マヨール広場の「コイン・切手市」
6月12日(23;00) 日本時間13日(06;00)
今朝はちょっと早起きをして、日曜日と祭日にだけ開かれる、有名なマヨール広場の「コイン・切手市」に出かけました。
ワールドカップやバルセロナ・オリンピック、コロンブスの新大陸発見など、メモリアル・コインを少々コレクションしているのですが、すべて2002年のユーロ導入前の通貨「ペセタ」で購入したものばかりなので、最近の相場はどんなものかと、ちょっと気になり様子を見に行きました。
マヨール広場は、太陽の門(太陽広場)と並ぶ、マドリードの下町の中心で、夜の帳が下りる頃ともなると、大勢の観光客で賑わいますが、普段の日の午前中は、意外なほどひっそりとしています。
やはり、今日は日曜日、「コイン・切手市」の日なので、地元の好事家たちも集まってきて、早くから活気があります。
元々、マヨール広場界隈には、古銭や切手を扱う店が他の地区よりは圧倒的に多く、自然発生的に市が出来たようです。
プロなのかアマチアなのか見分けが付かないような連中が、思い思いに折りたたみ式のテーブルを持ってきては、その上に商品を並べます。
彼らは要領がよく、雨が降ってきても大丈夫なように、屋根のある石のアーケードの下に店を開いています。
日曜日でも、カフェやバー、レストラン、お土産屋さんなどの商店は通常通りの営業しているので、突然、軒先に店が出され迷惑を被るでしょうが、広場自体を占拠することはありません。
広場では、そんな人の集まりを利用して、大道芸人や、様々なパフォーマンスをする人が現れ、いくばくかの日銭を手に入れたりもしています。
といいますのも、広場を囲む建物には、商店やバー、レストラン、カフェ、市の出先機関だけではなく、多くの一般市民が住んでいます。
四方を完全に囲まれているだけに、音の逃げるところがなく、かなりの騒音だと思いますので・・・。
もっとも、今のマヨール広場は、石畳が敷き詰められ地下を自動車道が走ったり、大きな駐車場がありますが、私がマドリードに着いた頃は、そんなものは一切なく、土埃が舞い上がるような広場で、その昔、罪人の公開処刑や闘牛なども催されていたと聞いても、さもありなんと思いました。
よって、ここは元々そのような場所だったんだ、と強弁されてしまうと一言もないのですが・・・。
それでも、何年か前には、ここの住人から、マドリード市長に対し、広場で日ごと行っていることを、<あなたの家の庭でやってみなさい!!>、という、かなり厳しい抗議も寄せられ、改善されたのかな、と思ってはいましたが、あちら立てればこちらが立たず、なかなか上手くいかないものですね。
マヨール広場は、観光に訪れれば必ず立ち寄るポイントですが、広場そのものの美しい佇まい、醸し出す雰囲気など、人々を魅了するには事欠きませんが、広場の外側にも、いわく因縁のありそうなカフェやレストラン、穴倉酒場なども建ち並び、一回りする価値は十分です。
ヘミングウエイ縁の有名なレストラン「カサ・ボティン」も、石の階段を下りたところにあります。
これまで、土、日、祭日といえば、アホの一つ覚えのようにゴルフ漬けの生活をしていましたが、たまには、こうしてノンビリと下町の散策をするのも悪くないな、と反省と共に、再認識をしました。
柚子(ゆず)の記事
6月11日(23;00) 日本時間12日(06;00)
今朝、何気なく新聞を読んでいたら、日本独特の調味料というもか香辛料というのか、スペイン語では、「芳香性柑橘類」と記している、「YUZU」の記事が目に入りました。
スペインの一流紙「エル・パイース」の生活とアート欄で大きく扱われています。
日本では、色々な料理に使われ、例えばとして、ポン酢(ゆずぽんのことでしょうが、良く調べています)、鍋物、タタキ、シャーベット、ジャムなどを挙げ、いわば、スペイン料理の「ニンニク」的な存在、と報じています。
オイオイ、それはちょっと、と言いたいところですが、大のニンニク嫌いの私にすれば、それなら早く、ニンニク代わりに使って欲しいと、祈るような気持ちになります。
スペインでも、日本食の人気は高いですが、最初は、日本人は男女共に肥満体が少なく、ヘルシーな食べ物として人気を集めました。
彼我の骨格と、食べる量の違いなどには全く頓着しない発想であり、最初の内は、わさび抜きの握り寿司を、シャリが真っ黒になるほど醤油をつけ、どこがヘルシーなんだ、と思っていましたが、このごろでは、わさびの味も分かってきたようで、醤油のつけ方もちゃんとし始めています。
しかし、ゆずの微妙な味覚まで理解し始め、スペイン料理にも取り入れようとしていたとは、想像も出来ませんでした。挿入した画像の料理にも、その一端がうかがえます。
新聞の記事にもありますが、今までは、日本からゆずは輸入されており、日本食品店や中華食材店で売っています。
ただ、すでに粉末にされているものや液状にしているのが大半ですが、乾燥させたゆずの皮も、時々目にしました。
今回の報道の特徴は、これらの輸入ゆずを使って料理の幅を広げようというのではなく、ゆずのすっぱくて苦く、時折ピリッとした辛さをみせるその味と、ゆずの皮が放つ芳香性に魅せられた彼らが、地中海の沿岸の街「エルチェ」で、6年間かけてYUZUを栽培し、その収穫期を迎えたというものです。なかなかやりますね。
私の徳島の友人の家が「ゆず味噌」なるものを製造販売している縁もありますが、デパートで買ってスペインにも何度かお土産に持って帰ってきましたが、それはあくまでも、マドリードに住む日本人にであって、スペイン人がYUZUの味を理解してくれているとは、新聞記事を読むまで全く知りませんでした。
何にしても、珍しいだけの日本食ブームではなく、日本の若者ですらどうかな、というゆずの奥深い味が理解されているとは、嬉しい限りです。
今日の「ちょっと言わせて」
「村上春樹氏の発言」
高名な作家村上春樹氏が、スペイン・カタルーニャ国際映画賞の会場でスピーチしました。
原子力発電についても自論を述べ、日本ではネット上で賛否両論が渦巻いているようです。
結果的に言って、以下のいくつかの理由で、私自身は否の方の意見です。
・原発問題にそれだけきちんとした意見を持っているのなら、どうして、今まで日本で堂々と持論を展開せず、スペインの映画祭の会場でなのか、ということです。
彼の映画では、深刻な原発問題を取り上げているのでしょうか。
また、カタルーニャ州には原子力発電所もあり、賛成派も反対派もいるはずですので、配慮を欠いたといえるでしょう。
・核をNOと言い続けるべきだった、と反省しているようですが、それだけ強い意志があるのなら、何故、以前からその考えを述べないのでしょう。彼ほどの知名度があれば、相当な影響力があります。
原発事故という結果を見て、私は前々からそのように思っていた、といっても、それは卑怯というもの、多くの結果評論家と同じレベルになってしまいます。
例えは適切ではありませんが、不言実行は日本の美徳の一つとされています。しかし、欧米での不言実行は評価を受けません。言わなければ分からないからです。有言実行が一番評価されます。
大リーグのベーブルース選手が絶大な人気を得たのは、ライトスタンドを指差し、あそこにホームランを打つと宣言して、その通りにしたからです。
・原子力発電をを受け入れた責任の一端は国民にもあり、加害者だ、とまで言っています。
東電の責任を追及するのは良いですが、国民に何の落ち度があったのでしょうか。
政府と東電の事後対応に抜かりがあったからこそ大事故に発展したのです。
村上氏は、帰国されたらマスコミ各社から、ことの真意について取材攻勢を受けるでしょうが、どのように説明されるか楽しみです。
ちょっと言わせて
6月10日(23;00) 日本時間11日(06;00)
「尖閣諸島魚釣島」
第二次大戦中、石垣島から台湾に向けて疎開する船がアメリカ軍に撃沈され、多くの方が命を落としました。その方たちの慰霊祭を行うため、石垣島の住民が、尖閣諸島の「魚釣島」に上陸する許可を日本政府に申請しました。
日本の領土に上陸するのに許可を求める、というのも可笑しな話ですが、百歩譲って、尖閣諸島は個人の所有地であり、政府が賃貸料を払って借り上げている事情があるから、なのかも知れません。
正確な数字は忘れましたが、政府は、年間数千万円を支払っていますが、最近、上野動物園が中国から借りた2頭のパンダの賃貸料7千万円ー8千万円よりは、かなり少ない額とだったと記憶しています。
ご承知のように、歴史的に見ても、尖閣諸島は日本の固有の領土であり、中国の言うような領土問題は存在しません。しかし、日本人が慰霊祭のために上陸するのに許可がいるようでは、尖閣諸島にはれっきとした領土問題が存在する、という感じを内外に与えかねません。
もちろん、上陸許可にはなるでしょうが、もし、拒否されるような事態になれば、日本政府は自分で自分の首を絞めることになります。
中国は、尖閣諸島の周辺海域に、天然資源が豊富にあるという調査結果を受け、俄然、自国の領土と主張し始めました。
それまでは、日本の領土であると認めていました。
もし、中国が、最初から自国の領土と思っているのなら、1969年まで続いていたアメリカの統治に黙っているわけがありません。
最近、日本の有識者が、テレビ番組などで、尖閣諸島に自衛隊を駐屯させるなど、名実共に支配を確立しておかなければ、バブルがはじけ始めている中国が、自国民の目を国外に逸らせるため、必ず侵攻してくる、と警告をしていますが、その通りだと思います。
早く手を打たないと、韓国に実効支配されている竹島の二の舞になってしまいます。
そんなことをすると、中国と戦争が始まると危機感を持っている人もいますが、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲である、と米国クリントン長官も明言しています。
中国も馬鹿ではありませんので、自衛隊の駐屯する島には、絶対に手を出すことはありません。
漁船の衝突事件の渦中の男、中国人船長を処分保留のまま釈放という暴挙を、平気で行うなど、中国の顔色ばかりを伺っている親中内閣では、実行は難しいでしょうが、モタモタしているうちに乗っ取られるようなことになれば、菅内閣は万死に値します。
スペインもジブラルタル問題を抱えていますが、何と言っても、相手は無頼漢ではなく良識のある英国です。
国民が大きな関心を示していないのも、この辺にあります。