スペイン生活のコツ
6月8日(23;00) 日本時間9日(06;00)
スペイン産きゅうりの問題があったので、その後、どんな具合になっているか気になり、八百屋さんを覗いてみました。ごく普通の雰囲気だったので安心しました。
店の一角に、これから旬を迎えるサクランボやメロンが並んでいました。
日頃は、ウリ類のあの青臭い匂いが嫌であまり食べませんが、スペイン人がよく食べるラグビーボール型のものではなく、中国メロンと呼ばれている、いわゆるマスクメロンを、真っ二つに切って売っていました。
凄く水みずしくて美味しそうなので、思わず値段も確かめずに買ってしまいました。
そこで、昔々、留学生だった頃、下宿のおじさんに、「君は学生だろう。スペインで暮らすのなら贅沢はせず、栄養豊富で体力が付き、しかも一番安上がりな食生活を心がけなさい。それには、ビールを飲み、牛肉を食べ、デザートにメロンを摂ることだ」と、やけに親身になって教えてくれたことを思い出しました。
マドリードに着いて間がなかったので、その時は、何かのジョークだろうと思いました。
そんな生活をしたら、当時の日本の常識からすれば、たちまち破産してしまうからです。
しかし、おじさんの忠告の正しかったことは、すぐに証明されました。ビールはコーラよりも安かったし、肉類は魚に比べると圧倒的に廉価でした。メロンも果物としては量が多いので、断然お得感がありました。
マドリード大学内の学食でも、ビールは別売りでしたが、牛肉とメロンは、常にセットで出ていたのを覚えています。
この安さの三店セットは、40年あまり経った今も同じで、何ら変わっていません。
今日のこの(画像参照)メロンの値段、いくらだと思いますか。正解は115円です。ラグビーボール型のものは、受給の関係で、1kg170円くらいとちょっと高めですが、標準サイズ一個の値段は300円ー400円、5-6回に分けて食べられるので、一回あたりの計算ではかなり安上がりです。
試しに、牛肉についても、八百屋の隣にあるスーパーでリサーチしました。
極上の品質ともなれば3000円から4000円くらいはしますが、シチューやカレー用の細切れ肉なら、600円ー700円ていどで、ごく普通のステーキ用なら1200円ー1300円です。
一度、日本から知人が訪ねてきて、マドリードの市場をぜひ見てみたいというので、案内しました。
果物や肉の値段は前もって吹き込んでいたのですが、どうも納得していない素振りが見えました。そして、「いや!牛肉の値段は日本とそんなに変わらないですね」、とおっしゃる。「そんな筈はないと思いますよ」と言いながら事情を聞くと、何と彼は販売価格の単位を勘違いしていたのです。
日本での牛肉の値段は、デパ地下でもスーパーでも、個人商店でも表示は100g単位で表示されるのが常ですが、スペインでは、パックになっているものを除けば、全てkg単位になります。
事情がわかったあと、大笑いしたこともあります。
最も、最近では日本にも外国産の牛肉が輸入されるようになり、値段もずいぶん下がっているようですが、それでもまだ、彼我の差はかなり大きいようです。
もちろん、前段で紹介した肉の値段は全て1kg単位の値段ですので、間違わないでください。
ビールの値段はどうでしょう?
挿入している写真は、世界的に知られるビール「ハイネッケン」の普通の大きさの缶です。日本のスーパーやコンビニではどのくらいで売られているか分かりませんが、こちらでは80円ほどです。もっともこのビールは高級ですので、スーパー独自の開発した、いわゆる自社で開発販売するビールなら、40円弱で買うことができます。
スーパーや市場を中心に買い物をし生活する人の家計は、エンゼル係数がすごく低く抑えられることは間違いありません。