匝文俳諧/しりとり駅伝双六 鯖(さば) | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

順読みと逆読みの二階建て俳句アソビもそろそろ終わりです。
今回は「さ」で始まって「き」で終わるオモテ句と「き」で始まって「さ」で終わるウラ俳句の二階建て。どんな景色を見させてくれるのか…

さ——き  

鯖一匹/瞬きをせよ/目の美しき       (三夏)
さばいつぴ まばたきをせよ めのはしき
岸波の目/寄席を北浜/筆意は嵯       (晩秋)

季語:鯖・三夏。岸釣・仲秋から晩秋。
嵯(さ):山が聳えること。嵯峨。

 美しいサバだ。はっきりとした目の美しい魚よ。ほれ、まばたきをしないか。
仲秋を過ぎると岸釣も波目が変わりそろそろ終わりかなと思うこの頃だが、ここ北浜の現役時代は金融の牙城で鳴らしたものだった。竿を納めて寄席にでも行くとしようか。♬止せといわれて来たはまの~ 寄席文字の嵯峨たる勢いを見よ。

というんですがね。戦後のキタハマはバラックでうめつくされていました。切符売り場も行列。改札までがこれまた、長い行列で順番を並んだまま、回数券のバラ売りをしているおばさんから切符を買っていました。おばさんは回数券の残りの利益で生活していたのです。悲惨な現状が奇妙に明るかったのは、戦争が終わったからです。飯田蝶子的復興のたくましい生活力。