脳の海馬という部位に入った情報は、必要な情報、不必要な情報に
分けられ、必要な情報は側頭連合野という部位に移動します(これが「記憶」)。
前頭葉の指令で、側頭連合野から前頭葉へ情報が移ると、「思い出した」状態。
ハイパー記憶症候群!人生の全ての出来事を脳に刻む男
リック・バロン氏 (現在53歳)
彼は、世界でたった4人しかいない「超記憶症候群」の1人。
超記憶症候群(ハイパーサイメスティック・シンドローム)とは、通常 時間と共に
薄れていく幼い頃から体験してきた出来事を、細かな事まで全て正確に
覚えている驚くべき能力。
13歳から現在まで、見聞きした事が日付と共に全て脳に刻まれるようになった。
一般的には、「出来事」と「いつ」を別々に記憶すると考えられている。
だから、「出来事」を思い出しても、「いつ」だったか思い出せない事が多い。
だが、リックは「出来事」と「いつ」をセットで記憶していると考えられる。
その為、時間が経ってからも「いつ」の「出来事」だったのかハッキリ思い出せる
というのだ。
リックには、昨日の記憶と何十年前の記憶が同じ距離感で存在しているという。
その為、「懐かしい」という感覚を感じたことが無いらしい。
また、リックの記憶には、「楽しかった」 「悲しかった」という感情が無い。
一般的には、「出来事」と「感情」の記憶は密接に結びついているが、リックの
場合は乖離しており、呼び出され難い。
超記憶症候群では、海馬での情報の振り分けが行われず、全て記憶していると、
考えられている。完全記憶(トータル・リコール)。
全ての情報が等価であり、何が重要な情報か分からないのだ。
高い記憶力は羨ましいと思いますが、リック氏の場合、記憶というよりも、「記録」
の様に感じてしまいます。
また、「懐かしい」というのは時間経過の感覚ですから、それが無いという事は、
リック氏の時間感覚は一体どうなっているのか・・・(;´Д`)
では、感情が伴えば良いのかというと・・・
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