いよいよ今日は第48回衆議院議員総選挙投票日である。
現在時刻は午前8時。パパは早々に投票を済ませてきた。
本来ならば今回の選挙は政権選択選挙だ。
簡単に言うと、与党自民・公明の公約と実績を支持するのか、あるいはそれに取って代わる野党を新たな政権に着けるのかに決着をつける選挙だ。
投票記載台(総務省では投票用紙に書き込む場所をこう呼んでいる)の前面に貼られた紙にずらりと並んだ政党名を眺めていると何やら虚しくなる。政権を担える政党が今の与党以外にあるかどうか。考える以前に答えは出ている。
今や猫も杓子も二大政党制と公言してはばからないが、そもそもそんなものは制度でも何でもない。政治形態のひとつに過ぎないのだ。
選挙のたびに二大政党が政権奪取を狙うポジションにあるような、言ってみれば与野党ともに緊張関係にあるというのが二大政党制なのである。
森友・加計問題にしても、ことの真偽は定かではないが自民党の油断以外の何物でもない。緊張感のある政治ならば自民党にしても森友・加計に対してはもっと慎重に事を進めていたはずた。
取って代わることのできる巨大野党であれば、国会での追及も実効性の高いものとなっていただろうし、それでも国民が納得いかないとなれば、選挙で自民党には政権から退場いただくということになるはずなのだが・・・。
やはり今回の総選挙も野党側の役者不足のひと言しかない。
二大政党が政権を競うという構図であれば、そもそも自民党が簡単に衆議院を解散させたかどうか。多少の返り血を覚悟で与党勝機と見た安倍首相にしてみれば野党第一党の瓦解自滅はしてやったりといったところだろう。一人横綱自公と今は無き民進党のひとり相撲では二大政党制など語ることさえ笑える。おまけに選挙公示前の希望の党の場外乱闘付きだ。
ところで、各党の選挙公約を伝達する手段のひとつとして、各紙・各局の報道が重要な役割を果たすのだが、その際に政権与党に批判的な視点が入るのは当然だとしても、野党の選挙公約はどうひいき目に見てもヤル気があるとは思えない。いくら口で立派なことを言ってみたところで、「安倍政権の暴走は許さない」だけで政党を名乗ってること自体その政党の存在意義は乏しい。
そして、そんな政党に投票しているから、与党盤石・野党乱立の構図から抜け出せないでいるのだ。
与党の暴走を許さないというのであれば、自分が政権を取るしかないだろう。政策でまとまり数を集めて初めてスタートラインに立ったと言える。過半数を狙えない政党は、単なる批判政党に過ぎないのである。
政策も候補者も二大政党にはほど遠い、安倍信任選挙というのが今回の総選挙の実態である。
イデオロギーの違う人間が政策のもとに集まって政党を作るということはあり得る。だが、党員がバラバラにイデオロギーむき出しで党の運営もままならないというのであれば、それは政党ではない。その最たるものが民進党である。
冗談半分でいうならば、自民・公明を中心とした保守政党を勝たせてオール与党の構図を作り保守政党を分裂させて二大政党にする方が、ただ大きい声を出すばかりで離合集散を繰り返してきた有象無象にタダ飯を食らわせるよりはマシかも知れない。もちろん、そのままでは無能な議員も紛れ込むだろうから、議員定数を半減させる。
「安倍政権の暴走を止めさせようではありませんか!」
・・・で、その先に何がある?
国民の知りたいところ、政治にやって欲しいところは、そこにあるのではないか。