いろは1回限りの歌、9回を数えます。画面がだんだんキレイになる予感がします。
慣れてきたのでしょうか。
山櫻
ほこる山ざくら彫(ゑ)り
愚か湯浴(ゆあ)むそち辺に
つて求めぬ
囲繞(ゐねう)せし飛檐(ひえん)よ——
われ随喜の
涙を拭けば……
ほこるやまざくら ゑり
おろか ゆあむそちへに
つてもとめぬ
ゐねうせしひえんよ
われずいきの
なみだをふけば
つて:手づる。手掛かり。
囲繞(いにょう): 取り囲むこと。
飛檐(ひえん):高い軒(のき)。飛宇(ひう)。
咲き誇っている山桜の模様の彫刻がとてもよくできあがったので、嬉しくなって入浴なさっていらっしゃるというのにあなたにご連絡を……。塀が取り巻いている高貴な方のお館。
お褒めのお言葉があり、あまりの有難さに感泣したのでした。
偶然を期待して辞典をひねくりまわして、ひねり出しています。「ヒエン」なんて言葉はなにも考えないでパッと開いたところにあったコトバです。そのコトバを基に物語をつくっていきます。そうすると狭い個人の思い付きなどよりテーマが広いバラエティに富んだストーリーが得られます。得られないときも多いですけど……
先週は挫折、みっともないところをお見せしました。一層精進し、性根を入れ替えて再出発します。イロハ早撃ち8回目の今日のお題は、「ぬえ鳥」です。
鵺(ぬえ)
人形おくり 観て
ゆび差しつも ?…
——傍目(をかめ)施せ
——吾は夢魔。
鵺 威武るいのち根
夜空 不壊へ 翌檜
にんぎやうおくり みて
ゆびさしつも
——をかめ ほどこせ
——われはむま。
ぬえ ゐたける いのちね
よぞらふゑへ あすなろ
人形送り(にんぎょうおくり):疫病や害虫駆除の呪法。藁人形を作り村境まで送り出す行事。
鵺(ぬえ):①トラツグミの異名。②平家物語に出てくる怪物。③得体の知れない人物。
藁人形をいじめて村境から隣村へ追放した。指差しては…? ダメ。見つめてもいけない。禁忌の多い行事はひっそりと……
われはツグミ。夜、ヒョーヒョーと鳴いて気味悪がられるが、堅固な夜警を司っているのです。ーー明日の明るい希望を夢に描いて。
夏物から冬物に入れ替えました。冬は一体何を着ていたんだろう? 収納ボックスを開けるまで思い出しませんでした。直前のこともすぐ忘れます。引っ張り出したハンテンも人手を借りなければ一人で着られません。
そのわたしがシナリオを書くことを思いつきました。どうせムカシの思い出話に過ぎませんが、沖縄が全滅し米軍が鹿児島に上陸するのを迎え撃つ準備をする8月15日の実話です。映画になったら見に来てくださいね。
鵺(ぬえ)
人形おくり 観て
ゆび差しつも ?…
——傍目(をかめ)施せ
——吾は夢魔。
鵺 威武るいのち根
夜空 不壊へ 翌檜
にんぎやうおくり みて
ゆびさしつも
——をかめ ほどこせ
——われはむま。
ぬえ ゐたける いのちね
よぞらふゑへ あすなろ
人形送り(にんぎょうおくり):疫病や害虫駆除の呪法。藁人形を作り村境まで送り出す行事。
鵺(ぬえ):①トラツグミの異名。②平家物語に出てくる怪物。③得体の知れない人物。
藁人形をいじめて村境から隣村へ追放した。指差しては…? ダメ。見つめてもいけない。禁忌の多い行事はひっそりと……
われはツグミ。夜、ヒョーヒョーと鳴いて気味悪がられるが、堅固な夜警を司っているのです。ーー明日の明るい希望を夢に描いて。
夏物から冬物に入れ替えました。冬は一体何を着ていたんだろう? 収納ボックスを開けるまで思い出しませんでした。直前のこともすぐ忘れます。引っ張り出したハンテンも人手を借りなければ一人で着られません。
そのわたしがシナリオを書くことを思いつきました。どうせムカシの思い出話に過ぎませんが、沖縄が全滅し米軍が鹿児島に上陸するのを迎え撃つ準備をする8月15日の実話です。映画になったら見に来てくださいね。
スランプという洒落た病気にかかり、どうしても続けられないのです。今日は一時しのぎで緊急避難、遊びのアソビ。お休みさせてください。
【番外】
エルエムエヌ狂想曲
「l(エル)」「m(エム)」「n(エヌ)」。アルファベットでは「エ」が付くのに実際には「エ」が発音不要というヘンな文字団です。
日本人にはこの「エ」の発音が苦手です。おとなりの中国でさえ「e」は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のすべてと他に二重母音(「ウア」など仮名で表せない発音)を受け持っています。
月天心貧しき街を通りけり 蕪村
———つきてんしん まづしきまちを とほりけり
これを『黒金魚ストーリー』にどうしても、とりいれたくて、カブったエルエムエヌをローマ字にしました。「ん」はnn、「ま」はmm、「り」はll。
月(つき)天(てん)しnn(ん)
舞風(まひかぜ) mm(ま)ちを
通(とほ)りけll(り)
見(み)よ濡鼻輪(ぬれはなわ)の末(すゑ)鬼(おに)ら
定(さだめ)も得(え) 眠(ねむ)る底部屋(そこべや)
———隘路(あいろ)ゆく威風(ゐふう)
舞風(まいかぜ):つむじ風。旋風。
月は中天にかかり煌々と輝いています。つむじ風が一陣、貧しい村里を通り過ぎていきました。涎掛(よだれか)けの鼻輪が濡れている孫鬼たちも今はそれぞれの塒(ねぐら)にもぐりこんで寝ています。地底のベッドルーム。夢はかすかに青鬼赤鬼軍団堂々の進軍でしょうか。
蕪村句の英訳はいろいろありましたが、試訳を4に。
1 Moon dominates the sky, Through a humble town I pass.
2 The moon
at the top of the sky
passing through
a poor town
3 A high moon
I was walking through
A poor town
4 Luna pass through
Center sky upon a village so high
欠伸ばっかりしています。眠たいのかと思ってベッドに入ると、そうでもないのです。しょうがないから起き上がって無精ひげでも剃るかと鏡を見ると、鏡の中の自分は眠っています。鏡を見ている自分は誰なんでしょう。
【番外】
エルエムエヌ狂想曲
「l(エル)」「m(エム)」「n(エヌ)」。アルファベットでは「エ」が付くのに実際には「エ」が発音不要というヘンな文字団です。
日本人にはこの「エ」の発音が苦手です。おとなりの中国でさえ「e」は、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のすべてと他に二重母音(「ウア」など仮名で表せない発音)を受け持っています。
月天心貧しき街を通りけり 蕪村
———つきてんしん まづしきまちを とほりけり
これを『黒金魚ストーリー』にどうしても、とりいれたくて、カブったエルエムエヌをローマ字にしました。「ん」はnn、「ま」はmm、「り」はll。
月(つき)天(てん)しnn(ん)
舞風(まひかぜ) mm(ま)ちを
通(とほ)りけll(り)
見(み)よ濡鼻輪(ぬれはなわ)の末(すゑ)鬼(おに)ら
定(さだめ)も得(え) 眠(ねむ)る底部屋(そこべや)
———隘路(あいろ)ゆく威風(ゐふう)
舞風(まいかぜ):つむじ風。旋風。
月は中天にかかり煌々と輝いています。つむじ風が一陣、貧しい村里を通り過ぎていきました。涎掛(よだれか)けの鼻輪が濡れている孫鬼たちも今はそれぞれの塒(ねぐら)にもぐりこんで寝ています。地底のベッドルーム。夢はかすかに青鬼赤鬼軍団堂々の進軍でしょうか。
蕪村句の英訳はいろいろありましたが、試訳を4に。
1 Moon dominates the sky, Through a humble town I pass.
2 The moon
at the top of the sky
passing through
a poor town
3 A high moon
I was walking through
A poor town
4 Luna pass through
Center sky upon a village so high
欠伸ばっかりしています。眠たいのかと思ってベッドに入ると、そうでもないのです。しょうがないから起き上がって無精ひげでも剃るかと鏡を見ると、鏡の中の自分は眠っています。鏡を見ている自分は誰なんでしょう。