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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

詠み下せばオモテの俳句、後へから逆読みすればウラの俳句になるという双子の二重俳句です。
真っ当な俳句ではありませんが、イロハ順におもしろ半分ウナギに代って、さあゴロウジロ・・・・・


ほ——へ  

蛍籠/か細げな霊/義か加持へ      (仲夏)
ほたるかご かぼそげなたま ぎかかぢへ
ペチカ掻き/また泣け祖母が/子離る髱  (三冬)

髱(たぼ):①日本髪の後ろへ張り出た部分。②若い婦人のメトニミー表現。

蛍籠のホタルは明滅がよわよわしい。命が今にも絶えそうな様子でじっとしていられなくなって加持祈祷をしてもらった。大げさなことはないさ。これが渡世の人情よ。
 ペチカに石炭をくべる。おばあちゃんが泣きべそかいている。若妻がおばあちゃんの膝から子供を引き取った。子供は母親の乳房にむしゃぶりついた。

 「若い婦人」のメタファー表現はどうでしょう?
 言語学では、メタファーの例として「ジュリエットは太陽だ」を挙げます。メトニミー表現の例では「鍋が煮えた」を挙げます。どちらも慣用化することによって陳腐化し小つまらなくなります。

流行語はこうしたニンゲンの飽きやすい性格のあらわれです。
 ですが、もうすこし「たぼ」にお付き合いください。

蛍籠/爆ぜ段滝瀬/来し雅致へ      (仲夏)
 ほたるかご はぜだんたきせ きしがちへ
ペチカ式/石炭出せば/子駆る髱     (初冬)

季語:ペチカは「三冬」ですが、ここでは「火入れの様子」を描写しました。初冬。
雅致(がち):最高の雅趣。
ペチカ式(ぺちかしき):ロシア風の暖炉。建物に作り付けになっている。
駆る(かる):①追い立てる。②いそがせる。③④(略)

季語:蛍籠・仲夏。ペチカ:三冬。

 川に沿って蛍を追っていたら瀧に出た。袋田の滝。何段あるのだろう。細い滝は寂しいが、瀑布は豪快で美の極致だ。
 ペチカ開き。石炭を出せばOKだ。嬶は見ていたガキを追い立てた。

夏のさなかに「ペチカ」⁉ ゾータンノゴツ ‼!
逆療法です。我慢比べです。なんでも逆にするワルイ癖。
それにしても暑い。お見舞いさん‼

回文俳句は逆読みしても正読みと同じになる俳句です。
これはこれでムズカシいですが、ここでは、逆読みが正読みと別の俳句になる「匝文俳句」の練習をしています。
つまりオモテの句とウラの句が抱き合わせになっている二重俳句に挑んでいます。とてもムズカシイので、どうぞ、きびしくない目で優しく見てやってください。でも、ヘンなところはビシビシ指摘してください。作り替えるのがこれまた、おもしろ、たのしいのですから。

に——ほ 

忍冬に/花白くして/ドアの野暮   (初夏)
にんどうに はなしろくして どあのやぼ
小火の跡/弟子黒し菜は/煮うどんに (三冬)

季語:忍冬の花・初夏。小火・三冬。
忍冬(にんどう)(にんどう)の花:スイカズラの別名。長い花筒の匂いのよい白色の合弁花。
小火(ぼや):ちょっとした火事。

 忍冬の花が白さを増してきたら、入り口に立っているあの野暮天の気の利かなさも輪をかけて本物になって来た。
 ボヤ騒ぎがあり煤(すす)だらけになって弟子がやって来たので、菜っ葉の煮込みうどんで労(ねぎら)った。

関東も梅雨明け宣言です。と、聞いただけで首筋がチリチリします。
同性結婚や遺産相続や天皇家の跡継ぎに女性天皇の是非、などいろいろ、昔は無かった問題が湧いています。これらをいっぺんに片付ける方法があります。
それは、「姓・名」を廃止して「名」だけにすることです。
家制度を無くせばいいのです。
結婚自体が無意味。家父長・家名を継ぐ必要はなく自由な個人として尊重される社会。同居したければ同居するし、別居がよければ別居する。断捨離は家具だけのことではないのです。あの世に持っていけないならばすべてのしがらみは余計なもの。親兄弟なぞは先ず断捨離の第一候補です。

暑くなってきた。素っ裸でごめんなさい。

匝文Semodnilap俳句を作っています。回文とは異なり、後ろから読むと別の句になる俳句です。イロハ順で3回目。「ハ」で始まって「ニ」で終わる句です。


は——に   

花の富士/世界をひとつ/安らかに  (晩春)
 はなのふじ せかいをひとつ やすらかに
丹硝子や/集ひを生かせ/四部のなは (三冬)

季語:花・晩春。丹硝子・三冬。
丹硝子(にがらす):ステンドガラス。
四部(しぶ):四部合唱。「冬の旅」を。

桜満開の中に霊峰富士。平和な世界はひとつ。
教会ではステンドグラスから降り注ぐ光の中、心を合わせ四部合唱、その名は『冬の旅』。

結婚式は教会で、葬式は仏前で、大学の部活で新興宗教をとっただけあって密教回教ゾロアスター教…なんでもござれの宗教観です。
 それでいいのです。すべての宗教をガラガラポン! ミックスして一つにすれば戦争は無くなるのです。いや、「なくなる」ではなく「なくする」へ。

 「多神教は無信仰」。無節操ではなくて時代の前衛である」日本人の宗教観。うん、これでいきましょう。

 めでたく出発した第三なので、余韻を残してめでたくお開きになるように作り変えましょう。

花の富士/世界をひとつ/汝が琵琶に  (晩春)
はなのふじ せかいをひとつ ながびはに
庭燎かな/集ひを生かせ/辞賦の名は  (仲冬)

季語:花・晩春。庭燎・仲冬。
庭燎(にわび):庭でたいて明かりとする火。特に、宮中で神楽を行うときなどのかがり火。庭火。
辞賦(じふ):散文に近い韻文。基本は中国の楚辞の形式。

 桜に埋もれた霊峰富士。争いの無い平和な一つの世界。あなたの琵琶に載せて……
 庭の篝火のなんと明るいことか。集いもいまは最高潮。なんという舞曲かその流れに皆うっとりと揺蕩っている。

前回の、がウラの句が、体言留オンリーで不デキでしたので心残りです。
涼しいですね。しのぎやすいのはいいですが、お米のデキが心配です。ウラの句のデキなんか、小さい小さい……