久しぶりにゴルフをした。ゴルフは誘われればやる程度なので趣味では無い。年に2、3度、会社の友人から「メンツが足りないから来てくれ」と声が掛かる。つまり私は人数合わせ要因なのだが、たまにでも声をかけてくれるだけありがたいと思い、喜んで誘いを受ける。久しぶりに友人達と顔を合わせ、近況を報告し、冗談言い合いながらプレーし、終わってからは美味い飯をたらふく食う。これがなかなか面白い。


実は友人達はゴルフよりも最後の飯の方がメインだったりする。美味い飯を食うため、まず飯屋を探し、その後に飯屋の近くのゴルフ場を探すのだ。

ゴルフで賭けをし、負けた人が飯を奢るのがルール。

友人は3人とも食べる事が大好きで、巨漢かつ大食いだ。3人の体重を合わせると300kg(牛か!) 美味い飯をたらふく食うために生きていると自分で言うほど。飯が食えなくなったら死んでもいいらしい。そんな人達だから、当然ながら健康診断では必ず引っかかり、医者からは「もう直ぐ死にます」とか「あなたの肝臓はフォアグラ状態です」とか「この数値で生きてるのは不思議なくらい」などなど散々警告を受けているのに、全くひるむ事なく食べ続けている。食事制限してダイエットするくらいなら、好きなものを好きなだけ食って早死にした方がいいらしい。因みに皆独身なので、誰からも何の制限も受ける事なく好きに生きている。

皆同年代なのでもうすぐ定年なのだが、雇用延長する気はさらさら無く、死ぬまでにどうやって金を使い切るかを現在検討中とのこと。


人それぞれ生き方というのはあれど、楽しみを制限され長生きする事より、短命でも好きな事して生きたいという、ある意味肝の据わった豪快な生き方を選択してるあたり、人として凄みを感じてしまう。


話はだいぶそれたが、ゴルフの方は、年に2、3度しかやらない健康体の私と、毎週ゴルフしてるけど糖尿病、リュウマチ等の病気持ち巨漢トリオとの争いになり、これが毎度接戦、舌戦になって面白い。今回は私の勝ちで飯をご馳走になった。負けたら大変、3人で物凄い量食べっかんね!


今回行ったお店は、ネットなどでも話題になってる定食屋。因みに彼らは「食べ放題」とか「ご飯お代わり自由」って店にしか行かない。ここはご飯お代わり自由のお店で、名物はミックスフライ定食。フライの種類と量が物凄く多い。ミックスフライを食えと勧められたが、揚げ物は最近食えなくなったと言うと、「そりゃ人生の楽しみ半分失ってるな」と言われた。

舟盛りで出てくるフライ盛り合わせ。これで一人前。



彼らはウヒャウヒャ言いながら楽しそうに丼の大盛りご飯を二杯食べ、更にデザートに特大焼きそばをブヒブヒ言いながらペロリと平らげ、とっても幸せそうだった。

大盛りの餡掛けかた焼きそば。餡が掛かってるからこれはデザートなんだって。意味不明。


この年になると、残りの人生どう生きようかを考えるようになるけど、人それぞれ色々な考えや選択があって、それを聞くのは良くも悪くも刺激になって面白い。


彼ら巨漢トリオが早死にしないことを祈る。




お次は、いずこの山へ






退職して二週間が経過。今は毎晩、明日は何をしようかを考えるのが楽しい。海へ行こうか、山へ行こうか。ただ一つ不都合がある。山へ行く際の車の運転が億劫なのだ。運転の負担が少ない近場の山へ行こうと思っても、平日は田舎のくせに一丁前に通勤渋滞などがあり、結構時間がかかってしまう。もっと簡単に山に行けないか?と考えて思いついたのが、バイクだ。バイクなら走ること自体が楽しいだろうし(多分)、時間的にも車より早く移動できる。更には燃費もいいので経済的だ。まさに一石二鳥いや、三鳥のこの案は満場一致で即可決。


バイクにはこれまで、16の時からの8年間と38からの2年間、計10年ほど乗ってきた。今回は20年ぶりのバイクになる。この年でバイクに乗れるのかどうか不安はあったが、一度バイクへの想いに火がついてしまったらもう止まらない。(←基本単純) 

もう一度バイクに乗りたいとの思いが抑えられず、直ぐにバイク屋へ!(←基本無鉄砲)


ピカピカの新車に乗る気は無かったので、中古バイク専門のチェーン店に行ってみた。予めこんな感じのバイクがいい、というのをイメージしたうえでバイク店に行ったのだか、店に入るなり自分のイメージ通りのバイクがあった。30年前の250ccの中古バイクだったが、見た瞬間ピピッときたのだ。これも何かの縁だと思い5分で即決。だが値段を見てビックリ!30年前の新車時の値段より高いのだ。昭和の時代の中古バイクは人気があることと、古いが故に整備に手間がかかるので値が張ってしまうそうだ。値段に見合うしっかりとした整備をお願いし、納車の日を待った。


納車されるまで、バイクで何処へ行こうか?などと考えていたら、たまらなく楽しくなった。近場の山へ行く時の足に使うのは勿論、ツーリングに行ったり、湘南サーファーのようにバイクにボードを積んで海に行くなんていうのもいい。遊びの幅も広がるだろう。


待ちに待って、ついに納車の日がやってきた。

バイクを受け取り早速海岸線をひとっ走り。最初はちょっと怖かったけど、海沿いの道を走るのはとても気持ちが良かった。けど、バイク自体は結構ポンコツ。やっぱ30年モノだけのことはある。あちこちでガタガタ、ビリビリ音がする。まあそれも古さ故の味と考えよう。


 SRV250 ルネッサ  



ガタは来てるけどエンジンは好調!いやーこりゃいいぞ!と、茨城の田舎道をヒラリヒラリと走り回る。だが、調子に乗りすぎた。気がつけばどこを走っているのか分からなくなった。ナビに慣れてしまっているので、ナビがないとあっという間に迷子だ。特に茨城の田舎道なんて、右へ行こうが左へ行こうがどこを走ってもメロン畑とサツマイモ畑ばかり、似たような風景が延々と続く。何度か路肩に停まりグローブを外してスマホで位置確認。これが結構面倒。バイク用のスマホホルダー付けなきゃ何処にも行けそうにない。



とりあえず何とか知ってる道に出て、家まで無事戻ってこれた。楽しくて80kmも走った。バイクを降りてまず思ったのが、バイクって疲れる。車の方が断然楽。当たり前だけど。車の運転の億劫さを解消するために買ったバイクだけど、あまり遠出は出来ないかも。まあでも面白いからいいか。

さてさて、これからどんなバイクライフが待っていることやら。

また楽しみがひとつ増えた!


30年前のバイクと60歳のリターンライダー



お次は、いずこの山へ









【定年退職】

5月末で38年間勤めた会社を定年退職した。

仕事では辛いことや苦しいことも多かったが、総じて今振り返ってみれば、いい職場、いい会社で働くことができたと思う。私のようなお気楽サラリーマンを雇い続けてくれた会社には感謝しかない。

私の職場はテレワーク勤務が基本なので、普段は会社に出社する人はごく僅か。なのでテレワーク時の退職って、最終日に出社してPCと携帯を返却して、一人ひっそり会社を後にするものと思っていた。だが、私の退職のためかどうかは分からないが、退職の日には意外にも出社される方が多く、皆さんに見送られて職場を後にすることとなり、ちょっと嬉しかった。


退職した今はとても清々しい気持ちだ。退職して10日ほど経ったが、生活的には退職前と何も変わりはない。退職前に有給休暇を使ってプレリタイヤ生活を経験できていたので、すんなりとリタイア生活に入れている。毎朝早起きしてサーフィンして、天気が良い日は山に登り、家の中では猫に遊んでもらう。そんな気持ち良い日々を送っている。


私は50歳の時に会社で「定年後のライフスタイルを考える」というセミナーを受けた。その時の学びが今の生活にとても役立っている。

セミナーの内容を要約すると、

「定年間近になって退職後の準備をするようでは遅い。50歳になった今から準備、計画しなさい」

というものだった。

私は60歳で退職してフリーダムな生活を送りたかったので、この教えに従い10年前からコツコツ貯蓄し資産運用も始め、遊びの面でも幅を広げて生活基盤を整えてきた。セミナーのおかげで、今はスムーズに無収入生活に入ることができている。といってもまだフリーになって10日しか経っていないけど。


兎にも角にも、そのようなセミナーを企画、開催し、学ばせてくれたて会社には感謝しかない。他にも仕事や人間性など、色々な面で自分のスキルをアップさせてくれた、ホントいい会社だったと退職してつくづく思う。


この先どんなリタイア生活が待っているのか、とても楽しみだ。生活面での不安はない。この先病気になるとかボケるとか、体調面では様々な事が起こるだろうが、それは防ぎようがない事なので心配してもしょうがない。平均寿命でいえば私の人生はあと20年ちょっと。それで終わり。既に人生は最終章に入っているので、終わりをしっかり意識し、会社で身につけてきた様々なスキルを活用しつつ、日々過ごしていきたい。


老いに抗いながら、残り少ない人生を思うがままに気持ち良く過ごしていこう。



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おまけのニャンズ


アタイ達はお気楽ニャンコ



お次は、いずこの山へ






【カレーなる日々】

前回の日々徒然で姉の話を書いたが、先日また海で姉に遭遇した。幽霊ではなかった。米国の家を引き払って帰国し、今は大洗に住んでいるそうだ。私は姉が苦手なのでそれ以上細かい話は聞かなかった。なんか行動が変なので、とりあえず関わらないでおこうと思う。


話は変わるが、私は一人暮らしなので毎日の食事は当然ながら自分で作るのだが、料理が下手なのだ。そもそも料理は好きじゃない。料理歴は長いのだが、ちっとも上手くならないのだ。何たって自慢の得意料理は卵かけご飯と納豆かけご飯だかんね。


先日カレーが食べたくなり作ってみた。カレーなんざ誰が作ったってそこそこ美味しくなるはずなんだけど、どうも水の量を間違えたらしく薄味のスープカレーになってしまった。薄い分にはルーを追加すりゃいいので、ルーを買ってきて追加投入。まずまず美味しいカレーが出来た、大量に!おめーさん何人家族だ?ってくらい大量のカレーが出来ちゃったわけで、それを消費するため、その日からカレー三昧な日々となった。朝からカレー、昼もカレー、夜もカレー、次の日も・・・とまあインド人かよってくらいカレーなる日々が続いたのだ。流石に飽きるのでカレーうどんとか、カレーパンなど変化球交えてみたけど、所詮カレーはカレーよ。しまいにゃ「誰だ!二日目のカレーは美味いなんて言ってる奴は!出てこい!」とひとり切れながら、それでもコツコツとカレーを食ったのだった。


ようやく食べ終えたカレー、もう当分カレーは勘弁、見たくもない。今夜は野菜炒めにしようかな、なんて考えながら夕方庭の草取りしてたら、どこからともなくカレーの匂い。

隣の家、今晩カレーじゃねーか💢

トホホ



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おまけのニャンズ


最近、ご飯の時間になると無言の圧を掛けてくる。

お父さん、そろそろご飯の時間なんだけど・・・



お次は、いずこの山へ





【2024.06.01】

ロイさんから谷川岳主脈をやろうと誘われた。
谷川主脈は私の好きな縦走路。
60歳になって最初に挑む山には相応しい。
天気も良さそうなのでやってみることに。

谷川主脈は展望が良く、特にこの時期はハク
サンイチゲなどの花が咲き乱れ素晴らしい縦走
路となる。ただ行程は長く、更には下山後の
バス利用の時間縛りがあるため、それなりの
体力が要求されるのだ。

去年ここを縦走したときは、最終バスに間に合わ
せるために最後は激走となり大変だった。
そんな苦い経験から、今回は最軽量の装備にして
挑むことに。

トレラン用の7Lザックに水と食料と防寒着のみを
詰め、靴はトレランシューズの出で立ちだ。
準備万端整え谷川岳に向かった。

土曜の3時過ぎに谷川岳インフォメーションPで
ロイさんと待ち合わせた。
車から降りてきたロイさんの格好に軽く衝撃。
短パン、CW-Xにトレランシューズときたもんだ。

敵もなかなかやるじゃねーか!

お互いの格好にちょっかい出し合いながら
3時半にスタート。西黒尾根を登り始めた。

降雨後の濡れた蛇紋岩に手こずりながらも
2時間45分で谷川岳山頂に到達。

ちゃっかりトレランシューズ履いてるし!



今回はスタート時間を去年より2時間早めている。

なので最終バスの時間には余裕で間に合うはず。

花や景色を楽しみながら歩けそうだ。




肩の小屋で小休止してから、先ずはオジカ沢の頭を
目指して主脈縦走路を歩き始めた。

例年に比べ、
今年はハクサンイチゲが沢山咲いている。
今日は主脈を縦走するにはいいタイミングだった
のかもしれない。




花の美しさを写真に収めようと
色々と構図を変えたりしながら撮りまくる。
撮った時は「こりゃいい絵が撮れた!」
と思うのだが、帰ってから写真を見ても
そんな写真は見当たらず、
あの時撮った「いい写真」はどこいった?
となるのがいつものこと。



しゃがみ込んで花を撮るのだが
ジジイなもんで苦しくて手ブレってしまうのだ。

ロイさん曰く
「シャッター切る時は呼吸を止めて」
なんて言うんだけど、
ジジイがしゃがんで呼吸止めたりしたら
そのままあの世に逝っちゃうかんね!




オジカ沢の頭を超え万太郎山頂までやって来た。

ここで行程の半分ほど。結構順調に来ている。

この分だと16時55分の最終バスには余裕で間に合う。

トレラン装備の効果は抜群。

この調子でどんどん進もう!




次のエビス大黒の頭への登りが最大の難所。

小さなアップダウンを繰り返しながらの長い登り。

ここは本当に辛い。

ゲロ吐きそうなほど辛い。

必死にロイさんの後を追う。

途中でちょっと休憩挟んでくれないかな

なんて甘い期待はいつもの如く裏切られ

ロイさんに山頂まで一気に連れていかれた。



山頂に達すると同時に倒れ込む。

時計を見れば、まだ10時45分。

時間的にはかなりの余裕。ってか、余裕あり過ぎ。

もっとゆっくりでも大丈夫じゃん。

これじゃ2時台のバスに間に合って・・・


え?


もしや


2時のバス、狙ってる?


と、そこでロイさん

「2時のバス、走れば可能性ありそうですね〜」


あ〜、3時半スタートとか

トレランシューズ履いて来たのは

そういうことだったのね。


ここまで7時間以上も歩いてるのに走れだなんて、

先日還暦迎えた私に走れだなんて!

ロイめ〜!


こうなったらもうヤケクソ。

ええ走りますとも。

お供させていただきますとも。


エビス大黒の頭の頂きを早々に引き上げ

仙ノ倉へと向かった。


ラスボスの仙ノ倉の登りでは

汗も涙もゲロも屁も出ないほどに体はペカペカに

干からび、這う這うの体で達した山頂は休憩なし

でスルーされ、こっちは死にそうな思いしてるって

いうのに、その先の花畑で余裕こいて花の写真を

撮ってるロイさんを見た時は、軽く殺意を覚えた。


平標山の山頂もちょっとの休暇だけで即下山開始。

でもって極め付けは

「下山は早歩きで行きましょう!」

ときたもんだ。

こうなるとロイさんは一体誰と喋ってるのか分から

なくなってくる。(多分私じゃない)


颯爽と歩いていくロイさんに

私は泣きながら小走りで付いていく。

ロイさんの早歩きには小走りしないと付いていけない。



思えばこの松手山コース、いっつも走ってる。

今年も、去年も、その前にチビさんと縦走した時も。

バスの本数が少ないせいで毎回走る羽目に。


谷川主脈は好きだけど、

もうここをやるのは無理なのかもしれない。

今まで何度もここを縦走して来たが

今回は今までで一番疲れたし苦しかった。


60も過ぎたことだし、主脈縦走はこれが最後かな。

そんな事を考えながら

小走りで山を駆け下り13時45分にゴール。


麓の自販機でコーラを買って一気に飲んだ。

抜群に美味い!

精気が蘇った。

と同時に、無事下山できたことに安堵した。

なんだかんだ言っても、いつも誘ってくれて

ここまで私を引っ張って来てくれたロイさんに感謝。


今回ここを歩いて、もうこんなハードコースを

やる歳じゃないことを痛感した。

山での遭難確率が高くなる60代であることを

もっと自覚しなければならない。


これからは年相応の山をやろう。

そんなふうに思った。



縦走をやり切った達成感を感じながらバス停まで

歩いていく。

その途中でロイさんが言った。


「次は谷川馬蹄形縦走ですかね〜」


と来たもんだ。



ロイめ〜!




お次は、いずこの山へ