時間あらば
なんとかカネを工面してでもと
繁盛に出掛けていた頃を過ぎて

もう
何年も海外へと出掛けていない

そろそろ来ないかと

毎年
LAのママは
連絡をくれるけれど

あの頃のように
はい そうしましょう! と
時間が取れずに来た



それでも
還暦のお祝いにと
アメリカの友達たちに会いに
1ヶ月ほど無理に休んで
全土を周る予定でいたら
なんと
コロナに阻まれて諦めてしまった

それでも
なんとかしたいと思ってみれば
急激な円安と
アメリカの物価高

更には
LAの治安が落ちて
もう
楽しかったはずの
アメリカは無くなってしまった



時折
真夜中に
枕元で鳴るスマホに出れば

ハロー! なんて
時差を氣にせず掛けて来る
賑やかなLAのママの声

あまりにも来ないから
そろそろ
行くよ! なんて
これまた
賑やかで楽しそう


どちらへ? と尋ねれば

大阪の
USJへと微笑んでいる

ならば
大阪での滞在かと思えば

いいえ
東京だから
遊べるわね! と
楽しみは膨らんでいる



45年前
お世話になった家族は
その後
多くの若い日本人学生を受け入れ

全国に会いたい方が
沢山いるようで

ならば
桜の頃
東京へと集合! なんて
企んでいるのだろう


すれば
セミリタイアをした身
今回ばかりは
とことん
お付き合い出来そうだ

こうして
会いに来てくれるのならば
僕はもう出掛けず
この国を案内しようかと
思ってみる

政治にイライラしても
世間にイライラしても

ならばと
応援する政党に加勢しても
こんな非力な男では
何も変わらず時間だけが過ぎる

そんな
自分の時間を削って戦うのならば
軽くなって来た持ち時間

もう
そこへと関与せず
自分の時間だけをと
生きた方が良い

残念だけれど
仕方なくも
そう思うようになった


なんとなく
若い頃 思っていたのは
定年したら
本家の長男の役目通り
実家の町へと戻り

町議会議員にでも立候補して
仲間たちの組織票に頼り
人生の後半は
家庭菜園でもしながら
ぼんやり
そんなかなあ なんて

でもそれも
周囲の4つもの町が合併してしまい
そんなことは難しいようだ

すれば
代わりに後輩を応援すれば良いのに

それもまた厄介だから

もう
一切 関わらないこととした



さて
この国の与党は
このタイミングで
解散しそうな雰囲気となり

この女性総理
人気があるのが分からないが

その方々でも
総理は好きだが
与党は嫌いだ なんてことが
きっと本音ではないだろうか

いずれにせよ
この国がダメなのは
この場に於いても
与党に投票している
バカな国民たちの責任なのに…

失礼

昨今の
熊の出没により
山の危険度は増して

特に
昨日今日の登山者たちは
もう行けないねと
その場を去る

ニュースを観れば
なんと
拳銃でも倒せないそうで

頼りの熊鈴も
熊避けのスプレーも
もはや
人間はエサのひとつだと
覚えてしまった熊には
役に立たない

先日
爆竹まで用意したが
これもまた
ニュースでは
役に立たないらしく

いっそ
猟銃でも持参しないと
安全は確保出来ないらしい

さあ
どーする?

熊がいない山は
確かにあるが
そこは低山で
もうすでに何度も出掛けた所

ならば
ハイシーズンに
多くの登山者たちと
混雑の山を一緒に? なんて
したくはないのが
僕らの本音

ではいっそ
猟銃を持参して なんてすれば
それは
登山ではなくなり

また
許可された場所と時期とは
重ならず違反となる

もちろん
彼らの命を奪う氣など
到底なく

仲良く共存出来たならばと
いつも思っているが
偶然 出会ってしまえば
仕方なくも
決断せねばならない




すれば
もはやこれまでか! と
諦めモードなわけだけれど

そろそろ
この身体もまた
届かなくなって来た山ばかり

セミリタイアし
せっかく
取りやすくなった時間なのに
次のシーズンは どうしようか?

元々

このポンコツ男
何者でもないけれども

仕事場へと出れば
いつの間にか
社長と呼ばれて来た時間も
昨年末で終えて

その肩書きと名刺とが無くなり
何者でもなくなった

これで
長年 構えて来た緊張から
解放されて
ストレスはフリーとなり

それでも
次に待つ
実家のあれこれに
真正面から向かわねばならず

本家の長男とは
そんな役目なのだろう

これからは
その時間との戦いとなり
先を急がねばならないけれど

そこについて行けるほど
あの頃のような
体力は残っていない

半日で作業を終えれば
その疲れは翌日にまでは残らず
丸1日も無理をすれば
その翌日も翌々日までも
動けなくなる



デスクワークが苦手で
常に現場思考な男が
なぜか
長年 図面と格闘して来たけれど

やはり
作業服での現場作業が
楽しいようだ

まだまだ大丈夫だと
身体は変わらずに動いてくれると
思って来たけれど

65歳
さすがに
不都合が現れ始めた

痛い
曲がらない
飛び越せない
走り切れない…

年齢のせいにしてはならないと
身体のメンテをし直してはみるが

頭で思うほど
身体はあの頃のように
動いてはくれない

咄嗟の判断は出来ても
一瞬 身体は遅れてしまう

なんでだ? と
苛立ちながらも
仕方ないかと
それを
認めてしまう自分もいる

すれば
これからは
怪我に氣を付けねば
きっと
治りも遅いはずで

それでも
あの頃と同じ遊びをと
今の限界を探りながら
わずかづつ 足してみようかと
ちょいとサボった身体を
呼び戻してみる



定年とは
良くぞ考えた年齢で
サザエさんの波平さんは54歳で
55歳で定年の
前の年の設定だったそうだ

それが
60歳となり

今は
65歳

そして
近く70歳にもなるそうで

それは
寿命が伸びたからなのだろう

訊けば
生物学的には
人間の寿命は35歳だそうだけれど

医学の発達と
食事や
生活環境で
寿命は伸びたのだろう

今では
正しく生きれば
この身体は120歳まで
もつらしいけれども

逆に
長生きしたことで
昔にはなかった病に
辿り着いてしまうらしい



それでも
先立った仲間たちを想えば
僕も
あとどのくらい? って
心をよぎる

時間は
皆に
平等にではなく

そこすらも
すべては運でしかないのだろう

ならば
その運とやらを
育てるには? と
思ってみても

はてさて
正しく生きることくらいしか
思い当たらない

若い頃には
貴方より私 だったけれど

そろそろ
私より貴方だと
心から想える方が
増えたようだ

幸せですか? と問われたら
ひと呼吸 考えて

幸せです と答えるのだろう

そうだ
きっと
幸せなのだ!

足りないものは
多々あれど
こうして健康でいられることが
何よりも大切で

更には
家族を持てて
カミさんは隣りで微笑んでいる

子供たちは無事に巣立ち
孫までもが
こちらを向いて笑ってくれる


これまで

何よりも

家族最優先で生きて来たからと

誰に告げるでもなく

振り返ってみる



仕方なくも
老いては来たが
親たちもまた
健康で長生きしてくれて

今まだ
何も成し得てはいない
このポンコツ息子は
心を整え
その本家の長男を
演じようと汗をかく

あとは時間との戦いで
どれだけやれるか
何が出来るかと

リタイア後
逆に

とてつもなく忙しくなった身体を
ケアしながら
少しづつ…

大事なことは
他人の嫌がることはせず
いつも
微笑んでいられたら
それだけで
良いのではないかと思う

すれば
カウントダウンも
少しは和らぐはずで…


幸せの価値観は
人それぞれあれど

結局は
健康が最大の幸せだと思う

家族
友達

安全
安定

カネに執着すれば
見失うことが増えて
カネは使ってこそ
世の中を回ってこそ価値がある

そうだ
この世にいる間
足りるだけあれば良い! と
呟きながらも
ちょいとばかし
足りないから
わずかな余裕は欲しいけれど…

結構
正しく生きて来たはずの中年期

ならば
そろそろ巡って来ても良い頃かと
思いながら…

大谷が
是非 遊びに来て下さいと
連絡をくれたので
ではと
羽田へ向かえば
そこには
プライベートジェット機が
準備されており

早速 乗り込むと
降り立った空港は
これまた
プライベートな空港らしく
周囲に何もない
それは広く砂漠地帯

タラップを降りると
大谷本人が出迎えに来てくれて
どうぞと
用意された最新型の
ランクルに乗り込んだ

わずかな時間で
大きな家へと着き
部屋に案内されると
そこからの風景はまさに楽園で

なるほど
スーパースターのプライベートは
凄いね と微笑んだ



そう言えば
僕のことを
先輩と呼んでいたけれど

どこかに接点があったかと
振り返ってみれば
子供の頃に
道に迷った彼を助けたらしい

さてそれよりも
夕暮れは早く
空を見れば満天の星

僕らの街では
とても観れないくらいの星空を
眺めていると
突然 現れた未確認飛行物体

その姿は
楕円の穴がいくつも空いており
白いボディと
黒いその穴とが
マシュマロのように柔らかそうに
ふわりと浮かんで
とても速いスピードで
舞い上がり消えた

UFO! と叫ぶと
またその姿を表し
何度も旋回して
目の前で止まり
わずか1mの高さで
静止している

すると
大谷が来て

大丈夫ですよ
これは我々の本来の姿で
魂そのものですと言う

大きさや
姿は
その都合 変わり

大きくなれば
UFOにも見えるし

小さくならば
オーブに見えると




彼らは
ひとつ上の次元にいて
僕らの行いを正すかのように
わずかに
タイミングをズラしてくれると

ただし
それには
常に正しく生きねばならず

すれば
その瞬間を
察知出来るようになると

おかげで僕は
あれだけのホームランを打てるようになったと

なるほど
では僕も
これからは正しく生きねばと
覚悟したところで
目が覚めた



慌てて目を閉じ
その続きをと眠れば
なぜか
今度は
大型の観光バスが迎えに来て

これじゃないんだよ! と
嘆いたところで
また目が覚めてしまった

今朝もまた
不完全燃焼な夢で
ぼんやりしている

成人の基準が18歳となったけれど
多くの自治体では
20歳を成人式としている

飲酒も喫煙も
変わらず20歳ではあるが
まあそれは
個人の問題なのだろう



今年もまた
斜に構えた若者たちが
ここぞとばかり
騒ぐのだろう

僕らのそんな頃から
45年もが過ぎて
あの頃の仲間たちは
もう目の前にはいない

特に
スーツではなく
袴姿だった連中は
若くしてその命を終えた

正しく生きたならば
きっと今頃も
そこで微笑んでくれたはずなのに

太く短くを
選んだ彼らは
いつまでも
あの頃の若さのまま
僕の中に残っている

残った連中は
それなりに生きて
ジイちゃん
バアちゃんを演じている

未来を背負う
若者たちよ

成人式
おめでとう!

その会場へと着くと
受付で席の番号札を貰い
さてとその席を探せば
1番前で2人掛けの机

ここは
何かの講習会のようで
目の前には
教壇があり
黒板もある

先にその机の右側には
すでにどなたかが座っており
宜しくお願いしますと
挨拶をすれば

なんと
高倉健さん

えっ? と思い
なぜゆえ? と問うと

私も分からないと
返事が戻る

後ろを振り返れば
どこかで見た俳優たちばかり

すると
チャイムが鳴り
教壇にどなたかが立った

誰かが
起立

着席 と言い

そんな懐かしい
学生時代の空間

教壇のどなたかは
見たことはあるが
分からない



すると
今回の映画は… と
話し始めた

主役は
キミだと指をさされ

えっ? 僕ですか? と返す

そうだ
キミは新人だが
大丈夫

健さん
面倒を見てやってくれ と…

どうやら
監督さんのようだ

では
ヤクザ映画かと
ふと思えば
タイムトラベルのSFらしい

キミは
未来から来た使者で
今を変えないと
未来が危ない! という
設定らしい

そこに
恋愛を重ねようと思うが
キミの相手役は
キミに決めて貰いたいが…

僕が決めて良いのですか?

もちろん!
これはキミが主役だ

では
大原麗子さんで! と告げると

ありがとう! と
声がして
もう隣りに座っている

では
今からすぐに
撮り出すから宜しく! と
監督さんは微笑んで

その瞬間
もう大きなスタジオにいる

麗子さんは
健さんの
妹役でもあるらしく

僕にはまだまだ
遠い存在

ではまず
3000年の未来の風景から撮るので
キミは
その金色の服に着替えてくれ

そしたら
そのタイムマシンに乗って
2026年に向かうセットをし
さあ 出発! 

すると
風景が目まぐるしく変わり
ここは2026年

トランプは
無理無難を叫び

この国では
解散総選挙中

それよりも
恋人役らしい麗子さんは? と
見れば

えっ?
健さんとイチャついている

麗子さん
こっちこっち! と
叫んでも
振り向きもしない

仕方ないが
健さんには勝てないよな

では
違う女優さんでと
監督へお願いすれば

分かった
では
この方では? と
現れたのは…

誰だっけ?
名前が出て来ない

そこで目が覚めてしまった

あっ!
坂口良子さんだ…

そうそう
途中 
たけしさんも現れて
オレの弟子にならないか? っても

そしたら
オレの映画にも
出してやるよ! なんて
そんな場面もあったような…


そう言えば
数年前
仲良しの噺家さんが出た
映画の打ち上げに呼ばれて
その監督と呑んだ時

いつか
映画に出してよ! なんて
酔った席で話すと

良いよ! って
返って来たけれど

それっきり
話がないから
やっぱり
酒の席ではダメなようだ


生涯に1度くらい
映画のエンドロールに
名前をと思っていたら

ニックさんの
アニメーションには
載せて頂くことが出来たけれど…

今夜 ここも
大雪注意報が出されていて
さて
どのくらい積もるのかと
心配してはみるが
こればかりは
どうにもならない

それでも
この共同住宅は
部屋はもちろん
ロビーも
廊下も
大浴場も
暖房が成されていて
快適に過ごすことが出来ることに
感謝などして…


いつかの冬
朝 駐車場へと行くと
すべての車が屋根まで埋まっており
自分の車はどこだっけ? なんて
探し回ったことがある

ひと晩で
1.5mは積もったのだろう

そうだ
探し当てても
ドアは開かず
どうにもこうにもならず
スキー場へと行けなかった記憶

明日の朝は
大丈夫だろうか?

明日
帰れるかな

まあ

すでにセミリタイアした身
明日でなくても
良いけれども…