サンタクロースと弁当屋 | プランターの中

サンタクロースと弁当屋

クリスマスが近くなると街中がキラキラとして
死ぬほど退屈な通りもそれっぽくロマンチックに
なるから不思議だ。

帰り道にキラキラの素を見上げると、
祭りの時につるすような提灯だった。
その通りでは12月に祭りの予定などないはずなので、
それはきっと町内会の人たちが予算の無い中、頭を捻り
雰囲気だけでもクリスマスを、と吊るしたと想像できる。
そう考えると場違いに赤く光る冬の提灯もそれなりに美しい。

それはそうと、会社の行き帰りにある弁当屋の前に
12月から等身大ダンシングサンタクロースが設置された。

僕が知っている物では、スーパーの棚等に置いてあり、
人が近づくとセンサーが反応し、「ホウホウホウ」とか
高いんだか低いんだか分からない声で笑いながら
腰を横に振り、腕を上下に動かし踊ったりしている
小さいものだったが、等身大たぶん180cmくらいのそれ
威圧感がありちと気持ちが悪い。

近所の事、あるアーケード街の子供が遊べるようなスペースに
去年くらいから等身大サンタが置かれていたが、これも
センサーで同じように動く為、興味本位で近づいた子供達が
サンタの笑い声に驚き、悲鳴を上げているのをよく見たものだ。

話は戻り、弁当屋のサンタは当初入り口の左側にあった。
街道沿いの弁当屋なのでそれなりに目立つ置物だったのだが、
しばらくするとそれは入り口の右側に移動されていた。
どう見ても個人経営の弁当屋なので、おそらく店長の気まぐれで、
やっぱりこっちの方がいいかな、と動かしてみたのだろう。

その後は弁当屋の入り口の右側にい続けていたサンタクロース、
今日になって二体に増えている事に気が付いた。入り口の
右と左に一体ずつ置いてある。180cmの白髭赤服男の姿は
まるで神社の入り口にある金剛力士像のようだった。大迫力。
しかもホウホウと笑っている。僕は驚いて声を上げてしまった。
自転車、もしくは歩行者が通るとセンサーが反応し
一体のサンタが笑い声を上げる。又数歩行くと、
右もしくは左にあるサンタが笑い声を上げる。
さらに内蔵アンプからクリスマスソングがそれぞれに流れ、
曲がは盛らない為に、不協和音として鳴り響く。
極め付けに、二体はがたがたとその巨体を揺らし踊る。

店に入ったらたぶん殺される。

そんな不安感を与えてくれる弁当屋も
年を越す為に必死なんだろうに。こういう風景もまた美しい。