日本レストランの開店
6月9日(23;00) 日本時間10日(06;00)
開店して間もない、日本料理屋さん「NIPPON 2」さんに行ってきました。
日本と同じで、スペインも不景気風がビュンビュン吹きあれ、「骨董屋めぐり」でもちょっと触れましたが、どの業種でも、クローズするところが圧倒的に多い中、新規開店は正に快挙です。
ただ、どういう訳か、日ごろから行きつけの日本レストランのすぐ隣にオープンしたのに、ほんの先日まで全く気が付きませんでした。
案内係と思しき日本人女性が店の入り口付近にいたので、その辺の事情を尋ねると、あまり宣伝していませんので・・・という答えでしたが、応対に好感が持てたので、近いうちにと思っていました。
室内は上品に作られていて、スペイン人のお客さんも、そこそこ入っていました。
一緒に行った方は、お二人とも無難なところで、「寿司定食」を頼まれ、私は好み独特なので、単品で鉄火巻きと「海老の押し寿司」を注文しました。
従業員の接客態度は申し分ありませんでしたが、 私の感想はともかく、正直言って、お二人は満足した、という感じではありませんでした。
開店記念サービスということで、特製の「お通し」も出してくれたのですが、見栄えも良く、なかなか美味しそうに見えました。
見えました、というのは、超偏食家の私には食べられなかったからです。
通販式に、「さて気になるお値段ですが」、定食にはデザートのアイスクリームなどが付きますが、IVA(消費税)込みで、日本円にすると1人前2100円ちょっとです。
昨日、メロンと牛肉の値段をご紹介したばかりですので、矢張り日本料理ちょっと贅沢ですね。
因みに、私が食べた鉄火巻き(1本)と海老の押し寿司は、合わせて1700円ほどでした。次回の参考にと、マグロ(赤身)握りの値段をメニューで確かめましたが、1個445円でした。
他の白身魚や海老、いか、サーモンなども、だいたい、一個300-445円くらいです。
もちろん、値段はユーロ表示ですので、正確に円換算すると毎日微妙に違いますが、今日のレート1ユーロ=117円で計算しています。
旅行の合間に1-2回というならなんら問題のないお値段でしょうが、こちらに住んでいる私のような者が、足繁く通うにはちょっと高級すぎるかもしれませんね。
スペイン生活のコツ
6月8日(23;00) 日本時間9日(06;00)
スペイン産きゅうりの問題があったので、その後、どんな具合になっているか気になり、八百屋さんを覗いてみました。ごく普通の雰囲気だったので安心しました。
店の一角に、これから旬を迎えるサクランボやメロンが並んでいました。
日頃は、ウリ類のあの青臭い匂いが嫌であまり食べませんが、スペイン人がよく食べるラグビーボール型のものではなく、中国メロンと呼ばれている、いわゆるマスクメロンを、真っ二つに切って売っていました。
凄く水みずしくて美味しそうなので、思わず値段も確かめずに買ってしまいました。
そこで、昔々、留学生だった頃、下宿のおじさんに、「君は学生だろう。スペインで暮らすのなら贅沢はせず、栄養豊富で体力が付き、しかも一番安上がりな食生活を心がけなさい。それには、ビールを飲み、牛肉を食べ、デザートにメロンを摂ることだ」と、やけに親身になって教えてくれたことを思い出しました。
マドリードに着いて間がなかったので、その時は、何かのジョークだろうと思いました。
そんな生活をしたら、当時の日本の常識からすれば、たちまち破産してしまうからです。
しかし、おじさんの忠告の正しかったことは、すぐに証明されました。ビールはコーラよりも安かったし、肉類は魚に比べると圧倒的に廉価でした。メロンも果物としては量が多いので、断然お得感がありました。
マドリード大学内の学食でも、ビールは別売りでしたが、牛肉とメロンは、常にセットで出ていたのを覚えています。
この安さの三店セットは、40年あまり経った今も同じで、何ら変わっていません。
今日のこの(画像参照)メロンの値段、いくらだと思いますか。正解は115円です。ラグビーボール型のものは、受給の関係で、1kg170円くらいとちょっと高めですが、標準サイズ一個の値段は300円ー400円、5-6回に分けて食べられるので、一回あたりの計算ではかなり安上がりです。
試しに、牛肉についても、八百屋の隣にあるスーパーでリサーチしました。
極上の品質ともなれば3000円から4000円くらいはしますが、シチューやカレー用の細切れ肉なら、600円ー700円ていどで、ごく普通のステーキ用なら1200円ー1300円です。
一度、日本から知人が訪ねてきて、マドリードの市場をぜひ見てみたいというので、案内しました。
果物や肉の値段は前もって吹き込んでいたのですが、どうも納得していない素振りが見えました。そして、「いや!牛肉の値段は日本とそんなに変わらないですね」、とおっしゃる。「そんな筈はないと思いますよ」と言いながら事情を聞くと、何と彼は販売価格の単位を勘違いしていたのです。
日本での牛肉の値段は、デパ地下でもスーパーでも、個人商店でも表示は100g単位で表示されるのが常ですが、スペインでは、パックになっているものを除けば、全てkg単位になります。
事情がわかったあと、大笑いしたこともあります。
最も、最近では日本にも外国産の牛肉が輸入されるようになり、値段もずいぶん下がっているようですが、それでもまだ、彼我の差はかなり大きいようです。
もちろん、前段で紹介した肉の値段は全て1kg単位の値段ですので、間違わないでください。
ビールの値段はどうでしょう?
挿入している写真は、世界的に知られるビール「ハイネッケン」の普通の大きさの缶です。日本のスーパーやコンビニではどのくらいで売られているか分かりませんが、こちらでは80円ほどです。もっともこのビールは高級ですので、スーパー独自の開発した、いわゆる自社で開発販売するビールなら、40円弱で買うことができます。
スーパーや市場を中心に買い物をし生活する人の家計は、エンゼル係数がすごく低く抑えられることは間違いありません。
マドリード市長の講演
6月7日(23;00) 日本時間8日(06;00)
高級ブティックが軒を並べるセラーノ通りの一角にあるビジネス・スクールで、「マドリード市、未来に向けた公共管理モデル」と題し、先月の統一地方選挙で大勝した国民党(PP)のアルベルト・ルイス・ガジャルドン市長が講演しました。
タイトルから想像して、講演内容は一般的なもので、さほど興味はなかったのですが、せっかく招待状も頂いたいることなので、久しぶりに市長のお顔を拝見するつもりで出かけました。
マドリード州の知事時代のガジャルドン市長には何度かお目に掛かったことがあり、食事もご一緒させて頂きましたが、選挙に大勝したこともあってか、その頃よりもさらに若返った感じで、溌剌としていました。
面白いことに、日本の政界なら知事のポストは、道府県庁所在地の市長よりステータスは上ですが、スペインはちょっと事情が違います。
何人かの政治家に聞いた話ですが、彼らが目標とするのは、1番が総理大臣、2番は各省庁の大臣ポストではなく、マドリード市長だといいます。
ガジャルドン市長も、大阪の橋下知事ー平松市長の対立と同じように、同じ国民党のエスペランサ・アギィーリ知事との確執は伝わってきますが、次の総選挙で、国民党が政権を担えば、将来の総理候補にも挙げられる大物中の大物にもかかわらず、マドリード州知事から市長へと鞍替えしています。
日本の場合、強権を持つ東京都知事は、首都東京市が存在しないだけに別格ですが、他の道府県の知事の権力も絶大で、衆議院や参議院から鞍替え出馬する議員も多いようです。
しかし、最近では名古屋の河村たかし氏のような大物市長が現れたり、橋下知事が大阪市長選に名乗りを上げる可能性も出るなど、知事ー市長の順番にも変化が見え始めています。
ガジャルドン市長は、大の愛犬家としても知られ、好感を持っていますが、昨日、偶然にも、日頃から親しくしているTさんから、お昼ごろ、犬を散歩させている市長をお見掛けした、というお電話を頂きました。
私が今日、彼の講演に行くことをご存知だったからです。
多忙を極める市長に、よくそんな時間がありましたね、とお答えしたのですが、わずかな時間を割いてでも、愛犬を散歩に連れ出すなど、なんとも微笑ましい市長さんです。
注;
各州によって呼称は違いますが、便宜的に、首長を知事と表記しました。
因みに、マドリード州の首長はPresidente(英語のPresident)です。
字義的な知事は、中央政府が任命するGobernador civil (英語のGavernor)で、別の組織になります。