マドリード市長の講演
6月7日(23;00) 日本時間8日(06;00)
高級ブティックが軒を並べるセラーノ通りの一角にあるビジネス・スクールで、「マドリード市、未来に向けた公共管理モデル」と題し、先月の統一地方選挙で大勝した国民党(PP)のアルベルト・ルイス・ガジャルドン市長が講演しました。
タイトルから想像して、講演内容は一般的なもので、さほど興味はなかったのですが、せっかく招待状も頂いたいることなので、久しぶりに市長のお顔を拝見するつもりで出かけました。
マドリード州の知事時代のガジャルドン市長には何度かお目に掛かったことがあり、食事もご一緒させて頂きましたが、選挙に大勝したこともあってか、その頃よりもさらに若返った感じで、溌剌としていました。
面白いことに、日本の政界なら知事のポストは、道府県庁所在地の市長よりステータスは上ですが、スペインはちょっと事情が違います。
何人かの政治家に聞いた話ですが、彼らが目標とするのは、1番が総理大臣、2番は各省庁の大臣ポストではなく、マドリード市長だといいます。
ガジャルドン市長も、大阪の橋下知事ー平松市長の対立と同じように、同じ国民党のエスペランサ・アギィーリ知事との確執は伝わってきますが、次の総選挙で、国民党が政権を担えば、将来の総理候補にも挙げられる大物中の大物にもかかわらず、マドリード州知事から市長へと鞍替えしています。
日本の場合、強権を持つ東京都知事は、首都東京市が存在しないだけに別格ですが、他の道府県の知事の権力も絶大で、衆議院や参議院から鞍替え出馬する議員も多いようです。
しかし、最近では名古屋の河村たかし氏のような大物市長が現れたり、橋下知事が大阪市長選に名乗りを上げる可能性も出るなど、知事ー市長の順番にも変化が見え始めています。
ガジャルドン市長は、大の愛犬家としても知られ、好感を持っていますが、昨日、偶然にも、日頃から親しくしているTさんから、お昼ごろ、犬を散歩させている市長をお見掛けした、というお電話を頂きました。
私が今日、彼の講演に行くことをご存知だったからです。
多忙を極める市長に、よくそんな時間がありましたね、とお答えしたのですが、わずかな時間を割いてでも、愛犬を散歩に連れ出すなど、なんとも微笑ましい市長さんです。
注;
各州によって呼称は違いますが、便宜的に、首長を知事と表記しました。
因みに、マドリード州の首長はPresidente(英語のPresident)です。
字義的な知事は、中央政府が任命するGobernador civil (英語のGavernor)で、別の組織になります。