2/10(木)の所沢は、降り始めは雪でしたが、

日中はみぞれまたは凍雨(上空で一度融けてまた凍ったもの)、

気温が下がった夕方以降は、なぜか雨でした。

 

10日の朝9時の茨城県・舘野上空の気温はこんな感じでした。

 

 

高度500mより上は氷点下で、高度1500mぐらいまでは北東の風。

ただ、全層ずいぶん湿っていて、地上付近の露点温度は+でした。


雪片は落ちながら蒸発しますし、特に気温が氷点下でも0度近いと

表面は融けそうになりますが、露点温度が氷点下であれば、

融けかけた雪片は蒸発で気化熱を奪われることで

雪片自体は氷点下を保てるので、雪として落ちてきやすくなります。

 

また、雪片が融けつつ気化熱を奪い、また、

雪が直接空気を冷やしながら次々落ち続けると、

次第に下層の気温が下がってきます。

 

最終的に、地上まで雪で落ちてこられるようになると、

雲から地上まで、ほぼ0度で平衡状態となって、

暖気が流入したりせず、雪が一定の強さで降り続ける限り、

その状態が維持され、雪が降り続く、というのが、関東大雪のときのメカニズムと

考えられています。

 

地上近くが露点+だと、このメカニズムが維持できませんし、

むしろ雪片に水分が凝結してしまい、加熱効果が生じます。

 

850hPaで氷点下5度というのは、例年関東に南岸低気圧で雪が降るときの

条件としてはかなり低温の部類に入ります。

 

このあと夜9時になっても

 

 

と、ほとんど状況は変わりませんでした。

地上付近だけ南風が入っていますが、北寄りの風の層は朝より

上空へ向けて厚くなっています。

地上気温は+1℃で、高めですね。露点も+。

 

今日はどうでしょう。

 

今朝9時の舘野上空はこんな感じ。

 

 

地上から500mぐらいまで北~北西の風、それより上は南西の風。

 

1000mより下層は+の気温。

でも、露点は地上までマイナスで、下層は乾燥気味。

100~500mぐらいに昨日の好天の名残で温かい層が挟まってますね(逆転層)

 

降り始めは雨でしょうけど、この低い露点温度のせいで、しばらくすると

上に書いたメカニズムによって雪が地上に達し、以後雪が降り続く可能性が

あります。

 

昨夜9時の状況はこんな感じでした。

 

 

下層が南東風から北西風に変化していますが

気温や露点の傾向は変わっていないようです。

 

さあ、どうなりますやら。

 

(高層観測値は、下記ワイオミング大学のHPより)