怒ったり笑ったり
忘年会シーズンということもあり、
僕は学生時代の後輩達と酒を呑んでいた。
せっかくみなで呑んでいるのだからと、
僕は以前から気になっている食の話を持ち出した。
テーマ
「人体の中で一番美味い部位はどこか?」
後輩達はひく事もなく、僕の話につきあってさまざまな部位を提示してくれた。
女性の胸が美味いだろう。首周りの肉なんてコリコリしていて塩コショウで食べると
ビールに合うはずだ。手の平を甘辛に煮込んだらご飯がすすむぞ。
僕は以前から何かの本で読んだ、胎盤が最高に美味い部位だ、という説と
それに付随し、では付けダレは何が合うのかわさび醤油かにんにくとごま油か
出産後に胎盤を食べさせてくれるいうと都市伝説めいた話を聞いたことがあるが
では看護婦さんは付けダレを用意してくれるのか。こんな話を中心に盛り上がっていた。
そんな中で一人の後輩が自分の知識で理論武装をして会話に加わってきた。
そもそも中国では…とか古くからヨーロッパでは…、僕はこのようなウンチクで
話を止められるのが苦手だ。想像力を駆使すれば誰しもが話に加われる、
まあ、内容がアレだが、どうでもいい呑みの話題に知識常識なんて持ち込んで
何が楽しいのだろう。滅多に怒りを出さない僕もイライラしてしまう。
その中で恋人を食ってしまったある人物の話題を持ち出して得意げになっていた。
あの本の中ではどこそのこの部位はこのような味で美味いと書いてありました。
そんな事を得意げにほざいていたので、この話題で盛り上がり続ける事に
萎えてきた。恋人を食ってその味を書く、まあ、常識的な思考と、本の感想は
とりあえず。僕は、恋人という最高のスパイスがあるんだからどこを食べても美味いだろう。
と思ってしまうのだ。
そうでなくて、どこの肉にはどんな酒が合うのか
どんな調理法がむいているのか そんな話がしたかっただけなのに。
がっかりだ。
まあ、平均的には楽しい呑み会でした。
サンタの弁当屋 追記
本日の東京地方は雨だ。
昨日このブログで、帰り道の途中にある弁当屋の
入り口の左右に大柄のサンタクロース人形を置いている店があり
それが非常に不気味だ。といった内容のものを書いた。
それはスーパーなどで見かける腰を振りながら腕を動かし
ホーホーという笑い声とクリスマスソングがながれる置き物の事だ。
この弁当屋の入り口上には屋根が無く、
そのままサンタクロースを置いていたら濡れてしまう。
機械仕掛けでのサンタクロースなので、水浸しになったら漏電とかで
壊れてしまうだろう。レンタルにしろ自分で購入したにしろ
クリスマス前に壊れてしまったのでは元も子もない。
で、あの二体はどうなっているのかな、と思いながら店の前を通りかかると
当たり前のことながら二体のサンタクロースは店の中にしまわれていた。
店の中とはいえ、しょせん個人経営の小さな弁当屋、見た感じ非常に狭い。
そんな店内に大男が二人こっち側を向いて腰を振って踊っているその様は
以前感じた不気味さとはまた一味違ったもで、不気味さに凄みが加わっている。
店内と外の温度差からだろう、ガラスには結露が付き曇りガラスになっている。
そこからぼんやりと赤い姿が映っている。しかし、顔の部分は曇っておらず
くっきりと見えるので店のバイトかご主人が顔の部分だけでも分かるようにと、
窓を拭いておいたのだろう。きっと、店の関係者のほとんどはこの状態を認識していない。
ヒゲ面大柄男の笑顔だけが店の右と左側に見え、定期的にがくがく動く赤いシルエットが窓に映る。
もはやこの店の不気味さは極みに達している。
入り口は開放されていないので、店内で踊りながら歌うサンタクロースの声と
楽しいクリスマスソングが流れているのだろう。
その隙間ぬうようにして注文し、できるまでの間、不協和音と笑い声を聴かされる。
そこまでして弁当を食いたいだろうか。それでも弁当を食うのが人間だ。
サンタクロースと弁当屋
死ぬほど退屈な通りもそれっぽくロマンチックに
なるから不思議だ。
帰り道にキラキラの素を見上げると、
祭りの時につるすような提灯だった。
その通りでは12月に祭りの予定などないはずなので、
それはきっと町内会の人たちが予算の無い中、頭を捻り
雰囲気だけでもクリスマスを、と吊るしたと想像できる。
そう考えると場違いに赤く光る冬の提灯もそれなりに美しい。
それはそうと、会社の行き帰りにある弁当屋の前に
12月から等身大ダンシングサンタクロースが設置された。
僕が知っている物では、スーパーの棚等に置いてあり、
人が近づくとセンサーが反応し、「ホウホウホウ」とか
高いんだか低いんだか分からない声で笑いながら
腰を横に振り、腕を上下に動かし踊ったりしている
小さいものだったが、等身大たぶん180cmくらいのそれ
威圧感がありちと気持ちが悪い。
近所の事、あるアーケード街の子供が遊べるようなスペースに
去年くらいから等身大サンタが置かれていたが、これも
センサーで同じように動く為、興味本位で近づいた子供達が
サンタの笑い声に驚き、悲鳴を上げているのをよく見たものだ。
話は戻り、弁当屋のサンタは当初入り口の左側にあった。
街道沿いの弁当屋なのでそれなりに目立つ置物だったのだが、
しばらくするとそれは入り口の右側に移動されていた。
どう見ても個人経営の弁当屋なので、おそらく店長の気まぐれで、
やっぱりこっちの方がいいかな、と動かしてみたのだろう。
その後は弁当屋の入り口の右側にい続けていたサンタクロース、
今日になって二体に増えている事に気が付いた。入り口の
右と左に一体ずつ置いてある。180cmの白髭赤服男の姿は
まるで神社の入り口にある金剛力士像のようだった。大迫力。
しかもホウホウと笑っている。僕は驚いて声を上げてしまった。
自転車、もしくは歩行者が通るとセンサーが反応し
一体のサンタが笑い声を上げる。又数歩行くと、
右もしくは左にあるサンタが笑い声を上げる。
さらに内蔵アンプからクリスマスソングがそれぞれに流れ、
曲がは盛らない為に、不協和音として鳴り響く。
極め付けに、二体はがたがたとその巨体を揺らし踊る。
店に入ったらたぶん殺される。
そんな不安感を与えてくれる弁当屋も
年を越す為に必死なんだろうに。こういう風景もまた美しい。