2022年1月15日に起きたトンガ王国「フンガ・トンガ=フンガ・ハァパイ島」の巨大噴火。

 

 

この巨大噴火の前日である14日にもけっっこうな大噴火が起きていて、

その後火山島周辺海域には、海底での火山活動を示唆する変色水が広がっていました。

 

が、それはせいぜい直径十数キロ~数十キロ程度の範囲でした。

 

ところが、15日の巨大噴火のあと、火山島の南側を中心とする海域で変色水が急速に広がり、

翌日には直径200キロ近い海域に変色水が広がりました。

 

ただ、変色水域の領域は、普通の気象衛星写真(赤外・可視・リアルカラー)ではわかりづらく、

特殊な処理をしなければ判別できませんが、そうした画像を簡単に取得できるサイトを見つけられていません。

 

火山性の変色水は海水の青に対し、緑っぽい色(灰緑色)であることが多いです。

 

 

 

そこで、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の、

「JAXAひまわりモニタ」という気象衛星ひまわりの各種加工画像を掲載しているサイト

https://www.eorc.jaxa.jp/ptree/index_j.html

に掲載されている、

「クロロフィルa」(葉緑素)画像

(海水中の植物プランクトン濃度を見積もる目的で、緑色の領域を抽出した画像

なら、擬似的に変色水海域を判別できるのではないか?と考えて、

トンガ周辺海域で、噴火前後(2022年1月12~27日)の期間、「クロロフィルa」画像を追ってみました。

緑色が強いほど、画像では緑色→黄色→オレンジ色→赤色へと強調処理されています。

 

 

噴火前の2022年1月12日から、27日までのトンガ周辺海域の<<各日一枚の日平均画像>>を

順に取得して動画にしたものです。

 

陸地周辺では、生活・産業排水による富栄養化で植物プランクトンが増殖して

緑色になっている(本来、クロロフィルa画像はその把握を目的とするもの)場合が

ありますが、幸い自然と調和して生きるトンガ王国周辺は、噴火前(12日)はほとんど緑色海域は

みあたりません。

 

 

それが14日の大噴火で、火山島周辺に変色海域が出現し、

 

 

巨大噴火後の16日には、直径200キロ近い海域が緑色に。

 

 

この状態が23日頃まで一週間続き、

(海流が弱いのか、継続して海底噴出物が供給されているからなのか・・・)

 

その後、噴火した火山島付近の緑色が薄まり始め、

27日には、東西方向の大きさはあまりかわらないものの、

大きく変形して線状になり、濃度も薄まっていることが見て取れます。

 

 

変色海水域をきちんと調べた結果で裏を取っているわけではありませんが、

大海の孤島のような、普段植物プランクトンが少ない海域であれば、

この一般的な処理画像を用いて、火山性の海水変色の様子を

擬似的にモニターできそうに思えます。

 

 

 

 

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