに、ロック史上においてニッキーは極めて重要な

セッションマンの一人であり、彼が名曲に与えてきた

影響の大きさを知ることになるだろう。

 

この度、公開を前に、マイケル・トゥーリン監督の

オフィシャルインタビューが届きましたので、ご紹介。

 

オフィシャルインタビュー


Q:まずプロモーションビデオを撮影したそうですが、

これに出演したのはどなたですか?

 

A:クリス・キムジーをインタビューし、彼が(1962年から

1993年までザ・ローリング・ストーンズのベーシストだった)ビル・ワイマンに繋いでくれました。ビル・ワイマンは(レコードプロデューサーの)グリン・ジョンズと共に来ました。また、ニッキーの伝記を執筆したジュリアン・ドーソンにも連絡を

取りました。そして、ちょうどロンドンに滞在していた

ハリー・シーラー(SPIINAL TAP)が、インタビュー撮影の話を聞きつけ、「インタビューを受けられないか」と言ってきました。我々としては大歓迎でした。そうして固めていったんです。

 

その後、私の友人のとても優秀な映画編集者に声をかけ、

きちんとしたプロフェッショナルなプロモーションビデオが

出来上がりました。そこで、資金集めを始めました。

それが2020年に入った頃で、コロナ禍に見舞われ、

何もかもがしばしの間停止しました。

 

Q:プロモーションビデオは、何のために作ったんですか?

 

A:目的は二つありました。まずは、スタジオの関心を引くことです。たとえば、AmazonやNetflix、BBC、Sky Artsなどの

スタジオに参加してもらいたかったのです。しかし、反応は

否定的でした。ニッキー・ホプキンズの知名度が低かったからで、彼らは彼について知りませんでした。


同時に、後に映画に出演してくれた多くのミュージシャンたちにも送りました。「何についての映画?ニッキー・ホプキンズか、素晴らしい。彼の作品は大好きだ」と言われて、プロモーションビデオを送ると、ミュージシャンたちはそれを見て、これは

プロが手掛けるものだとすぐに察してくれ、「出演しましょう」と言ってもらえました。

 

ザ・キンクスのレイ・デイヴィスは、確か2、3年間誰とも会わず、自己隔離をしていました。そのため、私たちは彼に会うことができませんでしたが、その弟であるデイヴ・デイヴィスに接触することができました。そこからは、まるでドミノ、というと伝わるでしょうか?1人目、2人目、3人目とインタビューすれば、4人目に「これらの人がすでにインタビューを受けている」と

伝えることができます。そうするとその人は、「それなら間違いないだろう」となり、「いいよ、インタビューを受けよう」

と応じてくれるようになります。

 

Q.使用しているアーカイブ映像は、

どのように見つけたのですか?

 

A.我々はイギリスとアメリカで撮影を行いました。フロリダに

パートナーがいて、ロサンゼルスに行ってインタビューをしたり

、サンフランシスコでのインタビューを行い、ニューヨークに

行ってキース・リチャーズのインタビューも行いました。

その繋がりで、サンフランシスコでのニッキー・ホプキンズと

テリー・アンド・ザ・パイレーツのインタビュー、ジェシー・

ブロックとのインタビュー映像が見つかりました。ジェシー・

ブロックはインタビューの一部をYouTubeに投稿していました。彼に連絡すると使用の合意が得られ、使えることになりました。ですが、彼がインタビューにBGMを追加していたので、「この

ままでは使えないです。BGMなしの素材映像をもらえませんか」とお願いしました。すると彼からフル尺のインタビューを

送られて来て、ニッキーがクイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスについて話している部分が見つかりました。
 

ニッキーがジョン・レノンとの交流について話している映像を

見ました。ニッキーがさまざまなジャンルの音楽を横断して演奏することについて語り、それぞれの側面を楽しんできたと述べていて、そこには小さな発見や宝石がありました。まるで探偵物語のようでした。一つの手がかりを少し追うと、別の背景が見えてきて、それがさらに興味深いパズルの一部へと繋がっていくの

です。

 

Q:他に、インタビューしたかったけれど

できなかった方はいますか?

 

A:(イーグルスのギタリストの)ジョー・ウォルシュにとてもインタビューしたかったです。(ジェファーソン・エアプレインの)グレイス・スリック、クイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスにもインタビューしたかったです。また、チック・

コリアにもインタビューしようと考えていましたが、彼は亡くなってしまい、機会は失われました。彼は、ニッキーをリハビリに入れた人物でしたからね。自身もとても優れたピアニストでした

。彼のような一流のピアニストが、ニッキー・ホプキンズを

どう見ていたのか知りたかったです。

 

Q:本作では、インタビューだけでなく、実際にキーボードや

ピアノを弾いてもらい、一般のプレーヤーの弾き方と、ニッキーがどのように演奏したのかを比較した点が面白いと思いました。

 

A:はい、使用した音楽は、ニッキーのピアノがしっかりと聞こえるものも多く選ぶようにしました。ですが、ギターや歌など

他の部分も聞こえます。私は、ピアノのパートを分離して、

そのパートで何が起こっているのかを深く理解してもらいたいと思いました。オリンピックスタジオのクリス・キムジーが、

パディ・ミルナーがニッキー・ホプキンズに最も腕が近い

ピアニストだ、と言っていました。もし彼に来てもらい、

ニッキーが特定のトラックでどのようにアプローチしていたのかデモストレーションをしてもらえたら素晴らしい、

と思いました。

 

そこで彼にニッキーのトラックリストを渡しました。

彼は約3時間我々と過ごしたと思います。演奏は本当に素晴らしかったです。多くの人が、私に、よく引き出した、と言ってくれました。そして、非常に効果的に、彼がどれだけの演奏をしていたかを理解する手助けになったと言ってくれました。モーガン・フィッシャーはデモンストレーションを行い、ニッキーならどうするか、ギターの演奏はどうか、他のパートがどうアプローチし彼がどう変えるかを見せてくれました。それが物語を一層興味

深くしました。観客にニッキーの素晴らしさや貢献を伝える

助けとなりました。

 

Q:使いたかったけれど、資金などの問題で

使うことのできなかった映像や曲はありますか?

 

A:多くの映像がありました。たとえば、ニッキーがオーストラリアでジョー・コッカーと一緒にインタビューを受けている映像があり、とても気に入りました。ですが所有者が誰なのか分かりませんでした。また、北欧のどこかで行われた別のインタビューは

、YouTubeにしかなく、著作権をクリアできず、品質も不十分でした。ドイツのロックパラストのコンサート、テリー・アンド・ザ・パイレーツ、グレアム・パーカーとのコンサートは使用できました。オノ・ヨーコからは、アルバム「イマジン」の制作映像の使用許可も得られました。
ニッキーがアート・ガーファンクルとジョニー・カーソン・

ショーで演奏している映像、オリンピック・スタジオでの

ローリング・ストーンズの映像も著作権をクリアしました。

 

Q:ニッキーを知らない人に、

どのように彼について伝えたいですか?

 

A:彼がどれほど素晴らしいミュージシャンだったのか、そして250枚以上のアルバムに貢献したことを知ってほしいです。

その中には本当に有名な曲が含まれていて、今日でも頻繁に

流れるローリング・ストーンズのいくつかの曲を聴いた時に、

そのピアノの音を聴いてしばし手や足を止め、「あれは

ニッキー・ホプキンズだ」「あれもニッキー・ホプキンズだ」と気づいてほしいのです。彼の知名度を今からでも上げるために、我々はニッキー・ホプキンズがロックの殿堂に入ってほしいと

思っています。ロックの殿堂の会長であるジョン・サイクスは

この映画を観て、ニッキー・ホプキンズの仕事を知っていますから、1月の殿堂入り候補者リストに載るよう、試みるそうです。うまくいくように、広報も行っていきたいです。

 

Q:ニッキーを知らない人に、その才能を知ってほしいと

思う場合、どの曲をおすすめしますか?

 

A:誰しもが手を止めて、耳を傾け、心に触れるだろうと

思う曲の一つは、ジョー・コッカーの

「ユー・アー・ソー・ビューティフル」でしょうか。

ジョー・コッカーのあの素晴らしい声と、曲を通して支える

ピアノの組み合わせ。とても美しい声とピアノ、声と楽器の

組み合わせです。私は、これを一番お勧めしたいと思います。

 

Q:劇場上映は日本が最初なんですか?

 

A:ええ、世界初公開は映画祭でしたが、私たちにとっては、

これが世界初の劇場公開になります。映画館では5.1サラウンドサウンドで音楽が周囲を包み込むように聞こえますよね。

見るのには最高の環境です。

 

Q:メッセージをお願いします。

 

A:レコーディングスタジオで音楽がどのように作られるかに

ついても、少し考えていただける作品になっていれば嬉しいです

。そして、この映画を通じて、ニッキー・ホプキンズの音楽を

生涯に渡って楽しんでいただけることを願っています。観客の

皆さんには本当にニッキー・ホプキンズに熱くなってもらいたいですし、彼が演奏し、貢献した多くの音楽を探求してほしいと

思います。

 

2024年9月1日 映画情報どっとこむ