順読みで、「き」ではじまって「ゆ」で終わる句と、逆読みで、「ゆ」ではじまって「き」で終わる句を作ります。そのセットが今日の座です。
き——ゆ
鬼来迎/怪媚態凝るな/火と魔振ゆ (晩夏)
きらいがう けびたいこるな ひとまふゆ
夕惑ひ/鳴子板引け/烏喙ら木 (三秋)
季語: 鬼来迎・晩夏。鳴子板・三秋。
鬼来迎(きらいごう): 千葉県 山武郡 横芝光町 虫生の 広済寺 に伝わる、 地獄 の様相と 菩薩 の救いを 仮面 狂言 にした日本唯一の 民俗 芸能 。鬼舞。
振ゆ(ふゆ):「振れる」(ヤ行下二)の古形。揺れ動く
夕惑ひ(ゆうまどい):夕方眠くなること。宵(よい)寝(ね)。
鳴子板(なるこいた):鳥(とり)威し(おどし)の装置。
烏喙(うかい):カラスのくちばし。転じて、欲の深い人。
鬼祭り。舞台では地獄と菩薩の物語がくりひろげられている。鬼よ。怪しげな媚態で取り繕うな。業火と魔風がこれでもかとばかり荒れ募る。
居眠りしていないで鳴子板を引ききなされ。ほら、木には欲深の鴉があんなに集まっているよ。
連句では。鬼など強い語句は一巻一句にかぎられていますので、登場はここだけです。
歯医者にゆく日なので朝からそわそわしています。痛いときは左手を上げてください、と言われるので、左が急に麻痺したらどうしようと心配で今朝は4時きっかりに起きてしまいました。
横綱のようなガイジンの看護婦さんがついていますが、声をきいたことがありません。うっかり体に触れて張り手を食ったら大変なことになりますのでバンザイをして歩くことにしています。右手が麻痺したらどうしよう?
ブログだけ先以って書いておきます。
順読みと逆読みの二階建て俳句アソビもそろそろ終わりです。
今回は「さ」で始まって「き」で終わるオモテ句と「き」で始まって「さ」で終わるウラ俳句の二階建て。どんな景色を見させてくれるのか…
さ——き
鯖一匹/瞬きをせよ/目の美しき (三夏)
さばいつぴ まばたきをせよ めのはしき
岸波の目/寄席を北浜/筆意は嵯 (晩秋)
季語:鯖・三夏。岸釣・仲秋から晩秋。
嵯(さ):山が聳えること。嵯峨。
美しいサバだ。はっきりとした目の美しい魚よ。ほれ、まばたきをしないか。
仲秋を過ぎると岸釣も波目が変わりそろそろ終わりかなと思うこの頃だが、ここ北浜の現役時代は金融の牙城で鳴らしたものだった。竿を納めて寄席にでも行くとしようか。♬止せといわれて来たはまの~ 寄席文字の嵯峨たる勢いを見よ。
というんですがね。戦後のキタハマはバラックでうめつくされていました。切符売り場も行列。改札までがこれまた、長い行列で順番を並んだまま、回数券のバラ売りをしているおばさんから切符を買っていました。おばさんは回数券の残りの利益で生活していたのです。悲惨な現状が奇妙に明るかったのは、戦争が終わったからです。飯田蝶子的復興のたくましい生活力。
今回は「さ」で始まって「き」で終わるオモテ句と「き」で始まって「さ」で終わるウラ俳句の二階建て。どんな景色を見させてくれるのか…
さ——き
鯖一匹/瞬きをせよ/目の美しき (三夏)
さばいつぴ まばたきをせよ めのはしき
岸波の目/寄席を北浜/筆意は嵯 (晩秋)
季語:鯖・三夏。岸釣・仲秋から晩秋。
嵯(さ):山が聳えること。嵯峨。
美しいサバだ。はっきりとした目の美しい魚よ。ほれ、まばたきをしないか。
仲秋を過ぎると岸釣も波目が変わりそろそろ終わりかなと思うこの頃だが、ここ北浜の現役時代は金融の牙城で鳴らしたものだった。竿を納めて寄席にでも行くとしようか。♬止せといわれて来たはまの~ 寄席文字の嵯峨たる勢いを見よ。
というんですがね。戦後のキタハマはバラックでうめつくされていました。切符売り場も行列。改札までがこれまた、長い行列で順番を並んだまま、回数券のバラ売りをしているおばさんから切符を買っていました。おばさんは回数券の残りの利益で生活していたのです。悲惨な現状が奇妙に明るかったのは、戦争が終わったからです。飯田蝶子的復興のたくましい生活力。
Welcome to
Word chain endless cycle MÖBIUS LINKAGED POEM Semordnilap
あ——さ
袷兄は/藍縫ひ返す/身丈の差 (初夏)
あはせせは あをぬひかへす みたけのさ
座退けた身/すべ交ひぬ緒合はせ〈畔は蛙〉 (雑)
季語: 袷(あはせ)・初夏。
兄(せ):女性から見た男の身内。兄・夫・背。 年下、恋人、親しい男性にも使う。
藍(あを):藍染の着物。
すべ:「術」を当てる。手段・方法。
緒合わせ(おあわせ):琴・琵琶など弦楽器を調弦すること。または合奏すること。ここでは《一(ひと)畔(あぜ)は しばし鳴きやむ 蛙かな》(去来)を作曲演奏すること。
袷を出してみたら兄の藍はつんつるてんのちんちろりん。身丈の伸びが止まらないのは頼もしいけれど……
一座を抜けた身分となっては……。座のほうでは、急遽、編成や脚本を変え対処したらしい。出し物は、去来の俳句から《畔は蛙》の琵琶の新作を合奏したとのことだった。
言葉の聯亙(れんこう)から、五-七-五が五-五-七になった。ポップスもおもしろい。⁉…かな?
プロの現代詩人小笠原鳥類先生に目をつけられたのを幸便に「現代詩」に足を踏み外しています。第一作「回析散文詩/源氏物語和歌に隠されたヒ・ミ・ツ」は単発のつもりでしたが、評判がいいので連作にしました。5回つづけることになりそうです。チョコッとお家芸の「回文俳句」もどこか1か所ぐらい、忍ばせようとタクランでいます。正直、寿命の残りが少ないので慌てています。
Word chain endless cycle MÖBIUS LINKAGED POEM Semordnilap
あ——さ
袷兄は/藍縫ひ返す/身丈の差 (初夏)
あはせせは あをぬひかへす みたけのさ
座退けた身/すべ交ひぬ緒合はせ〈畔は蛙〉 (雑)
季語: 袷(あはせ)・初夏。
兄(せ):女性から見た男の身内。兄・夫・背。 年下、恋人、親しい男性にも使う。
藍(あを):藍染の着物。
すべ:「術」を当てる。手段・方法。
緒合わせ(おあわせ):琴・琵琶など弦楽器を調弦すること。または合奏すること。ここでは《一(ひと)畔(あぜ)は しばし鳴きやむ 蛙かな》(去来)を作曲演奏すること。
袷を出してみたら兄の藍はつんつるてんのちんちろりん。身丈の伸びが止まらないのは頼もしいけれど……
一座を抜けた身分となっては……。座のほうでは、急遽、編成や脚本を変え対処したらしい。出し物は、去来の俳句から《畔は蛙》の琵琶の新作を合奏したとのことだった。
言葉の聯亙(れんこう)から、五-七-五が五-五-七になった。ポップスもおもしろい。⁉…かな?
プロの現代詩人小笠原鳥類先生に目をつけられたのを幸便に「現代詩」に足を踏み外しています。第一作「回析散文詩/源氏物語和歌に隠されたヒ・ミ・ツ」は単発のつもりでしたが、評判がいいので連作にしました。5回つづけることになりそうです。チョコッとお家芸の「回文俳句」もどこか1か所ぐらい、忍ばせようとタクランでいます。正直、寿命の残りが少ないので慌てています。