ご覧いただきありがとうございます。
一級建築士である私自ら設計&デザインした物件について書いてます。
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このブログでも何度か取り上げている
「隣人問題」
子は親を選ぶことは出来ませんが、
施主は隣人を選ぶことが(たまに)出来ます。
(後に引っ越してくるような隣人は除いて…)
以前このようなことがありました。
家づくりの相談を受けているお客さんから、良さそうな土地が見つかったから調査をしてほしい、と。
このような話はよくあり土地の購入前に建築士に確認してもらうことは、家づくりにおいて良い判断です。
そして私はすぐさまその土地を現地まで確認しに行ったのです。
現地に着き、その土地を見てすぐにちょっと嫌な感じがしました。
霊的なものじゃないですよ…
その土地に隣接する敷地に、単管とブルーシートで作られた謎の小屋があるんです。
なんじゃこりゃと思い近くまで行きのぞいて見ると、タイヤやら車のパーツ?(私にはゴミにしか見えなかった)らしきものが、山のように積み上げられているのです。
ゴミ屋敷とまでは呼べませんが、住宅地のど真ん中でよくこんなことするな…といった印象です。
そんなことを思っていると、遠くからお婆さんがこちらに歩いてきます。
まさかこのゴミ山の主か?
と思ったものの、すぐ近くの小さな畑で農作業を始めました。
どうやらただの近所のお婆さん。
これはチャンスだと思いすぐさまお婆さんに話しかけます。
「こんにちは~、私住宅会社の者でこの土地の調査してるんですよ、ちょっとお話伺っていいですか?」
「ああ、そうですか。なんでしょう。」
快くお話を聞いて下さるとても良い方。
「実はそこの土地(ゴミの山)なんですが、どんな人が使っているんでしょうか?」
「ああ…そこねえ…」
お婆さん苦笑い。そして周囲をキョロキョロ見渡す。そして小声で
「ちょっとそこの人は近所の皆が迷惑しててねえ…」
ほらきた!
嫌な予感的中。
「どんな迷惑を受けているんですか?」
お婆さんさらに小声になる。
ささやき女将レベルだ。
「この道路あるでしょ。『ここの道は俺の道だからあんたら勝手に使うな!』って言うのよ」
え?
この土地に辿り着くためにいま通ってきた道が??
「ちょっとどういうことですか??」
「ここは私道でね、この辺の皆がお互いに協力してるのよ」
なるほど~、私道だったか。
たしかにこの辺一帯は道がかなり狭い。
敷地セットバックしてたのかあ。
とはいえ、俺の道だから通るなはあり得ないな。
「それでね、今後裁判起こすことになってるのよ」
な?!
さすがに想定外。
どうやら近隣住民で、そのゴミの山の主(60代男性)を訴えるそうです。
「そうですか…大変ですね…」
もうこうなると、土地の方角がどうだとか、日当たりがどうだとか、問題じゃありません。
すぐにその場を後にして、お客さんに報告。
電話越しに絶句してるのが分かりました、もちろんこの土地は即却下です。
お客さんが私に相談せずに、この土地を購入してたかと思うとゾッとします。
今回は運よく近所の方に話を聞くことができたのですが、やはりこの方法がベストです。
というか隣人調査はこれしか方法がありません。
え?
不動産屋はそういう情報教えてくれないのかって?
基本的に隣人の情報までは把握していないでしょう。
仮に知ってても教えてくれるかどうか。
ちなみにこの不動産屋の担当は、この隣人についてある程度知っていたにも関わらず、お客さんには一切話していませんでした。
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