東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ -25ページ目

パンカーダ田園調布 店内の様子

8月もいつの間にかもう後半。

まだまだ暑いものの、陽が暮れる速さに、秋の訪れを感じます。

 

 

 

日暮れ時のパンカーダ田園調布の店内の様子をご紹介いたします。

 

 

 

ランプの灯が映える時間。

 

 

 

 

ヴィクトリアンのキャビネットとサロンセット。

ダークマホガニーの古艶とローズウッドの杢目の饗宴。

 

 

 

 

 

 

 

まだ明るさが残る窓際。

ステンドグラスを通った光が、キャビネットのアンティークグラスに映りこみます。

 

 

 

 

 

 

 

デスク廻りは機能的かつ美しい品々でまとめて。

 

 

 

 

 

マホガニーのミラーに映りこむブラケットと店内の家具。

 

 

 

 

 

ご来店、お待ちしております。

 

 

by N

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暑い日にシャンディ・ガフはいかが?

全国的にまだまだ真夏日が続いております。

 

 

 

 

 

そんな日に、涼し気な飲み物をご紹介いたしましょう。

 

 


シャンディ・ガフ。

 

略してシャンディとも呼ばれるビールベースのカクテルです。

 

一般的にはビールとジンジャーエールは同量、先にジンジャーエールをグラスに注いでから、そっとビールを注ぐ・・・という作り方。ポイントは、どちらも良く冷やしておくこと。

 

 

もともとのシャンディ・ガフはジンジャー・エールではなく、ジンジャー・ビアとエールで作っていたといいますが、現代では通常のビールとジンジャーエールで作ることが多いようです。

 

ビールの数×ジンジャエールの数だけ味があり、配分もお好みによりますので、組み合わせは無限大。
ただ、英国のパブにおいては、どちらかといえば女性が飲むもの、といった印象が強いような気がいたします。

 

 

 

 

 

前のことになりますが、ロンドンのパブでは「シャンディ・ガフ」ではなく「シャンディ」と呼ばれていたこと、オーダーすると大きめのボウルのような脚付きグラスでサーヴされたことがありました。

 

 

 

 

 

色は薄め、炭酸強め、味わいすっきり。
確かにビールより軽く、苦みが抑えられて飲みやすく。
アルコールが得意ではない私としては、「これはいい飲み物を覚えた」と思ったことを覚えております。

 


・・・ということで、日本で簡単に手に入るビール(ノンアルコール)+ジンジャーエールで、シャンディ・ガフを作ってみました。

 

 

まずひとつめは「サントリー・オールフリー」+「カナダドライ・ジンジャーエール」。

 

 

 

そして、ふたつめ、「アサヒ・ドライゼロ」+「カナダドライ・ジンジャーエール」。

 

 

 

まずはジンジャーエールを先にグラスに注ぎ、後にそっとビールを加え、軽くステアします。割合は「1:1」。

 

 

 

 

 

 

スタッフで飲み比べた結果、最もお勧めは「アサヒ・ドライゼロ」+「カナダドライ・ジンジャーエール」にライムを絞ったもの。

 

 

オールフリーですと、もともとがフルーティな味なので、ジンジャーエールを混ぜるとほぼジンジャーエールとなってしまいました。

 

ドライゼロはすっきりとしたビールの味わいが強く残り、頃合いの「シャンディ・ガフ」になったような気がいたします。

ライムを絞ればちょっと特別感がでて、おもてなしにもよいかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 


まだまだ暑い夏の夜。

 

 

いつもとは少し違った気分で喉を潤したい時に、試してみてはいかがでしょうか。

 


by N

 

 

 

Dog Days-夏が暑いのはシリウスのせい?

毎日暑い日が続いております・・・。

 

 

こんな暑い日を英語で「Dog Days/犬の日」と表現するのですが、今日はそのお話。

 

 

いつ、誰が言い出したかは定かではありませんが、古代ローマからその表現がみられるといいます。北半球では夏になると、オオイヌ座のシリウスが日の出と共に現れ日の入りと共に沈むため、古代の人はこのシリウスの影響で夏がとても暑くなると信じていたとか。

 

 


A 9th-century astronomical manuscript
including an illustration of the constellation "Sirius"

 

 

 

この表現はドイツやイタリア、フランス、そしてもちろん英国でもみられます。

少し近年になりますが、ディケンズの名作「クリスマス・キャロル(1843年出版)」にはこんな表現があります。



STAVE I
MARLEY’S GHOST
...A frosty rime was
on his head, and on his eyebrows, and his wiry chin. He carried his
own low temperature always about with him; he iced his office in the
dog-days; and didn’t thaw it one degree at Christmas.....


第一章
マーレーの亡霊
・・・頭上もまゆ毛も霜がふりつもっているかのように白く、顎はとがっていた。
彼の冷酷さは盛夏ですら事務所を冷たくし、クリスマスだからといってその冷酷さがゆるむようなことは少しもなかった。


「summer/夏」ではなく「dog-days」という表現で、よりスクルージの冷たさを表現しています。

 

 

 

 


そんな「dog-days」にお疲れの皆様へ、「犬」にちなんだ名言をひとつご紹介いたしましょう。

 

Histories are more full of examples of the fidelity of dogs than of friends.

歴史は、友人の忠実さよりも犬の忠実さの例でいっぱいである。

-Alexander Pope/アレキサンダー・ポープ(英国の詩人:1688-1744)

 

 


Portrait of Alexander Pope.
Studio of Godfrey Kneller.
 c. 1716

 

 

 

 

納得しつつも、納得してしまう事が少し悲しい名言です。

 

 



Waiting for Master by Arthur Wardle(1885)

 

 

暑い日は古代ローマ人のように「シリウスのせい」とぼやきつつ、犬の可愛さでイライラをおさめてみる・・。

 

 

少しは気が紛れるかもしれません。

 

 

 

ハンティングモチーフステッキスタンド(部分)

1900年代 英国 ブロンズ製

http://pancada.net/item/cat54/post_1549.html

 

 

 

 

 

残暑お見舞い、申し上げます。

 

 

 

by N

 

 

 

アッシュ/トネリコ:世界を繋ぐただひとつの木

さて、今日はアッシュのお話。

 

 

 

英語の俗名はヨーロピアンアッシュ、コモンアッシュ、イングリッシュアッシュ。
日本語ではセイヨウトネリコ。
学名ではFraxinus excelsior。

 

 



Study of ash trees  by John Constable 1817
from V&A collection

 

 


トネリコといえば、ハリー・ポッターに登場するロン・ウィーズリーの杖としても有名。
(芯に一角獣のたてがみが入っていますが)


でも、さらに有名なのは「ユグドラシル/世界樹」としてではないかと思います。

 

 


"The Ash Yggdrasil" by Friedrich Wilhelm Heine 1886

 

 

 


世界樹とは、北欧神話に登場する1本の架空の木。

 

アースガルド(アース神族の世界)、ミッドガルド(人間の世界)、ヨーツンヘイム(巨人族の世界)、ニダヴェリール(小人の世界)、ヘル(死者の王国)などの異なる9つの世界をすべて含んでいると考えられていました。

 

ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」にも登場し、多くの作家や芸術家たちに影響を与えてきた世界樹は、トネリコの木である、というのが通説となっています。

 

 

 

Hoffman's 14 set designs (number 1)
for Wagner's Der Ring des Nibelungen opera in 1876

 

 

 


ヨーロッパでは古くからオーク、エルム等とならび、馴染のある材でした。
特に英国では「オークに次ぐ有益な木」とされ、“Husbandman's tree”の別称をもつほど。

生木でもよく燃えるため薪として利用され、生活には非常に役立ちました。
また曲げやすく、衝撃に強いため、家具はもちろん弓やハンマーの柄などの持ち手に、後年には野球のバットや飛行機や自動車のフレームとして使われていた時代もあったようです。

 

 

 


伝承を調べれば、ウェールズにおいては魔除けであり、トネリコの枝から作った十字架を身につける習慣があったとか、一方で魔女のホウキはトネリコ製であるとか・・・枚挙にいとまがありません。

 

 

 The Lancashire Witches by William Harrison Ainsworth 1848

 

 

 


恐らく、いつでもそばに在り、生活に密着した木であったからこそ、説明のつかない様々な事象をトネリコの木になぞらえてみることが行われたのではないでしょうか。

 

 

アンティーク家具においてはそれほど多くはないものの、トネリコ/アッシュ材の家具は心を寛がせるような優しい質感を持っています。

 

 

カーヴドレッグキャプテンズチェア
素直な美しい杢目のアームチェア
http://pancada.net/item/chair/cat48/post_1411.html

 

 

 

 


インレイドショーケース
トネリコ材の優しい木質感とインレイの端正な仕上りを持つショーケース
https://pancada-brisa.net/?pid=124083769

 

 

 


一見素直で優しく、それでいて多くの伝承を纏う材。
深いヨーロッパの歴史を味あわせてくれる木として、ゆっくり堪能してみてはいかがでしょうか。

 

 


by N

*トネリコ属にはアッシュやタモなど多くの種類がございますので、今回のお話はその1説としてお考えください。

 

オーク:聖なるものと邪なるもの

森の王、力の象徴、聖なる木・・・としてご紹介してきたオーク。

 

 

でも皆様、指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)などで登場する、恐ろしい形相をした明らかに悪い怪物のことも、「オーク」と呼ばれていること、気になりませんか?

 

 


The Binley Oak by Edwin Brown 1848

 

 

 


木のオークの綴りは「Oak」。
これは、そのまま「オーク」と発音されます。

 


一方で、怪物のオークの綴りは「Orc」もしくは「Ork」。
発音は、しいていえば「オー(ッル)ク」。

 

 

まず、指輪物語の作者であるトールキンは、英文学最古の叙事詩と言われる「ベオウルフ」*注1*において、ゾンビに似たグレンデルの種族について「オーク=ナス/Orc-néas」という記述があることから、登場する怪物を「オーク」とした、といわれています。

 

 

 

ベオウルフ写本

 

 

 

また、もっと古くから海の怪物を指す言葉として、「Orca/オルカ」という言葉がありました。

 

さらに、北ヨーロッパの伝説に登場する鬼は「Ogre/オーガ・オグル・オーグル」。凶暴で残忍な性格であり、人の生肉を食べるとされています。スカンジナビア半島の国々ではオーガはトロールとつながっていきます。

 

 

 


Le Petit Poucet /the little thumb , by Gustave Doré /1832-1883

 

 

 

 

 

どの怪物にもスペルに「O」と「R」が含まれています。

 

 

さて、多くの日本人が苦手とする英語の「R」部分の発音。これがあるのとないのとでは、意味は全く異なります。ここが異なっていると、ネイティブの人は、本当に理解できない・・らしいのです。

 

 

 

 

 

不肖私めの体験談をひとつ。


英国に住んでいた頃。ある日、ラッピング用のリボンが欲しくて文房具屋兼ギフトショップみたいな店の店内を探すも見当たらず。お店の若い女性に「リボンはありますか?/Have you got a Ribbon?」と聞きました。


・・・全然通じません。


あれ、リボンって英語じゃなかったんだっけ、とあせりながら、店内にあるひも状のものを探し出し、「Something like this! More Beautiful! for the Gift!」などと言ってみると「Oh! Ribbon!!」と、やっと合点がいったようでした。


まあ、でてきたリボンは私が期待していたものとは全然違っていたので、買うことはなかったのですが・・。ごめんなさい。

 

 

 

 


余談が長くなりました。


つまり、怪物の「オーク」の発音の中に、多くの日本人が苦手とする「R」の音が入っている、ということです。指輪物語の「オーク」の日本語訳も、いっそのこと「オーッルク」とでもしたほうが良いのではないか・・・と個人的には考えております。(もっと違う理由があるのでしたら失礼いたしました)

 

 

 


A Victorian illustration of an ogre.

 

 


いずれにしても、似た音をもっている聖なる木と邪なる怪物。古くからヨーロッパの人々が発音しやすく、伝えやすい音であったからこそ、正反対の性質をもちながら、どこか深いところで繋がっているような気がいたします。

 

 

 

ヴィクトリアン ソリッドオークボックス

無垢オーク材の質感が存分に味わえる名品

http://pancada.net/item/cat54/post_1664.html

 

 


オークの古い木肌をなでながら、ケルトの伝説から指輪物語まで様々なエピソードを頭に巡らせてみる。

 

そんなひとときはいかがでしょうか。

 

 

 

パンカーダのオーク・コレクションはこちらからご覧ください。

 

by N

 

 

*注1*
ベオウルフ(もしくはベーオウルフ)/Beowulfとは、英文学最古の伝承の一つ。8世紀から9世紀くらいに成立したと思われており、デネ(デンマーク)を舞台とし、主人公である勇士ベオウルフが夜な夜なヘオロットの城を襲う巨人のグレンデルや炎を吐くドラゴンを退治するという英雄譚です。
ファンタジーの源流ともいわれ、「指輪物語」のジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンも、その魅力に取りつかれた研究者の一人でありました。

 

 

鵜の木のタピオカ専門店

最近ブームのタピオカ。


実は、パンカーダ田園調布最寄りの鵜の木駅そばに、しばらく前から小さなタピオカ専門店ができています。

 

 

 

 

きれいな空色のファサードに、清潔感のある白いインテリア。

 

 

 


私が行ったときには店主らしきお兄さんが一人でオーダーから調理まで頑張ってこなしておりました。

 

 

 

 

先にオジサマ二人。
私のオーダーと同時にUberEatsの集荷。
私の後にはおばあさま。

ブームもあるかとは思いますが、地元に愛されている感じが伝わってきます。

 

 

 

「タピオカ仙草ゼーリーミルクティー」と「タピオカチョコレートミルクティー」をオーダーしてみました。

 

 


シーラーは可愛い金魚のイラスト付き。

 


タピオカはモチモチ感強く、芯が少し歯ごたえがあってわずかに黒糖のような風味が。
暑気あたりにも効くという仙草ゼーリーは体に良さそうな味がします・・・。

 

 

 

 

 

鵜の木駅からパンカーダ田園調布にお越しの際に、立ち寄られてみるのはいかがでしょうか。

 


BUBBLE Ü
タピオカ専門店
東京都大田区鵜の木2-16-19
https://www.instagram.com/bubbleu_tokyo/

 

 

by N

マホガニー:桃花心木と書いてマホガニイと読む


「桃花心木」。

 

なんとも縁起の良さそうな、まるで桃源郷に生えていそうな木の名前。
これが、日本の漢字で表現された「マホガニー」です。

今日は伝説とは少し異なりますが、日本でのマホガニー材について少しご紹介させてください。

 

 


チッペンデール ウィンドアウト ダイニングテーブル

迫力あるマホガニーの杢目が美しい

1900年代英国

http://pancada.net/item/table/cat43/post_1658.html

 

 


もともと南洋材であったマホガニーは、日本ではほとんど馴染がない木材だったと思われます。

日本人が家具や内装材としてマホガニーを認識しだしたのはいつ頃だったのでしょうか。

 

 



An engraving from A panorama of professions and t

rades by Edward Hazen (Philadelphia, 1837).

 

 

 

 

例えば、今は無き旧帝国ホテル本館を設計した巨匠、フランク・ロイド・ライト/1867-1959。

 

 

 


Frank Lloyd Wright portrait 1926

 

 

 


彼が1920年代初頭に設計、1924年に竣工した旧山邑家住宅の造作家具や建具にはマホガニー材が使われています。日本の材の杢目が自分の設計のテイストに合わず、あえてマホガニー材を指定したといわれています。

 

 

初めてマホガニー材をみた日本人は、どう思ったのでしょうか。
まるで、美しい桃の花を芯に秘めたような輝きを感じ、「桃花心木」と当て字をしたのかもしれません...。

 

 


同時期の1920年代頃(大正時代)、小説でこんな表現がみられます。なお、( )内はふりがなとして表現されています。

 

 

 


「いかにも、今迄(いままで)気が付かなかったが、其処の小さい桃花心木(マホガニイ)の卓の上に、卓上電話が置かれていた。」真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛

 

 

菊池寛/1888-1948
(wikipediaよりパブリックドメインの写真)
1948年より前

 

 

 

 

「カミンも赤あかと火を動かしていれば、そのまた火(ほ)かげも桃花心木(マホガニイ)のテエブルや椅子(いす)に映(うつ)っていた。」彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介

 

 

 

芥川龍之介/1892-1927

(パブリックドメインの写真)

出典 :『芥川龍之介(新潮日本文学アルバム)』


 

 


どこか新しく、そして美しさを感じる文言を見逃さない文人たちが競うように表現に使った「桃花心木」。

 

 

 

インレイド サーベルレッグ ネストテーブル

マホガニー材に線状の象嵌細工

1920年代英国

http://pancada.net/item/table/cat44/post_1638.html

 

 

 


英国のアンティーク家具には、まさにその表現に合うような、輝く杢目を秘めたマホガニーが使われています。


パンカーダの「桃花心木」コレクションはこちらからご覧ください。

 

 

 

by N

 

参考:
フランク・ロイド・ライト設計旧山邑家住宅 現在はヨドコウ迎賓館として一般公開中
https://www.yodoko-geihinkan.jp/

 

 

 

ウォールナット:強くて悲しい妙なる木

 

ウォールナット、胡桃の木。


家具史においては17世紀後半から18世紀にかけて「ウォールナットの時代」といわれるほど重用された材。

 

 

 

Walnut Tree in a Thomery Field
by Alfred Sisley 1880

 


加工がしやすく、割れや狂いも少ないことからまず家具に。
また重さの割合には粘りがあり、衝撃にも強いことから銃床に。

 

 

そして、磨けば光沢を発し塗料ののりもよく、落ち着いた色合いと重厚な木目が評価され、高級家具の材としてなくてはならないものとなってゆきます。根元の瘤部分は切断面が独特の杢目を持つため、薄く加工して化粧材・バーウォールナット/Bar Walnutとして珍重されてきました。

 

 

 

 

シェイプドオーバルトップストレッチャーテーブル

バーウォールナットの見事な杢目

http://pancada.net/item/table/cat43/post_1419.html

 

 

 

 

   

そんな材としての華やかな印象を持つウォールナットですが、木としての「胡桃の木」は何故かちょっと悲しいはなしが多いのです。

 


イソップ寓話にこんな話があります。

 


道の真ん中に生えている為に、通りかかる人から石をぶつけられてばかりいる胡桃の木がなげきました。
「なさけない事だ。普通なら、おいしい木の実がなるおかげで、みんなから大切にされるところなのに、こんな場所に生まれたばかりに、こんな痛い目に合わされるとは」

 

 

 

Alciato's Emblem 193, based on the fable(寓話)
イタリアの法学者アンドレーア・アルチャート(1492-1550)による
エンブレム集(木版画と銘文が一体となったもの)193より
「fable」は「寓話」

 


また一方で、イソップ寓話のなかに少し違うバージョンもございます。


道端に生える胡桃の木は、たわわに実ったクルミにうんざりしていました。その実を採ろうと、道行く人々が石を投げたり、棒を使ったりして枝を折っていくからです。胡桃の木は悲しそうに声を上げました。「なんて惨めなんだろう。わたしの実は人々を喜ばせているのに、そのお返しに、わたしはこんなに苦しい思いをしているのだから!」

 

 

 

Two old walnut trees (Juglans regia)

growing by a country lane and sheltering

some cows and their minders.

Lithograph after G. Barnard, c. 1849.

 

 

 


どちらにしても、胡桃の木が人のせいでつらく悲しい思いをしている・・・ということ。

 

 

実は、昔からクルミの木の下には他の植物は育ちにくいといわれてきました。現在ではクルミ科の木の根や葉、樹皮においてユグロンという酵素が生成されており、他の多くの植物の成長に害を与えるため、ということがわかっています。

 

そんなことから、昔の人々は、胡桃の実や材を重宝と思いつつも、どこか悪者のように思ってきたのかもしれません。

 

 

 


それくらい、人々の暮らしの側にあった胡桃の木/ウォールナット。


艶やかで華やかな杢目をみながら、他の植物を枯らすほどの強さと、少し悲しい扱いを受けてきた歴史をへと、思いを馳せてみてください。

 

 

 

クィーンアンスタイル チェストオンスタンド

130年余りを経た古艶をもつウォールナット

http://pancada.net/particular/cat77/post_1469.html

 

 

 


パンカーダのウォールナット・コレクションはこちらからどうぞ。

 

 

 

by N


*現在家具材として多く流通しているのは北米産のブラックウォールナットが多いと思います。
ここでは中世からヨーロッパで使われているヨーロピアンウォールナットのことをご説明しています。

 

 

イチイ:悲しきディアドラの愛を結ぶ木

ヨーロッパで馴染みの深い樹木としてイチイの木が挙げられます。


Yew/ユーと発音するこの樹木は、生命力が強く、永遠の命や復活の象徴とされています。

 

 

 


一方で、ヨーロッパでは教会の墓地に植えられることも多く、また有毒成分のあるイチイには「死」や「悲哀」といったダークな印象があります。

 

 

アイルランド神話ではディアドラという娘の逸話があります。
ディアドラが生まれる前、ドルイド僧カスバドは「とても美しい娘になるが、王と卿は娘のために争い、多くの血が流れることになるだろう」と予言し、「災いと悲しみを招く者」を意味する「ディアドラ」と名付けられました。

周囲の者はディアドラを殺そうとしますが、アルスター王コノール・マク・ネサは後に自分の妻とするとして、世間から隔離してディアドラを育てることにしました。

 

 

 

"Deirdre's Lament", drawing by J.H. Bacon, c.1905.

 

 

 

美しく成長したディアドラは、ある時、騎士ノイシュに出会い、恋に落ちてします。スコットランドへと駆け落ちする途中、王の策略によりノイシュは殺されてしまいました。
王のもとへ連れ戻されたディアドラは、馬車から身を投げ、自ら死を選んでしまいました。

ディアドラとノイシュの墓からはイチイの木が生え、二本の木は枝を絡ませ、誰も引き離すことはできなかったといいます。

 

 

 

 

悲しい一面もあるイチイですが、木材としては優れた材であり、イングランドやウェールズでは古くからロングボウ(長弓)に使われていました。

 

百年戦争におけるクロシーの戦いではその威力を発揮し、銃が登場してもなお17世紀初頭まで使用されたといいます。

 

 

 

左:クロスボウを使うフランス軍   右:ロングボウを使うイングランド軍

The Battle of Crécy, from a 15th-century

illuminated manuscript of Jean Froissart's Chronicles

 

 

 

 

イチイの材質はロングボウのしなやかな強さを叶えました。

強いものには美しさも備わるのでしょうか、ロングボウの均衡のとれた曲線は家具のデザインにも取り入れられ、優美なシルエットをつくり出します。

 


ウォールナットの古艶輝くサイドボードは、要所に曲線が配された格調高く壮麗な佇まい。

 

ボウフロントミラーバックサイドボード

http://pancada.net/item/sideboard/post_1049.html

 

 

 

 

流麗なカーヴとマホガニーの高級感をあわせもつキャビネット。

 

エドワーディアン ボウフロント コーナーキャビネット

http://pancada.net/item/cabinet/post_1544.html

 

 

 


古い物語をもつ樹木は、木材でつくられるアンティーク家具にさらなる魅力を授けます。


時に耳を傾け、遠く想いを馳せるのもまた、贅沢なひとときではないでしょうか。

 

 

 

エドワーディアン ボウアーム パーラーチェア (a)

http://pancada.net/item/chair/cat48/_a.html

 

 

 

by A

*神話には諸説あり、翻訳、解釈は異なる場合がございますことをご了承ください。

 

 

「マツコ&有吉 かりそめ天国」ロケのご報告

昨夜、放送された「マツコ&有吉 かりそめ天国」ご覧いただけましたでしょうか?

 

 

 

残念ながら山根さんに当店でお買い物はしていただけませんでしたが、ステンドグラスの美しさをより多くの方に伝えられたのではないかと思っております。

 

 

 

 

今日は少しだけ、ロケの様子をご紹介いたします。

 


ロケには、カメラ、音声、照明を担当するスタッフさんを始め、数人のチームがやって参りました。

 

 

 

簡単な打ち合わせのあと、すぐに本番。

エレベーターのドアからいきなり山根さんが登場し、当店スタッフがお出迎え。

ぞろぞろとスタッフさん達が二人を囲みながら奥へと移動していきます。

 

 

 

 

 

この向こうに山根さんと当店スタッフ、そしてステンドグラスが。
右端に山根さんの細い体が少しだけ覗いています。

なにをしているのか、全然見えません・・・。

 

 

 

 

 

山根さんは実際にお会いすると、ひょろりと背が高いのはそのままに、とても優し気で親しみやすい雰囲気。画面で見るより、ずっとずっと素敵な方でした。(それも失礼でしょうか・・?)ロケの合間に、当店のアンティーク家具を見ていただきました。

 

 

 


担当のスタッフの方には、初めのお話から様々な調整まで大変お世話になりました。有難うございました。

 

 

 

7月3日夜までは、GYAOにて無料の見逃し配信も行われておりますので、お時間ある方は是非ご覧になってみてください。(パンカーダの登場は39分40秒くらいからです)

 

 

さて、番組で紹介されたのはこんなステンドグラスでした。

 

 

 

大迫力の帆船を描いたステンドグラス

http://pancada.net/item/stainedglass/50000/ship.html

 

 

 

 

 

「王の肖像」

ジェームズⅠ世と思われるステンドグラス

http://pancada.net/item/stainedglass/50000/kings_head.html

 

 

 

 

 

 

他に、ウェブサイト未掲載のステンドグラスも注目を浴びておりました。

 

 

中央の小鳥が可愛らしいステンドグラス

 

 

 

 

全て、パンカーダ田園調布にて展示中。ウェブサイト未掲載のお品物につきましてはお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

そして、是非ご来店をお待ちしております。

 

by N