ちょっと変わった“古生物本”を執筆しました。
もしも、“あの古生物が絶滅しなかったら”がコンセプト。
もしも、6600万年前の隕石衝突がなければ、あの肉食恐竜はどのように進化したのだろう?
もしも、あの“水辺に強い”とされている魚食恐竜が、“もっと水棲適応”すればどうなっただろう?
もしも、あのカンブリア紀の王者が……
もしも、クジラ類が海洋進出を果たさなければ、そのとき、他の海棲動物は……
そんな「ifの物語」を合計25話用意しました。
その25話で登場する“if古生物”は、31種です。
監修は、名古屋大学の藤原慎一博士と、新潟大学の椎野勇太博士。
お二人とも古生物の機能形態を研究する専門家です。
そして、イラストレーターに、服部雅人さん。
さらに、すべての“if古生物”に学名(種名)をつけています。
種名はラテン語で表記されます。
この監修は、学名に関する著書のある松田眞由美さん。
各話には、「こうした背景をもとに」「こんなif古生物を」創造したとの解説をつけました。
もちろん、完全な想像ではありません。
個々の動物群の系統からみる進化の傾向。
その時代の生態系。
動物群ごとの大事な特徴。
さまざまな学術的視点から推測しています。
……とはいえ、大仰に構える必要はまっっっったくございません。
気楽な気分で、「お、こんなコがいたら、オモシロ!だったのに……」など、私たちが創造した“可能性”を気軽に味わってください。
ただし、学術情報は日進月歩。異論も異説もあります。
今回採用したのは、そうした多数の説の中の一つです。
採用する仮説、情報。
たくさんの選択肢。
どれを選ぶかによっては、創造される“if古生物”の姿も変わります。
本書の“一歩先の楽しみ方”として、「いやいや、私だったら、こう考えちゃうね!」と、あなたなりの“if古生物”を創造していただければ、著者としてこれに勝る喜びはありません。
気軽に、でも、少しアカデミックに、知的好奇心と知的探究心で、みなさんの想像と創造の翼を広げてみてください。
2年半前に企画を始動させたときは、まさか、こんな不安定な情勢下での上梓になるとは考えてもみませんでした。
でも、こんな時だからこそ、本書と本書から始まるエンターテイメント・サイエンスで、みなさんが少しでも笑顔になっていただければ幸いです。
気になったぞ、という方はこちらへ
↓
【土屋の類書】
実は「もしも、あの古生物が絶滅しなかったら」というコンセプトは初でありません。
「進化」をテーマにしておらず、「もしも、あの古生物が現代にいて、食べることができのなら」という1冊がこちらです↓ あわせて、お楽しみください。
【告知】
オンライン仮想空間clusterで開催されている「どこでも博物ふぇす! 零」において、2021年2月6日(土)夜に本書に関する講演を行います。
本書がお手元にあってもなくても、大丈夫。
21時30分と夜遅くの開始なので、気軽な気持ちで、お手元にドリンクでも用意して、ご参加ください。
詳細は
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