整理解雇の四要件
①経営上の人員整理の必要性
②整理解雇を回避するように努めたか
③対象者の人選基準が合理的(妥当)であること
④説明や協議などの手続きの妥当性
日本航空における整理解雇の報道で、整理解雇の四要件はすっかり有名になりました。
整理解雇の有効性については判例が多数あります。
判例を丹念に読むと、四要件は「事情を総合考慮する際の判断の要素にすぎない」という位置づけがなされているケースがしばしばあります。
つまり、場合によっては「必ず四つの要件を満たす必要がある」訳ではないんですね。
資産も従業員数も少ない企業で、
・・・人員整理の必要性が実際に表面化するまで人員削減ができないのか。
→表面化したら即倒産してしまいます。必要性のタイミングの見極めが難しいですね。
・・・解雇回避努力(例えば配置転換)がどこまでできるのか。
→配置転換できる部署が存在しない。
このようにリアルにイメージすると、単純な話ではない事が分かりますね。
(だからといって簡単に解雇して良い訳ではありません。従業員の生活への配慮が欠落した会社に有為な人材が集まる・残ることはあり得ないし、ご都合主義の労務管理は結局は自らの首を絞めます。)
さらに日航さんの場合は、「公的資金投入」や「複数労組の存在」、「過去の経営者・労組の責任」など特殊な事情があり、整理解雇の四要件のモデルケースとして相応しいのか少し疑問があります。
ステレオタイプな報道は誤解を招くと思いますが、いかがでしょうか。