特許(登録)料支払期限通知サービスについて
 https://www.jpo.go.jp/system/process/toroku/kigen_tsuchi_service.html

 2020年2月28日、特許庁ホームページのお知らせ欄に 「令和2年4月1日から特許料等の納付時期の徒過による権利失効の防止を目的に「特許(登録)料支払期限通知サービス」を開始します。」 が掲載されていた。


 何故、今頃、ブログにしたかというと、今週の水曜日4月1日からサービスが開始されるからである。

 
 利用希望者がメールアドレス・パスワード等のアカウント情報の登録を行うアカウント登録画面や,

  特許(登録)料に関する次期納付期限日等のお知らせメールを受け取りたい案件(50件まで)を登録する案件登録画面が

4月1日に特許庁ホームページにUPされる。


 主に中小企業・個人事業主・個人の権利者を対象としている。


 設定登録後の特許料(第4年分以降)
 設定登録後の実用新案登録料(第4年分以降)
 設定登録後の意匠登録料(第2年分以降)
 設定登録後の商標登録料(後期分)
 次期商標更新申請登録料
がサービスの対象で、


 特許(登録)査定後の設定登録料納付期間
 ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願手続きであって、日本国特許庁において設定の登録がなされた権利
 マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願等手続きであって、日本国特許庁において設定の登録がなされた権利
 防護標章案件
 商標の分割登録番号を有する案件
は対象外。

 

 納付期限まで3ヶ月(商標の場合は6ヶ月)以内となった際(通知メール)、
 通知メールの送信が出来なかった案件について、納付期限まで2ヶ月以内となった際(再通知メール)、
 利用者が任意で設定する期限以内となった際(リマインドメール)
にそれぞれ登録したメールアドレス宛に配信される。

 

 
 維持年金管理に便利なので、是非活用してみては。

 

 

 以上は尤もらしい話であるが、実は維持年金不納で権利が失効しているのにもかかわらず、失効した権利を実施している競業者に対し、差止を主とする警告状(通告書)を送れないかとの無理な相談を受けたことがあった。

 でも、競業者、維持年金の納付期限から6か月経過していることを確認した上で実施しており、文句が言えない状況であった。
 権利存続期間中の実施があれば損害賠償請求が可能であるが、それは無かった。
 

 脅しでもいいからと再度相談されたが、不正競争防止法2条1項14号で営業妨害であると逆襲されるおそれがあるので、はっきりと断った。

 

 維持年金の納付期限管理が出来ればこんな相談はしないと思う。 
 
 維持年金不納により権利失効以外にも出願審査請求期間を徒過して出願取り下げ擬制された案件(?)でも、特許法第65条1項に規定する補償金支払い請求権行使のための警告状について相談を受けたこともあった。
 これは某法律特許事務所に勤務していた時のことである。

 

 相談者、社内事情なんかで外部に責任を押し付けようとしたのが見え見えであった???

 

 

 皮被りの短小ヤロー

 皮被りの短小ヤロー

 皮被りの短小ヤロー

 

 

 

 2020年3月9日付けの日本経済新聞1面に「AIの学習データを保護 特許庁、21年法改正めざす」の記事が掲載されていた。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56542020Y0A300C2MM8000/
 
 同記事によると、「人工知能(AI)や3Dプリンターに投入するデータ群で従来にない独自性の高いものについて保護する方針」とのこと。


 でもね、2017年の「特許・実用新案審査ハンドブック」改定で、特許法上の発明の対象になり得る、IoT/AIに関連するデータ構造について明らかにしており(附属書B「特許・実用新案審査基準」の特定技術分野への適用例を参照)、特許が認められれば、権利侵害に対しては差止請求権を行使できるけれど、具体的にこれとどう違うのか、上記記事の内容からは不明である。

 

 
 IoT関連技術の審査基準等について
 ~I o T 、A I 、3 Dプリンティング技術等に対する審査基準・審査ハンドブックの適用について~
 平成30年6月 特許庁調整課審査基準室
 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/document/iot_shinsa/all.pdf
が参考になる。

 

 また、以下の弁理士会のパテント誌の記事が参考になる。

 IoT/AIに関連するデータ構造の特許法による保護に関する研究
 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/2852

 

 特許・実用新案審査ハンドブックにおけるデータ構造の事例の検討
 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3196

 

 

 


 昨日のブログで2020/2/12付日本経済新聞朝刊1面に掲載された「中国、特許9分野で首位」の記事について紹介した。


 ここで、中国が特許出願件数において首位となった特許9分野とは、人工知能(AI)、再生医療、自動運転、ブロックチェーン、サイバーセキュリティ、仮想現実(VR)、ドローン、導電性高分子、リチウムイオン電池の各分野である。


 上記記事には、特許の「質」についても言及していた。
 それによると、「影響力や将来性など独自指標に基づいて特許の質を分析し、10分野(上記9分野に量子コンピュータを加えたもの)それぞれについて上位10社をランキングした。全100社(研究機関など含む)のうち米国勢が64社を占めた。日本勢が18社と続き、中国勢は1社だった。」


 ただ、気になることがある。それは特許の「質」をどのようにして分析したかである。

 
 「影響力や将来性など独自指標に基づいた」といっているが、正直言ってよく分からない。


 前提として、特許の「質」について順位(優劣)を決めなければならないが、これには数値化する必要があるのでは?


 じゃあ影響力や将来性をどのようにして数値化したのか?


 影響力とか将来性とかいう抽象的な概念を数値化することが可能なのか?
 

 数値化以前に、新技術誕生で突如影響力や将来性がゼロになる得ることがあるのでは?


 そもそも特許の「質」を客観的に分析するのは難しいと思う。

 

 ところで、今日(2020/2/13)の日本経済新聞朝刊12面企業1欄には「特許ウォーズ(1) 量子計算「グーグル超えろ」 」が掲載されている。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54794790U0A120C2TJC000/

 「各国、汎用機で競う」、「東芝、理論研究強み」、「中国、暗号など重視」の記事があるので、興味のある方は一読してみては。

 

 特許行政年次報告書2019年版によると、
「過去10 年間の特許出願件数の推移を見ると、2009 年以降漸減傾向で推移していたが、2015年以降横ばいで推移している。2018 年は313,567件でり、前年よりも減少した[1-1-1 図]。日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT 国際出願)の件数は、2014 年を除き、一貫して増加傾向を示しており、2018 年は48,630 件(前年比2.5%増)と、過去最高となった[1-1-2 図]。これは、研究開発や企業活動のグローバル化が大きく進展し、国内のみならず国外での知財戦略の重要性も一層増していることなどが背景にあるものと考えられる。」
 と分析している。

 

 

 
 ところが、ところが、日本、次世代の競争力を争う先端技術分野では、特許出願件数が米中はおろか韓国にもに大きく水をあけられていると分析結果が公表されていた。

 

 それは、2020/2/12付日本経済新聞朝刊1面に「中国、特許9分野で首位  先端10分野出願AIや再生医療、日米を逆転 質は米企業上位」の記事である。

 

 分析したのは、知的財産データベースを運営するアスタミューゼ(東京・千代田)と日本経済新聞である。

 
 
 同紙17面には1面の記事を図表を使って詳しく解説した「特許ウォーズ 総集編」     
 が掲載されているので、興味のある方はチェックしてみては。

 ttps://vdata.nikkei.com/newsgraphics/patent-wars/

 

 なお、明日以降、企業面で「特許ウォーズ」を連載するとのこと。

 

 特許、実用試案、意匠、商標の知的財産のうち、一番大事なのはどれかと問われれば、前提条件により異なるかも知れないが、商標と答えることにしている。

 

 それは何故か?

 先使用権の視点からである。

 
 商標の先使用権は、他人の商標登録出願前から不正競争の目的ではなく使用をしていた結果、商標登録出願の際、需要者の間に広く認識されていた場合に認められる(商標法第32条)。


 しかし、「商標登録出願の際、需要者の間に広く認識されていた」事実を立証するのは難しく、先使用権の主張はなかなか認められていないのが実情である。


 商標に対し、特許・実用新案・意匠の場合、先使用権は、他者がした特許出願(実用新案登録出願、意匠登録出願)の時点で、その特許出願に係る発明(実用新案登録出願に係る考案、意匠登録出願に係る意匠又はこれに類似する意匠)の実施である事業やその事業の準備をしていた者に認められる(特許法第79条、実用新案法第26条、意匠法第29条)。


 立証困難な周知性は商標のみに要求される。


 したがって、もし未登録のまま使用している商標があるならば、直ちに商標登録出願をして商標権を確保しておくほうがよい。


 お金の面から考えると、商標権取得のほうが先使用権を認めてもらうよりもはるかに安くて済む。


 先使用権を主張するのは、通常、権利侵害として訴えられた裁判で、抗弁としてではあるが、権利化のための費用よりも高額の弁護士・弁理士費用がかかる。

 

 繰り返すが、商標をあまり軽く考えないほうがいい。