匝文Semodnilap俳句を作っています。回文とは異なり、後ろから読むと別の句になる俳句です。イロハ順で3回目。「ハ」で始まって「ニ」で終わる句です。
は——に
花の富士/世界をひとつ/安らかに (晩春)
はなのふじ せかいをひとつ やすらかに
丹硝子や/集ひを生かせ/四部のなは (三冬)
季語:花・晩春。丹硝子・三冬。
丹硝子(にがらす):ステンドガラス。
四部(しぶ):四部合唱。「冬の旅」を。
桜満開の中に霊峰富士。平和な世界はひとつ。
教会ではステンドグラスから降り注ぐ光の中、心を合わせ四部合唱、その名は『冬の旅』。
結婚式は教会で、葬式は仏前で、大学の部活で新興宗教をとっただけあって密教回教ゾロアスター教…なんでもござれの宗教観です。
それでいいのです。すべての宗教をガラガラポン! ミックスして一つにすれば戦争は無くなるのです。いや、「なくなる」ではなく「なくする」へ。
「多神教は無信仰」。無節操ではなくて時代の前衛である」日本人の宗教観。うん、これでいきましょう。
めでたく出発した第三なので、余韻を残してめでたくお開きになるように作り変えましょう。
花の富士/世界をひとつ/汝が琵琶に (晩春)
はなのふじ せかいをひとつ ながびはに
庭燎かな/集ひを生かせ/辞賦の名は (仲冬)
季語:花・晩春。庭燎・仲冬。
庭燎(にわび):庭でたいて明かりとする火。特に、宮中で神楽を行うときなどのかがり火。庭火。
辞賦(じふ):散文に近い韻文。基本は中国の楚辞の形式。
桜に埋もれた霊峰富士。争いの無い平和な一つの世界。あなたの琵琶に載せて……
庭の篝火のなんと明るいことか。集いもいまは最高潮。なんという舞曲かその流れに皆うっとりと揺蕩っている。
前回の、がウラの句が、体言留オンリーで不デキでしたので心残りです。
涼しいですね。しのぎやすいのはいいですが、お米のデキが心配です。ウラの句のデキなんか、小さい小さい……