『ベストハウス123 SP』 「記憶」その4 | パンデモニウム

パンデモニウム

日々の気になるコト・モノを万魔のごとく脈絡なく取り上げていきます

※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

最後は、


記憶力を失ったまま出産した母!壮絶育児に起きた脳の奇跡

岡本紀美さん (現在39歳)


パンデモニウム-岡本紀美

紀美さんは、10歳の時、交通事故で頭を打ち、脳挫傷に。
命は取り留めたものの、高次脳機能障害の一つ、記憶力の極度の低下が
起こった。
事故にあう前の記憶は、残っていたが、事故後の新たに経験する事を記憶
出来なくなっていた。
普通の生活すら出来ず、自殺を考えた事も有る。

30歳になった紀美さんは、通っていたリハビリセンターで岡本法之さんと出会う。
彼は、すぐに忘れてしまう紀美さんにとことん付き合ってくれた。
二人で過ごす時間が長くなると法之さんの事を忘れなくなった。
1年後、二人は結婚。
そして、紀美さんは34歳で妊娠。
紀美さんは固い意志を持って、長男・由聖君を出産。

しかし、自分が赤ちゃんに何をしたのか、何をしてないのか、記憶力のない
紀美さんには、全く判断できかった。
紀美さんは、育児に関することを全て克明に記録することにした。
やらなければならないこと、何をどこに置いたかなど書いた紙を家中に貼った。

そして3年後、何と紀美さんは由聖君に関することは、覚えられるように
なっていた。
絶対に戻らないと言われていた紀美さんの記憶力。
眼窩面(がんかめん)は、モチベーションや行動力を高める脳の部分で、
女性が我が子を見ると、眼窩面が著しく活性化する。
それが彼女の記憶力を復活させたと考えられるのだ。


映画 『メメント』 では、10分間しか記憶を保てない男が主人公でしたが、
経験した側から忘れていくのは、生活が出来ないのは勿論ですが、
全く足場の無い、自我を揺るがす様な恐怖を感じるのではないでしょうか?

こうして「記憶」について観てくると、記憶は知性の前提ともなる能力で、
当たり前の様に在る事が、如何に奇跡的なことか。
(『アルジャーノンに花束を』 の事なども考えつつ)

脳だけでなく、心身共に絶妙なバランスの下に存在してるのだと思いました。