苦しい時期を乗り越える~息子の中学受験振り返り⑤ | 2025年に中学受験する娘と受験に失敗し続けた弁護士パパの奮闘記

2025年に中学受験する娘と受験に失敗し続けた弁護士パパの奮闘記

2023年の中学受験を完了した息子と、2025年(24年2月現在新小学6年生)の中学受験を目指す娘とパパの奮闘記。

引き続き、息子の中学受験を振り返ります。

 

これまでは、1月・2月の息子と家族の様子をドキュメンタリー形式で(?あんぐりあんぐりあんぐり)まとめてきました。

 

今回は、苦しかった夏期講習終盤から9月以降の様子について振り返りたいと思います。

 

なお、これまでの振り返りはこちらです。

1月の敗北と勝利(上)~息子の中学受験振り返り①

1月の敗北と勝利(中)~息子の中学受験振り返り②

1月の敗北と勝利(下)~息子の中学受験振り返り③

2月の勝利~息子の中学受験振り返り④

 

  はじめに

結論として、私は、息子が中学受験をしたこと(いや、「息子に中学受験をさせたこと」の方が正確でしょうか。)は良かったと思っています。

 

これは、結果として第一志望に合格することが出来たからというよりも、第一志望の学校の校庭で息子を送り出すとき、心の底から「ここまで来たら結果はどっちでもいい」と、「これまで子供が頑張ってきたその過程それ自体に価値がある」思えたことができたからだと思います(詳しくは2月の勝利をご覧下さい)。

 

もっとも、この境地に至るまでには、当然ながら様々な葛藤や紆余曲折がありました。

 

特に、6年生の夏期講習の終盤から、2学期に入ったあたりはとてもきつかったのを覚えています。

 

連日、長時間塾に拘束され、大量の要復習と新たな宿題を抱えて帰ってきます。心機一転、ハイテンションで天王山に登り始めた息子も、だんだんと息切れしてきていました。

 

9月に入ると、自宅での過去問演習や、SS特訓が始まりました。平日の通常授業に加えて、SS特訓も週単位でクラス替えが行われます。

 

息子は、αクラスの上位をなんとかキープし、SS特訓も開成・筑駒コースをキープしていましたが、例年その校舎からの開成合格者数を考えると、なんとかギリギリの境界線を彷徨っているという状態でした(結果的に、このあたりで自信喪失状態に陥っていたことが、栄東の入試で大失敗してしまった伏線になっていたような気もします。)。

 

この時期を、家族として理想的な形で乗り越えることが出来たとは到底思っていないのですが、それでも家庭崩壊することなく、無事最後まで走り切ることが出来たのは、①息子が志望校に対して強い思い入れがあったこと、②家庭教師を入れるなどして親子の距離間をぎりぎり保てたこと、③過去問・SOは出来ないもの頑張って割り切ろうとしたこと、が良かったのだと思います。

 

  志望校に対する強い思い入れ

息子が開成を志望するようになったのは、確か、5年生の時のSAPIXオープンで、開成の合格可能性が40%で、それ以外の志望校が80%だったことがきっかけだったように思います。

 

少なくとも、4年生のSAPIXに入塾当初、親としては、どこか「難関」といわれる学校に入ってくれればいいという程度の認識でしたし、子供も特に決まった学校の名前を口にすることはありませんでした。

 

そんな中、志望校を書いて合格可能性が表示されるという初めてのタイミングで、畏れ多くも開成を第一志望として記載し、40%という微妙な可能性が出たのが、本人にとっては良かったようです。

 

その後は、学校説明会に5年生の時と6年生の時と、2回参加させていただいたり、おそらく塾の先生や友人から色々と開成の話を聞いて思いを募らせていったのだと思います(私も数は多くないですが開成OBを何人か知っていますので、息子に伝説を話をしたりしていました)。

 

息子本人曰く、「開成の入試では覚醒したてへぺろてへぺろてへぺろ」といっていましたが、やはり、強い思い入れがあったからこその覚醒(もちろんそのための準備をしっかりしていたこともあると思いますが)であり、この思い入れの強さが、受験を乗り切ることが出来た一番の要因だったと思います。

 

  親子の距離

親子の距離の取り方についてはかなり難しいと感じていました。

 

というのも、既に6年生の夏期講習終盤以降は、親が「勉強しろ」などといわなくても息を吸うように机に向かっていましたし、既に、息子の勉強量は、私自身が中学受験をしていた頃の勉強量をはるかに凌駕しておりました(下手すると、私の司法試験のときより長時間勉強していた可能性すらあります)ので、そもそも人として息子にこれ以上「勉強しろ」という資格はありませんでした

 

それでも、たまに気を抜いてサボっている(いや、今思えば、単に疲れて休んでいただけだったと分かるんですけれど絶望絶望絶望)どうしても、もう少しで手にすることができるかもしれない開成合格をたぐり寄せ(てあげ)たくて、「そんな遊んでていいの?」だの、「さっきからうだうだしてるんじゃないよ!!」だの、余計なことを言って、息子のやる気を一生懸命削いでおりました。。。汗うさぎ汗うさぎ汗うさぎ

 

それでも、結果的に最後までなんとか親子の距離を保つことが出来たのは、やはり、家庭教師に入ってもらっていたことが大きかったように思います。

 

教科の内容という意味で言うと、私や妻は、もはや問題の意味さえ理解出来ない(かろうじて国語で戦える程度)でしたので、諦めて家庭教師に任せたのが良かったのだと思います。

 

  過去問・SOは本当に出来ない

このことは、SAPIXでの数少ない保護者会でも口酸っぱくいわれていて、頭では理解していたつもりだったのですが、やはり、夏休み明けに取り組む過去問、ホントに全然出来ません(笑笑い泣き笑い泣き笑い泣き)。そして、やはり、めちゃくちゃあせります、こんなにできなくていいの?と(笑笑い泣き笑い泣き笑い泣き)。

 

特に、算数(笑笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

算数については、我が家では、特に、先取り学習をすることもなく、また、中学への数学(購読はしていましたが、やった形跡はほぼ皆無)や他の参考書などに目をくれることもなく、SAPIXで与えられた宿題をこなすだけの勉強をしておりました。

 

成績推移を見ると、マンスリーや復習テストなど難易度抑えめのテストでは、比較的良い成績が取れており(それでも、平均すると、開成の80%偏差値には到達していませんが。。。)、夏休み直前の段階では、息子としては算数は得意科目という認識でいたと思います。

 

ところが、合格力判定SOになると、思ったような結果が出ませんでした。ここには記載していませんが、学校別SOなどは、もっとボロボロで、安定して偏差値40台前半(せめて受験者平均は欲しい・・・のにかなりの距離があるという状況)という状況でした。

 

追い打ちとなるのが、SS特訓です。クラスの上位層は本当に算数が出来るらしく、SS特訓から帰ってくる息子が、絶望にうちししがれた表情ゲッソリゲッソリゲッソリをしていることが多くなりました。

 

我が家では、二つの方法で何とか乗り切りました。

 

一つは(特に学校別SAPIXオープン)は、本番の入試よりも難しく作られているということ。つまり、これが解けなくても、必死で復習して食らいつけば、本番はなんとかなる可能性が高いということを言い聞かせました。もうこれは、本当に、念じるように言い聞かせました。

 

もう一つは、あと何点で合格点取れたの?作戦です。学校別SOの場合、合格点の目安というのが出ます。そうすると、あと何点取れてれば合格だったのか、そのためにはどの程度できれば良いのかということを考えると、以外と、算数で数点(計算ミスして完答出来なかった問題が出来てさえいれば)、理科と社会で数点ずつ(問題読み間違えて出来なかった問題さえ出来ていれば)で合格に達していた可能性があることがわかります。「ほら、実力が足りないんじゃないんだよ。」というおまじないを何度も何度も放り込みました(この際、ケアレスミスは実力なのか、とかそういった些末なことはどうでもいいわけです。)。

 

  算数は曲者

それにしても、算数という教科は、本当に曲者です。

 

勉強しても、比例的に点数が伸びるわけではなく、点数として成果が出来るまでには、相当時間がかかります。

 

というのも、息子が新6年生になった初日、四谷大塚で開成即日模試(その日の朝行われた開成の問題を模試のように解く)があり、そのときの息子の算数の点数が

 

7点

 

でした(いや、いくら何でも出来なさすぎですよ)。

 

そして、最後の学校別SO(もう11月も後半です)の算数の点数

 

17点

 

でした。もう、不安を通り越して涙が出るレベルですね。

 

ただ、答案用紙を見ると、成長の跡は伺えます。

 

1年前の息子の算数の答案用紙は、真っ白でした。

 

ところが、最後の学校別SOの算数の答案は、真っ黒でした。

 

そう、一年間かけて解法の引き出しを増やし、どの引き出しを開ければいいか試行錯誤を答案上で繰り返し、何とか検討をつけて、計算にまで持ち込んで、答えにたどり着く・・・それでも、どこかの過程で計算を間違え、どこかの過程で勘違いしてしまうと、正解にたどり着けず・・・やっぱり0点なんですよね。

 

なんにもしなくても0点。

 

悪戦苦闘しても0点。

 

算数は残酷です。

 

社会や理科の暗記分野であれば、暗記しただけ比例的に成績は伸びる(算数も基礎的なレベルの問題であれば比例的に成績が伸びる)のですが、難関校の算数は、「突然ニョキっとできるようになる」ような気がします。

 

これをじっくり待ってあげられるか、「ニョキっと」できるようになるまで何とかモチベーションを維持してあげられるかが親力の見せ所なのかもしれません。

 

そんなうちの息子にとって、今年の開成の算数がめちゃくちゃ簡単だったことは、幸運以外の何ものでもありませんでした。

 

続く

 

おつきあいいただけますと光栄です。

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