細胞診を考える -3ページ目

扁平上皮癌No2

角化型扁平上皮癌 としますか、高度異型性としますか








これだけ、核異型があり、細胞質が厚ければ癌ですね


上記症例のHE標本です。







細胞診とHEを並べてみました





扁平上皮癌No1

扁平上皮癌とするか高度異型性とするか。


高度異型扁平上皮細胞(集検判定区分D
扁平上皮癌を疑うが、非癌性病変も考えられ、必ずしも断定しえない所見を呈する異型扁平上皮細胞(群)である。
結合性のごくゆるい不定細胞集団か孤立散在性で、大小不同性と多形性を呈するようになる。細胞質の染色性が強く密度の高いこともある。細胞封入像や多核細胞の出現頻度が高い。また、癌細胞が極めて少数出現している場合もある

癌と確信できれば  扁平上皮癌とし
少し迷えば      高度異型性とする


癌と確信できます



右は確信できますね。 (癌取扱規約より)


核異型が強いので、高度異型性ではムリ




呼吸器異型性

大変ご無沙汰していました。


呼吸器の扁平上皮系異型性について(癌取扱規約のコピーです。許してね)


軽度異型性



軽度異型性


中程度異型性



高度異型性



高度異型性 VS 扁平上皮癌難しいですね。







乳癌切除断端迅速.細胞診

乳癌手術において、切除断端迅速.細胞診による迅速検査も依頼され、実施してきたので、その結果について報告する。


【材料と方法】断端迅速検査で組織診と細胞診を併用した症例数は50例であった。

断端部1ヵ所につき、捺印標本を1枚作成し、迅速細胞診標本とした。


【結果】断端迅速検査の50症例で、組織診と細胞診が一致したのは45症例(陽性9例、陰性36例)で、5症例に乖離がみられた。細胞診陽性・組織陰性とした2症例は、術後検索で、細胞診の偽陽性(overdiagnosis)が判明した。




【考察】

迅速組織検査が迅速細胞診より、検出率、正診率とも高く、迅速細胞診の必要性は低いと考える。

断端細胞診に関しては、臨床医の希望で、継続して実施しているが、無駄な検査は早く止めたい

乳癌切除断端迅速細胞診 不一致例No2

迅速組織は陰性  細胞診は陽性と診断


乾燥気味の細胞塊が2ヶ所で見られた。
核クロマチンは増量していると考えられた(??)




乾燥気味の材料。核クロマチンの増加と判断した(オレじゃないよ)

2細胞性とは言い難く陽性と判断(オレじゃない)



断端に上皮の増生は見られるが、悪性所見はない。


細胞診はover diagnosis


乳癌切除断端迅速細胞診 不一致例No1

迅速組織 陰性、 迅速細胞診 陽性で、 不一致だった症例


筋上皮がみられ、2細胞性のようである



筋上皮の介在がみられる。

乾燥気味の材料で、核クロマチンの増加はあまりないと考えるべき

であったが、細胞塊が大きく、悪性と診断(オレじゃないよ)



迅速組織では乳管上皮の過形成は見られるが、良性であった


細胞診のover diagnosis

乳癌切除断端迅速細胞診 一致例

迅速組織と迅速細胞診が共に陽性で、一致した症例



核クロマチンの増加した細胞塊で、核の不規則重積性もみられる



核クロマチンが増加し、核の異型性、不規則重積性を認める


迅速組織(左)も陽性と診断。


切除標本でも断端陽性が確認されました。

センチネルリンパ節迅速細胞診

乳房温存術が施行されるようになり、センチネルリンパ節の迅速検査が増えた。
細胞診によるセンチネルLN迅速検査も依頼され、実施してきたので、その結果について少し触れる


【材料と方法】
センチネルリンパ節迅速細胞診は81症例に実施し、リンパ節の最大割面を捺印し、迅
速細胞診標本を2枚作成した。

【結果】
センチネルリンパ節迅速細胞診を実施した81症例中、迅速または永久組織標本で23症
例にリンパ節転移がみられたが、迅速細胞診陽性は12症例のみであった。

【考察】乳腺断端、センチネルリンパ節迅速検査において、迅速組織検査が迅速細胞
診より、検出率、正診率とも高く、迅速細胞診の必要性は低いと考える。





少し考えれば当たり前の事で、左は細胞診、右は組織標本


細胞診では1割面の捺印なので、赤部分の癌は検出できない。

一方、組織ではステップで標本作成するので、赤部分の癌も検出できる。


無駄な検査は止めましょう

どちらのスクリーニングをしたいですか

症例は60代、男性の脳病変


嚢胞性病変の内容液です。

診断はadenocarcinomaの転移ですが、

従来法(遠心-トマツ)とthinlayerの標本を見比べてください。

貴方は、どちらの標本をスクリーニングしたいですか。


thinlayer法では直径1cm程度の範囲に癌細胞塊が5-6ヶ所


従来法では4枚の切片に、合計で3ヶ所に癌細胞がみられました。





左右では若干、倍率が異なります


当院では積極的にthinlayerを取り入れたいと考えます


その日に気分(状態)で診断が変わる

症例1 30代女性、子宮頚部




核に切れ込みがみられる。

細胞は中層型(深層型とは言いがたい)




別の視野です。

同様に核に切れ込みがみられる。


高度異型性にするか? 中程度異型性にするか?


その日の気分で変わりますが・・・・


   ↓


切れ込みを重視して


高度異型性にしました


症例 2、30代女性、子宮頚部




細胞質は広いが、核クロマチンはCISに近い

CISとすべき核の張りはない。


中程度異型性? 高度異型性? 上皮内癌


  ↓

N/C比、核のクロマチン、総合して

高度異型性にしました