インターフェロンとインターフェロン・インデューサー
インターフェロンは、今ではC型肝炎の特効薬として”薬”というイメージが定着しているが、もともとは身体の細胞がもっているタンパク質である。
異物が進入した際に、進入された細胞やそれを感知した細胞が出すサイトカインの一種である。
そのインターフェロンを周りの細胞が受取ると活性化して防御力を高める。また、免疫細胞も活性化して異物に対し、攻撃や排除を行なう。いわゆる非特異的免疫の一つであり、幅広く異物に対して効果を発揮する。
そのタンパク質を合成したり、微生物などを利用して複製したのが、薬のインターフェロン製剤であり、当初は腎癌や多発性骨髄腫で薬として承認され、様々な疾患で使用されているが、現在では主にC型肝炎や多発性骨髄腫などの治療薬として有名である。
しかし、副作用も強く、脱毛やインフルエンザ様症状、鬱症状などがひどく、使用が続けられないケースも多い。
■インターフェロン・インデューサー(誘発物)とは
もともと細胞が持っているインターフェロンであるから、その生体内の細胞から”自前のインターフェロンを出させれば、副作用も無い。という発想で、研究が進められてきた。
ある種のウィルスや細菌の出す毒素なども、細胞が刺激されてインターフェロンを産生する、ことはわかっていたが実用的ではなかった。
小島先生の第2の発見となったインターフェロン・インデューサーは、数十種類の漢方生薬の中から発見された。非常に高力価なインターフェロンを産生し、世界で初の発見となった。
活性基は高分子多糖体であった。その特定された生薬は、産地別、抽出条件別でスクリーニングすると、天と地ほどの効果の違いが出た。それを一つ一つ分析して、膨大な時間を費やし、遂に最高活性を持つ、産地・抽出条件別の生薬を発見(発明)したのである。
現在ネットで”インターフェロンインデューサー”と検索すると、膨大な商品が出てくるが、その中に科学的な根拠を持つものは、皆無に近い。アガリクスや○○キノコ、もろもろ、ほとんど売るためだけのものばかりで、醜悪極まりない。
ただし、ゲルマニウムとラブレ菌、一部乳酸菌に関しては、インデューサーではなく、エンハンサー(増幅)効果として機能するらしい。つまり、直接細胞からインターフェロンの産生を誘導するものではないが、インターフェロンを作りやすくしてくれるらしい。ただし、それも”引き金を引かなければ”インターフェロンは出てこないことになる。エンハンサーも大事ではあるが、インデューサーという言葉は不適切なのである。
ジステンパーウィルス消失②
それから立て続けに、イヌのジステンパーの症例が3例、治癒したとの報告があった。
「よし! ちょっと症例数は少ないけど、インパクトは非常にある。まとめて学会発表をお願いしよう」ということになり、早速先生に電話を入れた。
「先生は健康を崩されて暫く入院することになってしまいました。」と看護師の返答があった。
ちょっと肩透かしをくらったが、気をとり直して「退院のご予定はいかがなものでしょうか?」と聞いてみた。
「それが、よくわかりません・・・」との返事に、あまり詮索してはいけないと思い、気長に回復を待つことにした。
臨床で使用を始めてから、快調な滑り出しと思っていた矢先のことだった。
小島先生との出会いから3年が経過した時期だった。
しかし、今現在も、その先生は闘病中の身である。
センセーショナルな幕開けはお預けとなり、違う手段を考えなければならなくなった。
ジステンパーウィルス消失
「獣医の○○です。この間いただいたサンプルを、ジステンパーの犬に使用したら抗原反応が消えたんです」
やや興奮気味に電話があった。小島先生と知り合って2年が経っていた時期でした。
この先生は、学術的な方で毎週血液を採血し、検査センターとご自身が懇意にしている大学に分析を依頼していました。
「サンプル投与開始からNK細胞が活性化して、3週後にピークとなりました。そのあたりでウィルスの抗原反応が消えたんです。ちょっと信じられないので、もう少し経過を観察します」と、言うと電話を切りました。
小島先生が「ウィルス疾患は現在の医療ではまだ解決が難しい。ウィルスは細胞内に進入し増殖をするから、抗ウィルス剤でウィルスを叩けば、自分の細胞にもダメージを与えてしまう。翻ってインターフェロンは、ウィルスを直接殺すのではなく、まだウィルスが進入していない周りの細胞を活性化して防御力を高めさせ、また免疫担当細胞も増強させて、ウィルスを直接攻撃させる」という言葉を思い出し、もしかしたら生体内で、そのとおりの作用があったのか・・・・? と期待感が湧き上がってきました。
数ヵ月後、再度連絡があり「検査センターからの報告では、なんどやっても抗原反応がない。どんな方法を行なったのですか?と問合せがきて返答に困ったよ」とのことでした。「それでは先生、これでジステンパーが完治したと思っていいんでしょうか?」という私の問いに対して、「非常に興味深い。ただし完治という宣告は、もうしばらく待たないと言えない」と言われてしまいました。
「え~、まだですか!」と心の中で叫んだものの、「またウィルスが増殖してしまう可能性もゼロではない」という先生の慎重な言葉に、功を焦った自分に気付かされました。
「完治と言っても、いいでしょう」その報告が来たのは、もう忘れかけていた1年後のことでした。
あの電話があってから、1年間変わらず検査を続けてくれていたのでした。「いやー本当に驚きました。ジステンパーは症例的には多くないけど、発症したら成す術がないからね。」
結局サンプル投与開始から1年半検査を続けていただいた先生に、ただただ感謝するばかりでした。同時にこれか凄いことになるぞ!という期待がムクムクと沸いてきた瞬間でもありました。