5月7日の日本経済新聞 電子版に「自動車会社の隠れた「ドル箱」狙うアマゾンの特許 」のタイトルの記事が掲載されていた。
 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30064430S8A500C1000000/
 

 原文(英文)のURLは
 https://www.cbinsights.com/research/amazon-patent-ar-auto-parts-retail/

 

 同記事によると、
 「あまり知られていないことだが、クルマの補修部品などアフターパーツは一般的に自動車メーカーにとって、非常に利益率の高い「ドル箱」だ。消費者にとっては選択肢が少なく、専業メーカーも部品によって細かく分かれている。そこに目を付けたのが米アマゾン・ドット・コムだ。武器とするのがAR(拡張現実)技術。IT(情報技術)のプラットフォーマーは閉ざされた市場に風穴を開けることができるか。」

 

 上記記事及び原文によるとアマゾンのAR特許のタイトルは
 「自動車部品の取り付けプレビュー画像の生成」で、
 原文(英文)では
 “Vehicle Component Installation Preview Image Generation”


 タイトル名から検索したところ、以下のUSパテントがヒットした。

 Patent Numbere US9,928,544 B1
 Date of Patent Mar.27,2018
 http://pdfpiw.uspto.gov/.piw?PageNum=0&docid=09928544&IDKey=EFAF85753CA4%0D%0A&HomeUrl=http%3A%2F%2Fpatft.uspto.gov%2Fnetacgi%2Fnph-Parser%3FSect1%3DPTO1%2526Sect2%3DHITOFF%2526d%3DPALL%2526p%3D1%2526u%3D%25252Fnetahtml%25252FPTO%25252Fsrchnum.htm%2526r%3D1%2526f%3DG%2526l%3D50%2526s1%3D9928544.PN.%2526OS%3DPN%2F9928544%2526RS%3DPN%2F9928544

 

 

 下図は、ARを使用し、選択した自動車部品が自分の車に合うかを確認できる画面を示している。

 

 

 

 Espacenetで上記特許のパテントファミリを調べてみた。
 
 米国以外には出願していないようだ?

 

 今回のアマゾンの特許、拡張現実(Augmented Reality: AR)技術を自動車部品の分野に適用したものであるが、他の商品にも適用できる可能性を示すものではないかと思い、浅学菲才を顧みずブログにした。

 

 

進歩性判断の手順

テーマ:

 今年の2月に開催された(2018年02月14日)、弁理士会研修「最近の知財訴訟の現状と弁理士の役割について」 講師 知的財産高等裁判所所長 清水 節 氏  で気になること(注目した点)があったので、備忘録としてブログにまとめることにした。

 

 気になったのは、進歩性判断の手順の個所である。

 


 では以下に進歩性判断の手順を示す(以下の手順は配布されたテキスト55~57に基づいて作成したものである)。


 ステップ1 本件発明の要旨認定
           ↓
 ステップ2 技術思想の近似する引用発明の認定
           ↓
 ステップ3 両発明の対比と一致点・相違点の認定
           ↓
 ステップ4 相違点無し→新規性無し
       相違点有りの場合以下のステップ5に移行
           ↓
 ステップ5 相違点を開示する技術思想が共通する技術分野にあるか?
       無し→容易推考× 進歩性肯定
       有る→相違点が容易推考か否かの「相違点判断」ステップ6に移行
           ↓
 ステップ6 「相違点判断」
       相違点を開示する技術思想が
       ①設計的事項・技術常識
       ②周知技術
       ③公知技術
       によって異なる
           
       主たる引用発明に①又は②を適用する場合
       阻害要因が認められるか?
       認められる →容易推考× 進歩性肯定
       認められない→予測できない顕著な作用効果が有るか?
              有る→容易推考× 進歩性肯定
              無し→容易推考○ 進歩性否定
           
       主たる引用発明に③を適用する場合
       動機付け・課題は?
       無し→容易推考× 進歩性肯定
       有り→阻害要因が認められるか?
          認められる →容易推考× 進歩性肯定
          認められない→予測できない顕著な作用効果が有るか?
                 有る→容易推考× 進歩性肯定
                 無し→容易推考○ 進歩性否定

 

 上記進歩性判断の手順で注目したのは、
 主たる引用発明に、①設計的事項・技術常識又は②周知技術を適用する場合は原則として動機付けが不要であるのに対し、③公知技術を適用する場合は動機付け・課題が必要となる点と、
 先ず阻害要因について判断し、阻害要因が認められない場合に予測できない顕著な作用効果を判断する点
である。

 

 何だ当たり前のことではないのかといわれればそうかもしれないが、そもそも動機付けなんて判断する必要があるのかという疑問がある一方、動機付けを判断する必要がある場合、どの段階で判断するのか、で混乱していたからである。

 


 動機づけとなり得るものとして、審査基準には
 ①技術分野の関連性
 ②課題の共通性
 ③作用、機能の共通性
 ④引用発明の内容中の示唆
などが挙げられているが、①技術分野の関連性については、上記手順のステップ5で判断されている。


 そうすると、動機付けをどの段階で判断することにあまり拘る必要は無いのかも知れない。


 動機付けになり得るものの内容によって決めればいいということ。


 阻害要因が無く、引用発明に周知技術や公知技術を組み合わせることが容易であるとしても、その組み合わせ発明とみなされる本件発明(本願発明)が、当業者が予測できない顕著な作用効果を有する場合には進歩性が肯定される、というように、先ず阻害要因の有無を判断し、次いで予測不可の顕著な作用効果の有無を判断する、手順、確かにその通りだと思う。


 阻害要因は、引用発明に周知技術や公知技術を組み合わせることが容易であるか否かを判断する際の一つの基準となるもので、引用発明と周知技術などとの組み合わせに適用されるもので、本件発明(本願発明)の問題ではない。

 これに対し、予測不可の顕著な作用効果は、本件発明(本願発明)自体に係わる問題である。

 

 

 


 話しは変わるが、明日5月3日は憲法記念日。

 憲法9条2項を未だに堅持して、これで果たして主権国家といえるのか?

 アメリカ様に国を守ってもらうの、オカシイと思わないのか?

 何処の国も憲法に平和を謳うことはあるけれど、戦力の不保持、交戦権の否認を謳うオカシナ国なぞ日本を除いて存在しないよ。

 迷うことなく憲法9条2項を破棄して戦力を保持し、交戦権を認め、米軍基地を返還してもらうことである。

 憲法9条2項を堅持しながら米軍出て行けと叫ぶ輩、オマエ、頭大丈夫か?

 精神科での受診を勧める。

 但し、精神科医の選択には十分気を付けること。

 医師自身が精神病を患っていることがあるので。

 

 本日の日本経済新聞朝刊1面にタイトル「ニッポンの革新力 企業は変われるか4 その特許で稼げるか」の記事が掲載。
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27495440Y8A220C1MM8000/


 「IPランドスケープ(Intellectual Property Landscaoe 知財に関する環境と見通し)手法を取り入れて、自社や他社の知財を分析して将来の事業環境を予測し、どの分野ならば自社が強みを発揮できるかを探るということ。 研究開発の初期段階から、何の特許を取得し、どれを秘匿するか判断。」


 記事ではデジタル家電で中韓に追い越された過去の苦い経験をからIPランドスケープを実践している三菱電機知的財産渉外部の例を紹介している。


 上記記事で訴えたいことは、特許はその保有件数ではなく、他社に先駆けて世界の標準特許をいかに確保するかということ。


 そうすれば特許で稼げるようになる。

 これを実現するための手法がIPランドスケープ。

 

 日本経済新聞では、過去にもIPランドスケープについての記事を数多く掲載している。


 例えば、当ブログ(https://ameblo.jp/patanze/entry-12294042355.html)で紹介した2017/7/17付の日本経済新聞朝刊の法務欄「知財分析を経営の中枢に 「IPランドスケープ」注目集まる M&A戦略に生かす 」の記事がある。
 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO18871090U7A710C1TCJ000/

 

 IPランドスケープについては、2017年8月28日のDIAMONDonlineの「あらゆるビジネスで活用すべき! 知的財産戦略」での金沢工業大学大学院  杉光一成教授のインタビュー記事が結構面白い。
 http://diamond.jp/articles/-/139017

 「これまで知財部門が行ってきた主な業務は、他社特許に抵触しないためという消極的な調査でした。IPランドスケープは、事業として成功するために行う、より積極的な調査といえます。例えば、ある事業を成功させるため、特許データを踏まえ、シナジー効果を生み出すと考えられるアライアンス、あるいはM&A候補先企業を分析します」(杉光教授)

 


 杉光氏は、企業内での知財部門について、これまでの、事業戦略とR&D戦略と知財戦略が連動する“三位一体”とは異なり、マーケティングと知財が連動することであると、提唱している。


 企業の知財部門、出願業務と抵触鑑定業務などは退職者を集めた別会社や特許事務所などに任せ、IPランドスケープ(下品な言い方をすると”ここを知財で押さえれば市場をコントロールでき、同業他社をおさえてがっちり稼げます”)を経営陣に提示することが主な業務になる。


 そうすると、知財担当者、業務がこれまでと違い超面白くなるのかもしれないが結構ハードになるのでは。

 

 

 ところで話は変わるけど、冬季パラオリンピックが終わると、東アジアのみならず世界中がきな臭くなるのが心配だ。

 

 特許相談というか、特許鑑定についての雑感である。


 特許相談で、「こんなものを企画し、試作案をまとめてみました。ところが先行する特許がありました。本件、この特許に抵触する、しない。」の特許鑑定に関する問い合わせがあるが、このなかで、実は、相談者は特許に関する知識が豊富で、先行する特許の内容を十分に検討しており、抵触しないように試作案を練り、次の試作・量産段階に移行する前に一応「抵触しない」との確証(?)を得ておこうとの意図が見え見えのときがある。

 

 こんな特許鑑定の前に費用の見積を求められるが、相談者の意向を尊重(忖度?)した「抵触しない」の鑑定結果が予測される場合と、意向に沿うのがどう考えても難しく意向に反した「抵触する」の鑑定結果が予測される場合とで見積りをどうするかで迷う。


 迷わないとの考えもあり、そもそも鑑定費用は鑑定結果により相違することはなく、依頼内容から予測される労力に基づいて決めるものだからというのが主な理由。


 確かに正論だけど、自分の意向に沿わない鑑定結果に対してお金を支払うかというと、なかなか難しいのが現実。

 実は相談者が思い描いていた結果と反対の鑑定結果を報告したとき、請求書を何度か発行しも支払がなく、ほぼ忘れかけた時にやっと支払があった。

 

 そこで、相談者の意向を尊重した鑑定結果を報告すると共に、それと反対の鑑定結果になる場合があり得ることを併記しておくと、よいとのアドバイスを受けたことがある。


 こんなのが鑑定になるのかという気がした。


 でもね、かなり前、某大先生の鑑定書を読んだとき結果がどうであれ責任追及されないような内容になっていたので、まあそういうものかと思ったこともある。


 ただね鑑定結果がどうであれ、最終的には裁判の場で決まるので、弁理士の鑑定なんかそんなものだよとの意見があるが、それには賛同し難いよね。


 じゃあどうすればいいの?


 相談者に対し、これでは特許に抵触するとの鑑定結果を伝えるとき、必ず回避策を提案すること。


 でもね、回避案を提案することは、相談者が求める技術の専門家ではないので、難しくない。

 難しいかもしれないが、相談者に回避策について再考するように促すことは出来る。

 例えば、素人考えですが「こんなのはどうでしょうか?」と問いかけに対し、「ダメ、ダメ、素人はこれだから困る」と、したり顔でいいつつも、先行する特許を回避するどころかそれを凌駕する凄い発明を生み出すことがある。

 

 鑑定で面白いと思うのはこんなやり取りである。

 

 そうすると、相談者の意向などに構わずに鑑定をし、必要なときは必ずフォローするということなのか。

 

 どうもそういうことだね。

 

 もっともらしい知財の話しはこれまでとしましょう。

 


 

 憲法9条信者、戦前の軍国主義者と同じではないのかと疑問に思うことが有る。


 当事務所はJR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋付近にあり、よく駅前で憲法9条改正反対と喚いているのが耳に入る。


 東京都の騒音防止条例は適用されないのか?
 緑のタヌキ、いいえ間違えました小池知事殿、何とかして。
 五月蠅くて仕方がない。

 

 憲法9条改正反対、憲法9条を守れなどを喚き散らしているが、こいつら、大和魂や神風を叫んでいた戦前の軍国主義者と、

 現実を直視しないという点、

 異なる意見に耳を貸さない点、

 自分たちはエリートでそれ以外は愚民と見下している点、

などで精神構造が同じではないのか?


 日本人、いや人間は何も変わらないのでは?

 ウソを付く人は、ずっとウソをついているし、それは国家も同じ(某国を思い出してくれれば納得)。

 

 憲法9条信者のことをいったけど、日米安保条約で米国が外国からの侵略者に対し日本を守ってくれるなどを信じている輩も同類かもしれない。

 

 訂正の再抗弁のタイミングについて

 

 なぜ今頃このタイミングで「訂正の再抗弁のタイミングについて」をブログにしたかというと、単なる備忘録としてと尤もらしいことをいうが、実は気になることがあったからである。

 


 昨年(2017年)の12月06日、弁理士会研修「「シートカッター事件」最高裁判決から学ぶ訂正の再抗弁主張のタイミング」に出席した。

 講師の弁護士・弁理士 弓削田 博 先生、最高裁判決 平成28年(受)第632号 シートカッター求事件について、平成18年(受)第1772号 ナイフの加工装置事件、平成25年(ネ)第10090号 共焦点分光分析事件などを参照しつつ解説を行い、最後に訂正の再抗弁のタイミングとして
 ① 第1審判決で無効理由の主張が採用された場合には、控訴審の早い時期
 ② 訂正審判請求等と同時又は遅滞のない時期
 ③ 法律上訂正審判請求などができない場合には、対応すべき適切な時期

を挙げていた。


 ①、②の場合、確かにそう思うけど、③の場合がいまいち分からなかった。


 少なくとも第一審又は控訴審の事実審で訂正の再抗弁を行う必要があることは分かるけれど、前提となる訂正審判請求などができない場合に「対応すべき適切な時期」とはどうゆうことなのか?

 

 これについては、
 例えば、
 理系弁護士の何でもノート
 弁護士・弁理士 岩永利彦 氏
 最高裁平成28(受)632号(平成29年7月10日 判決)
 2017/07/10
 http://iwanagalaw.blog.shinobi.jp/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%B9%B3%E6%88%9028-%E5%8F%97-632%E5%8F%B7%EF%BC%88%E5%B9%B3%E6%88%9029%E5%B9%B47%E6%9C%8810%E6%97%A5%20%E5%88%A4%E6%B1%BA%EF%BC%89

 

 また、
 外国出願のSK特許
 弁理士 伊藤寛之 氏
 【最高裁判決】上告審で初めてなされた訂正の再抗弁は認められない。
 2017-07-24
 http://skiplaw.blog101.fc2.com/blog-entry-867.html

 

 また、
 イノベンティア・リーガル・アップデート
 事実審の口頭弁論終結後の訂正審決の確定を理由に事実審の判断を争う主張を退けた最高裁判決(シートカッター事件)について 弁護士 松下 外 氏
 2017年7月17日
 https://innoventier.com/archives/2017/07/3695
が参考になる。

 

 上記最高裁判決では、「原審で新たに主張された本件無効の抗弁に係る無効理由とは別の無効理由に係る別件審決に対する審決取消訴訟が既に係属中であることから別件審決が確定していなかったためであるなどの前記1(5)の事情の下では,本件無効の抗弁に対する訂正の再抗弁を主張するために現にこれらの請求をしている必要はないというべきであるから」といっている。

 

 言い換えると(by弁護士松下外氏)、
 「訂正審判請求等を妨げていたのは、別の無効理由に係る別件審決に対する審決取消訴訟が係属中で別件審決が確定していなかったためであって、本件無効の抗弁に関するものでなかったから、訂正の再抗弁を主張するのに訂正審判請求等を予め請求しておく必要はなかったとの判断」を示しているともいえる。

 

 予め訂正審判請求等を請求しておかなくても、事実審の口頭弁論終結時までに取り敢えず訂正の再抗弁をしておけということ。

 

 そうすると、弓削田博先生のいう法律上訂正審判請求などができない場合の「対応すべき適切な時期」とは事実審の口頭弁論終結に至るまでの間の適切な時期ということなのか。

 


 当たり前のことで、何もブログにすることはなかったかもしれない。

 


 平成28年(受)第632号 シートカッター求事件
 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/898/086898_hanrei.pdf

 平成18年(受)第1772号 ナイフの加工装置事件
 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/309/036309_hanrei.pdf

 平成25年(ネ)第10090号 共焦点分光分析事件
 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/495/084495_hanrei.pdf