水際の興亡史 から2年。
『興亡史シリーズ』の“第2巻”を上梓しました。
タイトルは、『 無脊椎の興亡史 』です。
特定のテーマに沿って、特定の分類群を化石の写真と美麗なイラスト、わかりやすいテキストで綴っていくシリーズ。
時代順で刊行した 黒本 は、2010年代のサイエンスライター土屋健の代表作となりました。
この「興亡史シリーズ」は、2020年代の代表作となることをめざしています。
この本は、無脊椎動物……つまり、“骨なし”の古生物たちがびっしりと詰まっています。
表紙は、2021年に報告されたアンモナイトの新種、「ソルマイテス」!
本書には、8つの古無脊椎動物グループを収録しています。
1:エディアカラ生物群
生物がまだ、“活発に動き回る”ことがなかった時代。「楽園」と呼ばれる時代の生き物を収録しました。
2:ラディオドンタ類
いわゆるアノマロカリスの仲間たちです。
3:ウミサソリ類
ラディオドンタ類の“栄華”を引き継ぐように、栄えました。
4:頭足類
アンモナイト類やその仲間たち、タコやイカなどもまるっと収録。アンモナイト類やその仲間たちの標本画像、バッチリです!
5:三葉虫類
カンブリア紀の新種多数、その後の時代のトゲトゲなコたちがたくさん!
6:腕足動物
古生代の海で栄えた“2枚の殻”をもつものたち。ちょっと変わった種も多く収録しています。
7:二枚貝類
中生代以降の海で栄える“2枚の殻”をもつものたち。
8:昆虫類
シメは、陸棲の無脊椎動物を。
「エディアカラ生物群」「ラディオドンタ類」「ウミサソリ類」「三葉虫類」については熊本大学の田中源吾さんに、「頭足類」は株式会社ジオ・ラボの栗原憲一さんに、「腕足動物」は新潟大学の椎野勇太さんに、「二枚貝類」は産業総合技術研究所の中島礼さんに、昆虫類はパリ国立自然史博物館の大山望さんにご監修いただきました。二枚貝類には、私の化石の師匠の一人である利光誠一さんにもご協力いただきました。
イラストは、かわさきしゅんいちさん!
約60点の描き下ろし作品群をご堪能あれ!
そして、世界各地の研究者のみなさん、博物館関係者のみなさんからお借りした化石画像の点数は、約260点!!
興亡史シリーズは、 黒本 を楽しんでいただけるような、「化石が好きな、古生物が好きなみなさん」に「より好きになっていただく一般書」です。
アノマロカリス、三葉虫、アンモナイトなどなど、「あ、聞いたことがある」「もっとみてみたいぞ」という方々、ぜひ、お楽しみください。
ようこそ、科楽の世界へ。
なお、 黒本 や 水際の興亡史 をお読みでなくても、まっったく支障ございません。
ご安心を。
ただし、このシリーズを書棚に並べると、かなり映えます(^^)
気になったぞ、という方は、たとえば、こちらで。
もちろん、書店でも!
(こちらも参考に→ honto )